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「土と暮らす家」エクスナレッジ [建築など]


土と暮らす家

土と暮らす家

  • 出版社/メーカー: エクスナレッジ
  • 発売日: 2023/07/03
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



それぞれの土地と一体化したような家が登場する。あらたに設計新築したものもあれば、中古住宅を改装したもの、古民家など、いろいろである。利便性だけ求めた都会の家とは異なり海や山のなかにその土地の一部のようになっている。ウッドデッキがそのまま竹林と接続している家などオモシロイ。「土と暮らす家」は見ていてうらやましいものばかりである。こうした土地で「心と体がゆるむ暮らし」ができたならと思う。「食べ物が体を作る」ように「住む環境が人をつくる」。


小さな家。時をつむぐ、豊かな暮らし

小さな家。時をつむぐ、豊かな暮らし

  • 出版社/メーカー: エクスナレッジ
  • 発売日: 2017/04/29
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



Love Customizer2 DIY×セルフリノベーションでつくる家

Love Customizer2 DIY×セルフリノベーションでつくる家

  • 作者: 石井 佳苗
  • 出版社/メーカー: エクスナレッジ
  • 発売日: 2016/12/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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「世界建築史 15講」 彰国社 [建築など]


世界建築史 15講

世界建築史 15講

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 彰国社
  • 発売日: 2019/03/30
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


単なる読み物としても楽しめる

西洋中心の世界史、世界建築史に異議を唱えての出版のようだ。書籍タイトル(英文)にある「グローバル ヒストリー」に関し、(『はじめに』に)次のように示されている。

〈今日のいわゆるグローバル・ヒストリーが成立する起源となるのは西欧による「新世界」の発見である。西欧列強は、世界各地に数々の植民都市を建設し、それとともに「西欧世界」の価値観を植えつけていった。そして、これまでの「世界史」は、基本的に西欧本位の価値観、西欧中心史観に基づいて書かれてきた。西欧の世界支配を正統としてきたからである。そこではまた、世界は一定の方向に向かって発展していくという進歩史観いわゆる社会経済史観あるいは近代化論に基づく歴史叙述が支配的であった。 / 世界建築史もまたこれまでは、基本的には西欧の建築概念を基にして、古代、中世、近世、近代、現代のように世界史の時代区分に応じた段階区分によって書かれてきた。そして、非西欧世界の建築については、完全に無視されるか、補足的に触れられてきたに過ぎない。しかし、建築は、歴史的区分や経済的発展段階に合わせて変化するわけではない。また、建築の歴史、その一生(存続期間)は、王朝や国家の盛衰と一致するわけではない。世界建築史のフレームとしては、細かな地域区分や時代区分は必要ない。世界史の舞台としての空間、すなわち、人類が居住してきた地球全体の空間形成と変容の画期が建築の世界史の大きな区分となる。・・・中略・・・本書は、日本におけるグローバル建築史の叙述へ向けての第一歩である〉。

そして、その内容は〈第Ⅰ部では、建築の全歴史をグローバルに捉える視点からの論考〉が示される。〈第Ⅱ部では、まず、世界中のヴァナキュラー建築を総覧する。人類の歴史は、地球全体をエクメーネ(居住域)化していく歴史である。・・〉とあって、世界各地域の「その土地特有の」「ヴァナキュラー建築(地域に土着する伝統的建築)」が紹介される。〈第Ⅲ部では、建築を構成する要素、建築様式、建築を基本的に成り立たせる技術、建築類型、都市と建築の関係、建築書など、建築の歴史を理解するための論考をまとめた。・・〉とある。

本書のはしばしから、そういう見方もあるのかと啓発を受ける。〈建築の起源は、原初の住居、すなわち、簡単な覆い(シェルター)の小屋である。あるいは、特別な空間を記し、区別するために、一本の柱や石を置く行為である。(『はじめに』)〉といった身近で小さな視点からの、あるいは、〈建築を含めて私たちを取り巻く事物はすべて、この地球を原料としている(01「大地と建築」の世界史 Buildinghood(大地からの構法)〉といった、大陸間のプレートの動きに着目したスケールの大きな視点からの論考もある。

建築に直接関わらない方でも、読み物として楽しめるように思う。

2019年5月29日にレビュー
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「家をセルフでビルドしたい」 阪口 克著 文藝春秋 [建築など]


家をセルフでビルドしたい 大工経験ゼロの俺が3LDK夢のマイホームを6年かけて建てた話

家をセルフでビルドしたい 大工経験ゼロの俺が3LDK夢のマイホームを6年かけて建てた話

  • 作者: 阪口 克
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2018/11/30
  • メディア: 単行本


楽しく、参考になる

本書の内容は、副題の「大工経験ゼロの俺が3LDK夢のマイホームを6年かけて建てた話」がスベテである。東京に住まいする旅行カメラマンがセルフビルドで家を建てようと思い立ったいきさつ、土地の選定、工具・資材の購入の苦労話、友人・家族の助け、地元の人との交流などなど・・・が記されていく。

これから、セルフビルドで家を建てようとする方にとってはたいへん参考になるにちがいない。こうして建てることができるなら、自分もやってみたいな(たぶん、著者とちがってやらないだろうけど)と思ったし、建設中に著者の建設計画を知り、ブログにでも投稿されているのを知っていたなら、見学を兼ねて手伝いに行ったカモ・・と思う。

文章の雰囲気は椎名誠さんの著作をほうふつとさせるもので、読み物としても楽しい。

2019年2月9日にレビュー

笑って! 小屋作り~50万円でできる! ?セルフビルド顛末記~

笑って! 小屋作り~50万円でできる! ?セルフビルド顛末記~

  • 作者: 中山茂大
  • 出版社/メーカー: 山と渓谷社
  • 発売日: 2019/01/17
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



笑って! 古民家再生 失敗したけど、どうにかなった! ?

笑って! 古民家再生 失敗したけど、どうにかなった! ?

  • 作者: 中山茂大
  • 出版社/メーカー: 山と渓谷社
  • 発売日: 2012/06/22
  • メディア: 単行本



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『トコトンやさしいダムの本 (今日からモノ知りシリーズ)』溝渕 利明著 日刊工業新聞社 [建築など]


トコトンやさしいダムの本 (今日からモノ知りシリーズ)

トコトンやさしいダムの本 (今日からモノ知りシリーズ)

  • 作者: 溝渕 利明
  • 出版社/メーカー: 日刊工業新聞社
  • 発売日: 2018/07/25
  • メディア: 単行本


ほんとに「トコトンやさしい」

アマゾンの熱帯雨林より日本の降水量の方が多いようなハナシを聞きます。ゲリラ豪雨の被害も特定の地域と限られることなく、これから日本のどこででも生じそうです。古来、治水事業は為政者にとっての大切な役目であったと聞きますが、今日、その点でダムの役割は大きいのだろうなと本書を手にしました。日刊工業新聞の「トコトンやさしい」シリーズはほんとにやさしくまとめてありますが、本書も同様です。目次を以下にしめします。

第1章 ダムのここだけは知っておこう
1 地球上で人が利用できる水の量は? 「全人類で琵琶湖5000杯分」
2 ゲリラ豪雨が日本を襲う 「短時間の大雨への対策」
3 突然襲ってくる鉄砲水は恐ろしい 「土石流の発生は増加傾向」
4 水を治めるものが国を治める 「治水事業は今も昔も国家戦略の最重要課題」
5 ダムと名乗れるのは法律で決まっている? 「水を堰き止め、貯めるものすべてがダムではない」
6 ダムとため池 「稲作用に水を貯める有用性」
7 なぜダムを造らなければならないの? 「人々を洪水などから守るため」
8 ダムにはどんな役割がある? 「六つの顔を持つヒーロー」
9 ダムの種類は? 「ダムの材料や形はさまざま」
10 ダムは世界にどれくらいあるの? 「ダムのない都道府県はない」
11 ダムはどのように数えるの? 「正しく数えてみよう」
12 ダムの大きさはどうやって決めるの? 「ダムは小さく造ってたくさん水を貯めるのが一番」
13 ダムはいつからあるの? 「人類の文明とともに歩んできたダム」
14 ダムには鉄筋が入っていない? 「引張に弱いコンクリートでも鉄筋はいらない」
15 ダムは見えないところでも水を止めている? 「割れ目を防いで貯水ができる」
16 ダムができるまで川の水はどうするの? 「水の流れを変える二つの方法」
17 ダムができると地震が起きる? 「なぜか水を貯めた後に起こる群発地震」

第2章 ダムの種類とその特徴
18 ダムの形はどうやって決めるの? 「決め手は地盤の強さだけではない」
19 ダムにはさまざまな施設がある 「基本構造を知ろう」
20 重力式ダム 「自身の重さで巨大な水圧を支えるどっしりタイプ」
21 アーチ式ダム 「曲線が美しいスレンダーボディー」
22 重力式アーチダム 「重力式ダムとアーチ式ダムのいいとこどり」
23 バットレス式ダム 「コンクリートダムの中で、唯一鉄筋コンクリートを使用」
24 中空重力式ダム 「見た目は重力式、でも中は空洞」
25 ロックフィルダム 「土、砂 ・ 砂利と岩でできたダム」
26 アースダム 「最も古典的な形状」
27 フェイシングダム 「上流面を水の通らない膜で覆う」
28 砂防ダム 「土砂 ・ 岩石を貯めるダム」
29 地下ダム 「地下を流れる水を貯める」

第3章 ダムの計画と設計
30 ダムを造る三原則 「転倒、滑動、破壊の安全対策」
31 ダムを建設する場所はどうやって決めるの? 「さまざまな条件から最も効果的な場所を探る」
32 ダムを造るための年数 「完成までに40年以上かかる?」
33 ダム建設のための事前工事 「まずは道路や橋の建設に着手」
34 原料は建設現場周辺から採取する 「コンクリートダム建設に必要な原石の掘削量とは」
35 ダム建設場所の環境調査 「環境影響調査や生態系調査は欠かせない」
36 ダム建設の理想の地形 「地形とダム形状の関係」
37 ダムに生じるひび割れ 「コンクリートの内側と外側の温度差による影響」
38 ダム内部の温度 「ダムの中心が冷えるには数十年かかる」

第4章 ダムを造るために必要な設備
39 コンクリートダムに使う材料 「コンクリートに混ぜる砂利の大きさはダチョウの卵大」
40 フィルダムに使う材料 「コンクリートは使わず、天然の材料のみ」
41 フェイシングダムに使う材料 「遮水膜の特徴に適した施工技術」
42 原石の加工と貯蔵 「原石山から選別し、適したサイズに破砕」
43 コンクリート製造設備 「コンクリートダムのためだけに建設される施設」
44 コンクリート運搬設備 「大量のコンクリートを施工場所まで運ぶ方法」
45 コンクリート打設機械 「新たな工法も生まれている」
46 濁水処理設備 「ダム建設で出る汚れた水をきれいな水に変える」
47 その他の設備 「まだある、工事を支える設備」
48 調査横坑 「周囲の岩盤を詳細に調査する」
49 転流工 「建設現場内に水が入ってこないようにするための迂回路」

第5章 ダムの施工技術と工法
50 堤体掘削 「ダム本体を据え付けるために、山の表面部分を削り取る」
51 グラウト 「水が漏れないようにする陰の主役」
52 パイプクーリング 「内部の熱を除去する方法」
53 プレクーリング 「温度変化によるひび割れ防止」
54 柱状工法 「ブロックに分けて施工する」
55 拡張レヤ工法 「柱状工法よりも効率的な施工が可能」
56 RCD工法 「コンクリートダムの急速施工が可能」
57 CSG工法 「セメントで固めた砂礫を使用」

第6章 ダムの維持管理とリニューアル
58 ダムの寿命はどれくらい? 「維持管理が長寿命の決め手」
59 ダムの決壊 「下流の街に甚大な被害を及ぼす」
60 ダムの維持管理 「ダムの安全は常に監視されている」
61 ダムのリニューアル 「重要視される既設ダムの機能向上」

第7章 ダムのいろいろ
62 ダム建設で町ができる? 「工事関係者によって活気が溢れる町へ」
63 ダム建設による経済効果 「地元企業を巻き込んだ事業」
64 ダムと観光 「ダムやダム湖は地域の観光名所になる」
65 ダムとの共生 「住民や自然環境とともに歩んでいく方法」
66 これからのダム 「ダムが進むべき方向」

2018年9月7日にレビュー

ダムの科学 知られざる超巨大建造物の秘密に迫る (サイエンス・アイ新書)

ダムの科学 知られざる超巨大建造物の秘密に迫る (サイエンス・アイ新書)

  • 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
  • 発売日: 2012/11/15
  • メディア: Kindle版



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『世界の文豪の家』 エクスナレッジ [建築など]


世界の文豪の家

世界の文豪の家

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: エクスナレッジ
  • 発売日: 2016/09/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


条件をおなじくすれば、もしや「文豪」に

2013年に、本書と同じくエクスナレッジから『文豪の家』が発行されている。《家を知れば文学が見える!》をうたい文句に、《どんな家で名作が書かれたかを知ることで、 同じ作品も今までと異なる読み方ができるはずです》と、その紹介文にあるが、本書は、その外国版。

これまでも、著名作家の「書斎」を紹介する本が出ている。それらはもっぱら作家の作業場の秘密を明かすような内容だが、こちらは、もっと遠景からながめる感じ。出生した家や、転々としたなかで今では記念館として残されている家。「終の棲家」となったところなど、いろいろ紹介されている。

写真は、本書のために特別に撮影されたものではなく、外国の写真家や出版社に帰属するものを借りている。簡単な略歴(年表あり)と、あっさりとした解説がなされている。そうではあるが、フツウの文学辞・事典では紹介されない解説・写真も少なくない。たとえば、ヘミングウェイ主催のカジキ一本釣りの大会で、「フィデル・カストロが優勝したこともあった」といった内容だ。

この人は「文豪」に数えられるのかと思う人も中にはいる。まさに「豪邸」と呼べる立派な家をもっていながら、その傍らに、独立した小屋を設けて執筆をした「文豪」が3名ほどいる。高級調度品などに囲まれていては、わりと執筆はしにくいものなのかもしれない。その小屋の屋根の形が6角形の「文豪」、8角形の「文豪」がいる。12角形の机をもちいて執筆した「文豪」もいれば、立ち机を用いた「文豪」もいる。風光明媚なところに住まいしたいのは、だれしも同じなのだろうが、水辺を愛した「文豪」は多い。さて、誰であろう・・?条件をおなじくすれば、もしや「文豪」になれるかもしれない。

悲惨な終わりを迎えた「文豪」も複数いる。マクシム・ゴーリキーに関する解説を一部引用してみる。《1917年、ついに帝政ロシアが崩壊。出版社創設などの文化活動に力を注いだが、レーニンと知識人に対する処遇で対立し、結果、結核の療養という名目で再びイタリアで暮らすことになる。国民的作家として母国に住まいを戻したのは1931年。その帰還は政治宣伝に利用され、豪邸をあてがわれた彼は、1934年にソヴィエト作家同盟を結成し、議長に就任する。しかし、その後は事実上の軟禁状態におかれ、人生の幕を閉じた》。

2016年10月29日にレビュー

文豪の家

文豪の家

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: エクスナレッジ
  • 発売日: 2013/04/30
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



センセイの書斎---イラストルポ「本」のある仕事場 (河出文庫)

センセイの書斎---イラストルポ「本」のある仕事場 (河出文庫)

  • 作者: 内澤 旬子
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2011/01/06
  • メディア: 文庫



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『パブリックライフ学入門』ヤン・ゲール/ヴィアギッテ・スヴァア著 鹿島出版会 [建築など]


パブリックライフ学入門

パブリックライフ学入門

  • 作者: ヤン・ゲール
  • 出版社/メーカー: 鹿島出版会
  • 発売日: 2016/07/14
  • メディア: 単行本


『パブリックライフ学』の見地から人間と都市を観察する方法を学ぶ

『パブリックライフ学』とは何か?の疑問から手にした。「入門」とあるので、どんな学問であっても、それなりに理解できるであろうと読み始めた。

著者ヤン・ゲールは、「建築学部で公共空間に関する研究、教育に携わり、コンサルタントとして」世界の諸都市の「都市政策に関わ」り、「人間のためにふさわしい都市をつくること」をめざしてきた人物。

『パブリックライフ』とは「学校の行き帰りやバルコニーで、座る、立つ、歩く、自転車に乗るなど、建物の間で起き得るあらゆる活動のこと」「私たちが外に出て目にすることができるすべての出来事のこと」。『パブリックスペース』とは、「街路、小路、広場、ポラードなど、人為的な環境を構成するすべてのもの」。それらの間に良好な関係をデザインしようとするのが『パブリックライフ学』のめざすところと言えそうだ。

《訳者解題》には、「パブリックライフ学とは、日々変わりつづける都市の状況をつぶさに記録することで、そこから新しい生活の価値を見つけ出し、都市の魅力をかたちづくっていくための実践学」と説明されている。

本書は、「過去50年間に開発されたパブリックスペースとパブリックライフの調査手法を紹介するもの」。「これらの技術を用いれば、都市空間や利用実態について、より深く理解することができ、ひいては空間をよりよく機能的に変えられる」。その「分析手法のカギとなるもの、それが『観察』」。その具体的方法と実践例が本書に示されていく。

動物学の見地から人間とその行動を観察する方法をデズモンド・モリスから学びうるように、『パブリックライフ学』の見地から人間と都市を観察する方法をヤン・ゲールから学ぶことができそうだ。


■目次
・序文 (ジョージ・ファーガソン)
・まえがき

・1 パブリックスペースとパブリックライフーーそれらの相互作用
・2 誰が?何を?どこで?
・3 カウント、マッピング、トラッキング、その他のツール
・4 パブリックライフ研究の系譜
・5 先人たちの手法から学ぶ:リサーチノート
・6 パブリックライフスタディ実践編
・7 パブリックライフスタディと都市政策

・注釈
・参考文献
・訳者解題

2016年9月11日にレビュー

マンウォッチング〔文庫〕 (小学館文庫)

マンウォッチング〔文庫〕 (小学館文庫)

  • 作者: デズモンド・モリス
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2007/03/07
  • メディア: 文庫


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『 原色 石材大事典 :色調、模様、吸水率、強度などがひと目でわかる!』 誠文堂新光社 [建築など]


原色 石材大事典: 色調、模様、吸水率、強度などがひと目でわかる!

原色 石材大事典: 色調、模様、吸水率、強度などがひと目でわかる!

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 誠文堂新光社
  • 発売日: 2016/05/13
  • メディア: 単行本


本書のおかげで、建築物を見る楽しみがひとつ増えた

本書は、日本で流通している建築用石材の大図鑑。大理石・ライムストーン73種、花崗岩103種、砂岩7種、スレート16種、テラゾ16種、歴史的な銘柄24種、合計244種が掲載されている。石材の色調や模様がわかる写真とともに、産出国、みかけ比重、吸水率、圧縮強度などのデータがひと目でわかるようになっている。

なんのことはない、見本帳のようなもので、これから石材を用いて施工をしたいという人が、あれこれと考える楽しみを提供してくれる本だといえる。ただし、「サンプル写真」については注意書きがある。「※ 印刷のため、現物とは色調、模様など異なる場合があります。使用の際は、必ず現物サンプルを確認してください」と、ある。

その点、本書には「実際の施工例」が紹介されている。現物(施工例)を見に行くのが一番実感をつかめるにちがいない。各サンプルの記述は次のようなスタイル。いくつか、引用してみる。

「アウリジーナ フィオリータ」 化石の模様の違いを楽しめる(貝殻化石が多く見受けられるグレー大理石。層により化石が均一でない部分があるが、表情の違いがおもしろい。原産国:イタリア・・施工例(所在地/使用部位):桐生市市民文化会館(群馬県/壁)、長岡赤十字病院(新潟県/壁)・・

「タソス ホワイト」 気品ある大理石のベストセラー(太陽の光を反射してまばゆい輝きを放つ純白の本種は、いまもギリシャの街並みには欠かせない。清潔な白にほのかに浮かぶやさしい斑紋が美しい。産出国:ギリシャ・・施工例:シティ・ホール建設第2期庁舎(群馬県/壁)、JAL本社(東京都/壁、床)・・

「ビアンコ カラーラ」 大理石の代表石種で世界中で使われている(ミケランジェロの彫刻作品「ダビデ像」で使用された。多くの丁場があり、丁場により色調、柄が多種に分かれる。ピンホール、白線、淡黄線が若干混入する。原産国:イタリア・・施工例:群馬県庁舎(群馬県/壁、床)、新生銀行本店(東京都/壁、床)

「ペンテリコン」 透明感のある平行流れの大理石(アテネのパルテノン神殿に使用されている石材として有名。本種の丁場は歴史があり大規模ではあるが、キズが多く原石の生産は停止している。原産国:ギリシャ・・施工例:朝日生命日比谷ビル(東京都/壁)、サンシャイン60(東京都/壁)

「ジュライエロー」 ジュラ紀の砕屑物を封印した肌理を持つ(ジュラ紀の化石が点在するライムストーン。層により濃淡の変化が激しい。日本ではサンプル写真のタイプが好まれ、L層より産出される。原産国:ドイツ・・施工例:群馬県館林美術館(群馬県/床)、東京国立博物館法隆寺宝物館(東京都/壁)

「トラベルチーノ ロマーノ」 トラバーチンの代表石種(ローマの町並みに使われている歴史的な石種である。色調のそろった良材は埋蔵量の枯渇をきたし、生産調整されているため、大型物権の使用時は注意。巣穴が平行に流れ、グレーの帯のない原石が良材。原産国:イタリア・・施工例:東京オペラシティー(東京都/コンサートホール床)、サントリーホール(東京都/床)

「オーロ ガウチョ」 プラタガウチョの表層が酸化したもの(同一丁場であるプラタガウチョの表層部が酸化などによりベージュに変色したもの。丁場、採掘層により色調は異なる。大型物件の対応には原石調達に時間がかかる。産出国:ブラジル・・施工例:ランドマークタワー(神奈川県/外壁)

本書のおかげで、建築物を見る楽しみがひとつ増えた。

2016年8月12日にレビュー

石材の基礎知識 (「月刊石材」別冊シリーズ)

石材の基礎知識 (「月刊石材」別冊シリーズ)

  • 作者: 服部 仁
  • 出版社/メーカー: 石文社
  • 発売日: 2014/04
  • メディア: 単行本



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*日本建築空間史: 中心と奥』安原 盛彦著 鹿島出版会 [建築など]


日本建築空間史: 中心と奥

日本建築空間史: 中心と奥

  • 作者: 安原 盛彦
  • 出版社/メーカー: 鹿島出版会
  • 発売日: 2015/03/11
  • メディア: 単行本


建築をとおして知る、日本人の「空間」意識

たいへん興味深い論考。建築をとおして日本人が空間をどのように読みとり、切り取ってきたのかその意識の在り方を知ることができる。つまりは、建築から見る日本文化論、日本人論ということもできようかと思う。

著者は、縄文時代まで遡って考察をすすめる。1章 「竪穴住居」1節「竪穴住居と空間構成」の「柱と家づくりー中心性の発生」の項で、竪穴住居と柱との関係が論じられる。①「無柱の場合」から順に論議が進められ⑤「柱が4本立つ場合(図2-4)」において、次のような説明がなされる。《4本の柱は縦・横方向に柱間という形、概念を生み出し、一間(ヒトマ:一間四方)という4本の柱に囲まれた最小の平面四角のスペースをもつ空間を生み出す。そこが中心部(中心空間、core)となり、その周りに周辺部(周辺空間、peripheral area)を生み出す(図1)。それは二方向に軸線を生み出し、それが交わる部分が中心空間となる。交差軸の発生である。(略) 建物に、柱が囲う空間とその廻りの空間とがあり、それが住む人の意識に両者を分ける契機となる可能性を与えている。つまり内部空間を分節する契機である。中心部と周辺部との分節(アーティキュレイト)がなされてゆく、小さな竪穴式住居の基本形といえる》。

何もナイところに柱を立てることで、そこに「空間」が生み出されていく。それは著者の論議の仕方に似ている。当該書籍中のキーワードの一つに「間面記法(ケンメンキホウ)」がある。それは平安期に用いられた「建物の大きさ、平面的な関係を表現する方法」のことだ。それは、奈良期に用いられた方法と異なり、間口は示すものの、奥行きを示さない。そのことを某博士は「不備な点」とマイナス評価した。しかし、著者はその点を、「私にはそれは奥行きを記さないことに意味があったように思える」と記し、プラスの面を実際に掘り出して見せる。そのように、著者は、意味のナイところに、意味アルものを見出して、見えないものを見えるように助けてくれる。

「寝殿造」に関する論考では、『源氏物語』への言及もある。《紫式部は物語性ばかりでなく、寝殿造においての空間性を熟知していた。五感で空間を感じ取る感性、それを言葉で表現する知性をもっていた。紫式部を読んでいて驚くのは、言葉で空間を描くことの可能性の高さ、深さである。空間を建築や絵画によってではなく言葉で描くことができたということである。//逆に言えばこれほどまでに場・空間(寝殿造)を描写しなければ物語を表現するに至らないことがこの時代の物語表現の特徴を表象していると私考する》。

建築にかぎらず、日本の文化に興味・関心のある方であれば誰でも読んで興じることができるように思う。しかも、わくわくしながら・・・。

2016年6月21日レビュー


白井晟一空間読解―形式への違犯

白井晟一空間読解―形式への違犯

  • 作者: 安原 盛彦
  • 出版社/メーカー: 学芸出版社
  • 発売日: 2005/09/10
  • メディア: 単行本



西洋建築空間史―西洋の壁面構成

西洋建築空間史―西洋の壁面構成

  • 作者: 安原 盛彦
  • 出版社/メーカー: 鹿島出版会
  • 発売日: 2007/10
  • メディア: 単行本



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『造園の手引き: 造園学の知識から実務に必要な技術まで』 [建築など]


造園の手引き: 造園学の知識から実務に必要な技術まで

造園の手引き: 造園学の知識から実務に必要な技術まで

  • 作者: 京都府造園協同組合
  • 出版社/メーカー: 誠文堂新光社
  • 発売日: 2016/03/09
  • メディア: 単行本


庭園を鑑賞するうえでも役立つように

庭園に興味があって、DVD『日本の庭』(全15巻 ユーキャン)を見て楽しむなどしてきました。それはそれなりに『庭』の見方を教えてくれるものですが、造る側の意向、配慮、苦労を知るなら、よりふかく『庭』をたのしむことができるであろうとの思いから当該書籍を手に取りました。

『はじめに』、「未来の名匠を目指し学ぶ若き造園家たちに、同じく造園家として、基礎的な知識を得、日本庭園の魅力を感じ、生涯本書が造園活動における良き友としての役割を果たしてほしいとの思いから」出版に取り組んだ旨が、京都造園高等職業訓練校長井上剛宏氏によって記されています。

基本的に、プロの造園家、「名匠」を目指す人々への本です。『おわりに』に「本書は一種の入門書です」と、ありますが、やはり実務に携わっていないと理解が及ばない部分も多く見受けられます。それでも、むずかしいものは、むずかしいものとして、保留しておくと、いつか自ずと見えてくるようなものにも思えます。

「快適な環境づくり、優れた景観形成といった、造園本来の基本的な課題に対しては少し言及していますが、それ以外については専門分野に立ち入った記述は、ほとんどありません。読者が造園の幅の広さや、奥深さに接し、さらに知見を広げようとする “きっかけ” “指針” になることを願ってまとめたものです」ともあります。

庭園を造る側から考え、鑑賞する “きっかけ” “指針” とする手はじめとしても手元に置くにいい書籍に思えます。

2016年6月20日レビュー

目次 はじめに
1章 造園とは 01造園のはじまり 02造園の目的・役割と対象空間

2章 造園の歴史と様式 01日本の造園史 02ヨーロッパの造園史

3章 現代の造園空間 01日本の庭園 02日本の公園 03欧米の造園空間 20世紀初頭のランドスケープデザイン(1920年代~)

4章 造園空間の特性 01空間の変容性と連続性 02自然の活用と共生 03日本庭園のデザイン特性と空間構成技法

5章 造園作業の内容と手順 01計画設計 02基本計画の内容と手順 03基本設計及び実施設計 04施工05管理運営

6章 造園材料 01植物と環境 02造園植物 03石材 04そのほかの素材

7章 設計施工の各論 01造園空間の基盤づくり 02主要な造園施設の意匠と技法

8章 造園空間の管理 01特性と在り方 02植物管理 03施設管理 04運営管理 
造園用語・造園材料 索引 おわりに、著者プロフィール

実際の内容は、さらに細かくなっています。たとえば、7章02は 1.造園施設の概要、2.園路・広場(①園路 ⅰ土及び砂・砂利の園路ⅱ延段イ石畳のタイプ ロその他の延段 延段の設計施工上の留意点 ⅲ飛石 ⅳ階段・橋イ 階段ロ 橋 ⅴその他の園路)(②広場・・・)という具合。


造園学概論

造園学概論

  • 出版社/メーカー: 朝倉書店
  • 発売日: 2021/09/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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「マンガで読む建築基準法」ビューローベリタスジャパン株式会社 建築認証事業本部 [建築など]


マンガで読む建築基準法

マンガで読む建築基準法

  • 作者: ビューローベリタスジャパン株式会社 建築認証事業本部
  • 出版社/メーカー: エクスナレッジ
  • 発売日: 2023/02/02
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



評者は建築基準法について全くの無知です。単なる興味から本書を手にしました。本書パート1は個性の異なる漫画によって構成されています。敷地・面積・高さ・防火・避難・居室をテーマにそれぞれ6人が描いています。「よくもまあ、ここまで異なるタイプの漫画を揃えたなあ」という印象です。物語化されていますので、興味をもって読み進めることができます。

内容的にはいい本だと思うのですが、難点があります。シニアアイなど視力に問題のある方にとっては読むに際して少々辛いものがあると思います。注意して読み取りたい 図面、表、脚注など肝心なところが細い線描きであり、印字も小さい。これは評者がそのように感じるまでのことですが、ムック版のような判型、本書の倍くらいあると見やすく読みやすくなるように思います。

ですから、購入を考慮される方は、一度書店で手に取ってご覧になってからの方がいいように思います。若くて視力になんら問題の無い方であれば、ダイジョウブであるように思いますが・・


史上最強図解 よくわかる建築基準法

史上最強図解 よくわかる建築基準法

  • 作者: 大脇 賢次
  • 出版社/メーカー: ナツメ社
  • 発売日: 2009/11/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


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