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『造園の手引き: 造園学の知識から実務に必要な技術まで』 [建築など]


造園の手引き: 造園学の知識から実務に必要な技術まで

造園の手引き: 造園学の知識から実務に必要な技術まで

  • 作者: 京都府造園協同組合
  • 出版社/メーカー: 誠文堂新光社
  • 発売日: 2016/03/09
  • メディア: 単行本


庭園を鑑賞するうえでも役立つように

庭園に興味があって、DVD『日本の庭』(全15巻 ユーキャン)を見て楽しむなどしてきました。それはそれなりに『庭』の見方を教えてくれるものですが、造る側の意向、配慮、苦労を知るなら、よりふかく『庭』をたのしむことができるであろうとの思いから当該書籍を手に取りました。

『はじめに』、「未来の名匠を目指し学ぶ若き造園家たちに、同じく造園家として、基礎的な知識を得、日本庭園の魅力を感じ、生涯本書が造園活動における良き友としての役割を果たしてほしいとの思いから」出版に取り組んだ旨が、京都造園高等職業訓練校長井上剛宏氏によって記されています。

基本的に、プロの造園家、「名匠」を目指す人々への本です。『おわりに』に「本書は一種の入門書です」と、ありますが、やはり実務に携わっていないと理解が及ばない部分も多く見受けられます。それでも、むずかしいものは、むずかしいものとして、保留しておくと、いつか自ずと見えてくるようなものにも思えます。

「快適な環境づくり、優れた景観形成といった、造園本来の基本的な課題に対しては少し言及していますが、それ以外については専門分野に立ち入った記述は、ほとんどありません。読者が造園の幅の広さや、奥深さに接し、さらに知見を広げようとする “きっかけ” “指針” になることを願ってまとめたものです」ともあります。

庭園を造る側から考え、鑑賞する “きっかけ” “指針” とする手はじめとしても手元に置くにいい書籍に思えます。

2016年6月20日レビュー

目次 はじめに
1章 造園とは 01造園のはじまり 02造園の目的・役割と対象空間

2章 造園の歴史と様式 01日本の造園史 02ヨーロッパの造園史

3章 現代の造園空間 01日本の庭園 02日本の公園 03欧米の造園空間 20世紀初頭のランドスケープデザイン(1920年代~)

4章 造園空間の特性 01空間の変容性と連続性 02自然の活用と共生 03日本庭園のデザイン特性と空間構成技法

5章 造園作業の内容と手順 01計画設計 02基本計画の内容と手順 03基本設計及び実施設計 04施工05管理運営

6章 造園材料 01植物と環境 02造園植物 03石材 04そのほかの素材

7章 設計施工の各論 01造園空間の基盤づくり 02主要な造園施設の意匠と技法

8章 造園空間の管理 01特性と在り方 02植物管理 03施設管理 04運営管理 
造園用語・造園材料 索引 おわりに、著者プロフィール

実際の内容は、さらに細かくなっています。たとえば、7章02は 1.造園施設の概要、2.園路・広場(①園路 ⅰ土及び砂・砂利の園路ⅱ延段イ石畳のタイプ ロその他の延段 延段の設計施工上の留意点 ⅲ飛石 ⅳ階段・橋イ 階段ロ 橋 ⅴその他の園路)(②広場・・・)という具合。


造園学概論

造園学概論

  • 出版社/メーカー: 朝倉書店
  • 発売日: 2021/09/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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