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キモおどろしい生き物大集合! ビジュアル「奇怪」生物図鑑200種 [生物学]


キモおどろしい生き物大集合! ビジュアル「奇怪」生物図鑑200種

キモおどろしい生き物大集合! ビジュアル「奇怪」生物図鑑200種

  • 出版社/メーカー: 秀和システム
  • 発売日: 2022/01/28
  • メディア: 単行本



「奇怪」生物写真集。「奇怪」のなかには植物の「ゲッカビジン」「サンカヨウ」「ギンリョウソウ」のような妖艶なもの、キリンの仲間「オカピ」のような奇妙なものも含まれる。ただただ(あるいは敬して)遠ざけたくなるようなキモイものばかりではない。

写真もイイが、解説もイイ。なんともユーモアがある。面白がらせようというのでなく、そこはかとなく面白い。監修者は森昭彦氏。どんな方かプロフィル・ページに写真が掲載されてないのが残念。きっとどんな「奇怪」なものも受容する気持ちの大らかさが、顔にあらわれている人物にちがいない。それでも、写真を掲載して「奇怪」生物扱いされてはタイヘンと籌著されたのかもしれない。

ちなみに、「フサギンポ」のキャッチフレーズは「愛くるしさはウナギイヌに通ず!」。解説冒頭を引用すると以下のよう。〈フサギンポは実に奇妙で愛嬌のある顔をした魚だ。口を半開きにした状態はなおさらで、それがドジョウのような胴長の体についているものだから、妙に違和感がある。逆にこの姿が特徴的であり、芸能人で魚類学者のさかなクン監修で作られた7種類の「おさかなぬいぐるみ」の1匹として採用されたほどだ。水族館でも人気の魚の1つで、国内でも多くの水族館でフサギンポを展示している。後略〉



身近な雑草のふしぎ 野原の薬草・毒草から道草まで、魅力あふれる不思議な世界にようこそ (サイエンス・アイ新書)

身近な雑草のふしぎ 野原の薬草・毒草から道草まで、魅力あふれる不思議な世界にようこそ (サイエンス・アイ新書)

  • 作者: 森 昭彦
  • 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
  • 発売日: 2014/02/07
  • メディア: Kindle版



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「鳥が好きすぎて、すみません」 細川 博昭著 誠文堂新光社 [生物学]


鳥が好きすぎて、すみません: 驚異の能力、人生の楽しみ方、鳥たちとの暮らしから教わったたくさんのこと

鳥が好きすぎて、すみません: 驚異の能力、人生の楽しみ方、鳥たちとの暮らしから教わったたくさんのこと

  • 作者: 細川 博昭
  • 出版社/メーカー: 誠文堂新光社
  • 発売日: 2018/10/10
  • メディア: 単行本


好きな人にはよく見える

ほんとに「鳥が好き」なんだな、「好きすぎ」るというのはホントなんだな、というのが伝わってくる。好きな対象のことはよく見えるものだ。著者がずっと観察し、共に暮らし、見つめてきた鳥たち。彼また彼女たちを通して学んだことが披瀝されている。それは、人生観にまで及ぶ。これまでも、多くの鳥関連本を記されてこられたようだが、鳥を通してご自分のことをもっとも披瀝している本にちがいない。その点で、なによりも本書は、細川博昭さんをよく知ることのできる本かもしれない。

上野動物園のハシビロコウ先輩が、最近、亡くなったことも本書で知った。「2018年3月、人気者だった上野動物園のハシビロコウ「シュシュ・ルタンガ」(推定23歳以上)が亡くなった・・」とある。真夏の暑いときも、寒い時期もいつも威厳をもって迎えてくれたものだったが、残念である。

2018年12月26日にレビュー

ハシビロコウ

ハシビロコウ

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 東京書籍
  • 発売日: 2010/09/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



牛たちの知られざる生活

牛たちの知られざる生活

  • 作者: ロザムンド・ヤング
  • 出版社/メーカー: アダチプレス
  • 発売日: 2018/07/31
  • メディア: 単行本



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『アメーバのはなし: 原生生物・人・感染症』 朝倉書店 [生物学]


アメーバのはなし: 原生生物・人・感染症

アメーバのはなし: 原生生物・人・感染症

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 朝倉書店
  • 発売日: 2018/09/12
  • メディア: 単行本


「単細胞」なんて言えない

朝倉書店のネットサイトには、概要として次のように記されている。〈アメーバという言葉は誰でも知っているが,それがどういう生き物なのか? アメーバという言葉は生物学的に何を意味するのか? といったことはあまり知られていない。「アメーバとは?」というもっとも基本的な説明から入って,アメーバを含む広大な生物群である「原生生物」を紹介。 / さまざまな場所に棲み,病気を媒介したり,逆に人間の役に立ったり,そもそも人間とほぼ無関係だったりする様々なアメーバ(原生生物)を紹介し,原生生物学への簡単な導入までを行う入門書〉。

〈入門書〉とあるが、たいへん深く突っ込んだ内容だ。では難解かというとそうでもない。むかし流行した玩具「スライム」のことなど、身近なものを取り上げて説明がなされていく。読み物としてもオモシロイ。自分の気づかないところで、棲息する命たちをいとおしむ気持ちにもなる。最近あまり聞くことがなくなったが、単純軽率な人をからかって「単細胞」などと呼んだものだが、こうした複雑精緻な生命の世界について知ると、とてもとてもそんな言葉は使えない。

http://www.asakura.co.jp/books/isbn/978-4-254-17168-6/


科学者はなぜ神を信じるのか コペルニクスからホーキングまで (ブルーバックス)

科学者はなぜ神を信じるのか コペルニクスからホーキングまで (ブルーバックス)

  • 作者: 三田 一郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/06/20
  • メディア: 新書



舊新約聖書―文語訳クロス装ハードカバー JL63

舊新約聖書―文語訳クロス装ハードカバー JL63

  • 作者: 日本聖書協会
  • 出版社/メーカー: 日本聖書協会
  • 発売日: 1993/11/01
  • メディア: 大型本



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写真に残された絶滅動物たち最後の記録 エロル・フラー著  エクスナレッジ [生物学]


写真に残された絶滅動物たち最後の記録

写真に残された絶滅動物たち最後の記録

  • 作者: エロル・フラー
  • 出版社/メーカー: エクスナレッジ
  • 発売日: 2018/08/04
  • メディア: 単行本


いま生きる動物のすがたがおぼろに浮かんでくるような・・

絶滅動物(鳥類、哺乳類)の写真集で、写真はモノクロが多く、しかも画質がわるい。ピンボケであったり、なかには合成したのではないかと思われるものもある。絶滅までのいきさつなど記されているが、「・・・いつしか、静かに姿を消していました」、「有名な写真。・・・誰がどのような状況で撮影したのか、何もわかっていないらしい」といった記述が多く、学術的なというよりエッセイにちかい。写真にしても、文章にしても、相手が相手なので、また時代背景もあって、そうならざるをえないのだろう。

「いつしか、静かに姿を消してい」くであろう、いま生きる動物のすがたがおぼろに浮かんでくるような本だ。

2018年10月21日にレビュー

100年後も見たい  動物園で会える絶滅危惧動物 (ナショナル ジオグラフィック 別冊)

100年後も見たい 動物園で会える絶滅危惧動物 (ナショナル ジオグラフィック 別冊)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 日経ナショナルジオグラフィック社
  • 発売日: 2017/10/16
  • メディア: ムック



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『牛たちの知られざる生活』 ロザムンド・ヤング著 アダチプレス [生物学]


牛たちの知られざる生活

牛たちの知られざる生活

  • 作者: ロザムンド・ヤング
  • 出版社/メーカー: アダチプレス
  • 発売日: 2018/07/31
  • メディア: 単行本


動物の好きな方にとっては嬉しい一冊

本書は、イギリスのウスターシャー地方で多くの牛を放し飼いにしている方の観察・共生の記録。そこでは、それぞれの牛たちの個性が示される。それは作者の解釈にすぎないと言ってしまえばそれまでであるが、社会生活を営む人間のようである。喜怒哀楽愛憎のドラマが示され興味深い。

動物をあつかった肩のこらない本で、主にウシ、ほかにブタやニワトリ、ヒツジなど家畜のことが記されている。読みすすめるにつれ、それらを「家畜」などと呼んでいいものかという気になってくる。悪口雑言として「畜生」という言葉が用いられもするが、放牧された環境のなかで社会生活をおくる彼・彼女たちの暮らしぶりをみると、人間と変わらぬ感情をもち個性をもって生きていることに、敬意さえ呼び起こされる。

考えてみれば、牛よりもっと小さい動物である犬ネコでさえ、個性がそれぞれにあり、せいぜい豆粒ほどの脳ミソしかないと思われる小鳥でさえ飼ってみれば個性のちがいに気づく。その考えてみればアタリマエのことを、これまで考えずにきたのはナゼだろうなど、考えさせられることしきりである。

ハードカバー書籍で、ペーパーバックのような紙が用いられている。ほっこりした気持ちにもなれる本で、動物好きにとっては手放せない一冊になることと思う。

2018年10月11日にレビュー

ドリトル先生ものがたり 全13冊セット 美装ケース入り (岩波少年文庫)

ドリトル先生ものがたり 全13冊セット 美装ケース入り (岩波少年文庫)

  • 作者: ヒュー ロフティング
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2000/11/17
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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スズメバチの真実:最強のハチとの共生をめざして 中村雅雄著 八坂書房 [生物学]


スズメバチの真実:最強のハチとの共生をめざして

スズメバチの真実:最強のハチとの共生をめざして

  • 作者: 中村雅雄
  • 出版社/メーカー: 八坂書房
  • 発売日: 2018/07/24
  • メディア: 単行本


スズメバチの生態を、(著者の経験もまじえて)よく知ることのできる本

時に人的被害・事故を引き起こし駆除の対象ともされるスズメバチ。しかし、著者は、そうしたスズメバチとの共生を願う。著者のスズメバチへの愛情を感じる本であり、昆虫界の食物連鎖の頂点に位置するスズメバチの生態を(著者の経験をまじえつつ)よく知ることのできる本である。

著者は、在野研究者。小学校教諭の傍ら1970年以来、スズメバチを追ってきた。50年近いキャリアである。こうした方たちの支えによって科学的知識が更新され確かなものとなっているのだなと感じる。

スズメバチに100回あまり刺されたという。以下のような説明ととともに、あやうく死にかけた経験も語られる。「刺されると、焼けた釘に触れたような熱く鋭い痛みがじりじり広がっていきます。頭など刺されると、きついヘルメットを無理やりかぶらされたときのしめつけられるような痛さで、触れなくても手を頭に近づけただけで痛みが走るような感覚になります。 / 私の体験では、刺されると6時間から8時間くらいはドクンドクンと脈打つような痛みのリズムが続きます。痛みと同時に刺された箇所を中心に腫れが広がります。漫画で描かれる『たんこぶ』のようなものではありません。そして、腫れた箇所は熱をもちます。痛みが少しおさまると、腫れ上がったところの周りから強い痒みがあらわれます。(p67)」 //中略// 「ハチアレルギー(アナフィラキシーショック)が起きると、痛みや腫れ以外に、くしゃみ、鼻水、じんましんの症状が見られます。さらに、アレルギー反応が強いと呼吸困難、血圧低下、心臓機能の低下などの症状が出ます。こうなったら一刻も早く病院で手当をしてもらわないと大変なことになります。命にかかわるのです。『スズメバチに2度刺されたら死ぬ』と言われるのは、このような状態に陥ることがあるためです(p69)。」

日本だけでなく著者がフィールドワークした世界のスズメバチについても紹介される。写真も多く、ハードカバーで上質な紙が利用されたぜいたくな造りの本。

(以下、「目次」章立て) プロローグ 繰り返されるスズメバチをめぐる事故 / 1 都会のスズメバチ研究【採集・飼育・観察の日々】 / 2 日本のスズメバチ【種類と生活史】 / 3 スズメバチの問題は解決するか? / 4 世界のスズメバチに会いに行く / 特定外来種ツマアカスズメバチの侵入 / スズメバチとの共生【匂いをもって匂いを制する】 / エピローグ がんばれ!都会派・コガタスズメバチ / あとがき / 主な参考文献・引用文献 / スズメバチ名索引

2018年10月8日にレビュー

世の中への扉 おどろきのスズメバチ

世の中への扉 おどろきのスズメバチ

  • 作者: 中村 雅雄
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2013/06/28
  • メディア: 単行本



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『世界植物探検の歴史: 地球を駆けたプラント・ハンターたち』 キャロリン・フライ著 原書房 [生物学]


[ヴィジュアル版]世界植物探検の歴史: 地球を駆けたプラント・ハンターたち

[ヴィジュアル版]世界植物探検の歴史: 地球を駆けたプラント・ハンターたち

  • 作者: キャロリン・フライ
  • 出版社/メーカー: 原書房
  • 発売日: 2018/07/25
  • メディア: 単行本


「プラントハンター」たちの働きを軸に、過去と将来に思いを馳せることもできる

今日、海外の珍しい植物(鑑賞用、食用)に、(原産地ではない土地にいながら)触れることができる。無数の植物や種子が世界中をめぐっている。そもそも、それには始まりがあり、その背後には「プラントハンター」たちの働きがあった。

その目的は、単純に綺麗な花を庭に植えたい、身近に鑑賞したいという願いに応えるばかりではなく、国家的な利益がからんだりもした。他国との競争に勝利するため、彼らはその先棒を担いだ・・・。本書は、そうした「プラントハンター」たちの物語だ。

「プラントハンター」たちの個々のプロフィルやその働きを知ることができる。その中には、リンネ、フンボルト、ジョゼフ・バンクスといったビッグネームから、彼らに派遣されたさほど有名でない人物たちもいる。

「プラントハンター」として、本書で最初に名が挙げられるのは紀元前15世紀のエジプトのファラオ、ハトシェプスト女王。それから、今日、絶滅が危惧される野生植物の保全のために奔走する人物たちまでが語られる。

綺麗な花の挿絵がたくさん出ている、いかにも原書房の本である。ビジュアル本として、見て、読んで、益を得、過去と将来に思いを馳せることもできる。

(以下「目次」)1 プント国から運ばれた植物 / 2 東洋の植物を西洋へ / 3 東洋のスパイスを求めて / 4 薬草園の誕生 / 5 カロルス・クルシウスとチューリップ・バブル / 6 植物採集を職業に変えたトラデスカント一族 / 7 ヨーロッパに持ち込まれた異国の植物 / 8 カール・フォン・リンネと植物の命名 / 9 サー・ジョゼフ・バンクス / 10 南米の植物採集 / 11 フランシス・マッソンの南アフリカ探検 / 12 地球の反対側の豊かな植物 / 13 北アメリカの野生種 / 14 ヒマラヤのジョゼフ・フッカー / 15 東洋の宝探し / 16 サトウキビの犠牲 / 17 インドを支配した貿易会社 / 18 植民地の試み / 19 中国からインドへ運ばれたチャノキ / 20 世界にまかれたゴム産業の種 / 21 ランへの情熱 / 22 芸術の新ジャンル / 23 稀少植物の保護 / 24 現代の植物園の役割 / 25 現代のプラントハンター / 26 植物界の侵略者 / 27 未来のための種子の備蓄 / 28 気候変動の影響

2018年10月6日にレビュー

以下、抜粋(『24 現代の植物園の役割』から)

植物園の役割は数世紀にわたって変化してきた。イタリア・ルネッサンス時代の初期の植物園は、薬草を育て医師が生薬について学ぶ場として造られた。18世紀の壮麗な大規模庭園は外来種の展示が目的だったので、キュー王立植物園のバーム・ハウスをはじめとする温室では航海家や探検家が遭遇した熱帯の原生地が再現された。19世紀に植民地で発展した植物園は科学的な実験拠点になり、同じ生育環境の植物をさまざまな国から集めて、ヨーロッパで商品にするために栽培した。植物園自然保護国際機構(BGCI)の事務局長サラ・オールドフィールドは「庭や植物園は、それらが造られた時代と、当時の一般的な思想を反映する」と述べている。 / 1987年に設立されたBGCIは、植物園に資源や知識を提供し、絶滅が危惧される野生植物の保全を手助けする組織だ。現在、ロンドンのキュー王立植物園に位置するの本部は、世界120カ国2500ヵ所の植物園が手がける環境保全活動に協力している。(以下省略)

Botanic Gardens Conservation International
https://www.bgci.org/japan_jp/index/

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『大型インコ完全飼育: 飼育、接し方、品種、健康管理のことがよくわかる』 [生物学]


大型インコ完全飼育: 飼育、接し方、品種、健康管理のことがよくわかる (PERFECT PET OWNER’S GUIDES)

大型インコ完全飼育: 飼育、接し方、品種、健康管理のことがよくわかる (PERFECT PET OWNER’S GUIDES)

  • 作者: 小嶋 篤史
  • 出版社/メーカー: 誠文堂新光社
  • 発売日: 2018/03/09
  • メディア: 単行本


「至れり尽くせり」

「至れり尽くせり」 というのが読後の印象。写真が豊富で、巻頭「大型インコの仲間たち」が1ページ1種、全部で37種が写真紹介され、学名、英名、体長、体重、原産地、特徴が付記されている。見ていて楽しい。

11のチャプターから構成され、それぞれのチャプターは、次のようになっている。1:大型インコの仲間たち、2:大型インコの生理学、3:大型インコの飼育、4:大型インコを迎える、5:大型インコの飼育用品、6:大型インコの理想の食餌、7:大型インコのグルーミングとしつけ、あそび、8:大型インコとのコミュニケーション、9:大型インコに会いたい、10:大型インコのトラブル、11:大型インコの健康と医療 

その間、コラムが用意され、実際に飼育されている方たちの談話が示される。チャプター2では「クロインコとヨウム、4羽の暮らし」、チャプター4では「憧れだったコンゴウインコのヒナを迎えて」、チャプター7では「コンゴウインコとオオハナインコが暮らす工夫いっぱいの家」、チャプター9では「高齢鳥2羽の里親になって」など出ている。

この一冊あればどの種を選び、迎え、暮らしを共にし、病気や事故を防ぎ、たのしく暮らしていけるか、そのすべてが備えられるように思う。

なにより、実際に飼育してみたいと思わせる内容である。

2018年5月19日にレビュー

以下は、
本書中紹介されている「大型インコに会いたい」思いを実現できる場所の一部

バードワールド キュランダ
http://www.birdworldkuranda.com/japanese/japanese.htm

Jurong Bird Park ジュロン・バードパーク
https://singapore.navi.com/miru/27/

掛川花鳥園
http://k-hana-tori.com/


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『ボクが逆さに生きる理由 誤解だらけのこうもり』 中島宏章著 ナツメ社 [生物学]


ボクが逆さに生きる理由 誤解だらけのこうもり (Natsume-sha Science)

ボクが逆さに生きる理由 誤解だらけのこうもり (Natsume-sha Science)

  • 作者: 中島宏章
  • 出版社/メーカー: ナツメ社
  • 発売日: 2017/10/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


コウモリ好き好き大好きという愛情が伝わってくる

本書は、「哺乳類全体の20%に相当する約1300種(そのうち日本に生息するのは35種)」いるという翼手目(コウモリ目)の本。ちなみに哺乳類を「種類の多い順に」、いくと、げっ歯目(ネズミ目)、翼手目(コウモリ目)、トガリネズミ目となり、「これらトップ3だけで哺乳類全体の7割以上、すなわち4000種を占め、一番種類の多いネズミ目は約2300種で全体の40%を占めている」という。しかし、その中で、飛翔できる(滑空するだけでなく)のはコウモリだけである。

本書でなにより実感できるのは、それほど数多くいるというコウモリについて無知であったことだ。薄暮の世界をひらひらはらはら飛び回るコウモリについて、本書はたいへんよく知ることのできる本である。書籍タイトルにある「逆さ」の問題もそうだが、「超音波」の問題もある。超音波を利用して暗闇を飛び、餌を捕獲するのであれば、その目はどうなっているのか。見えるのか見えないのか。手の構造は、どうなっているのか。鳥の翼、羽とどうちがうのか。そのスピードは、ひらひらはらはらに見られる知恵は、捕食者である猛禽類等との関係は・・・。また、「野生下のコウモリの最高齢記録は・・41歳という」、その「驚異的な長寿」の秘密についても記される。

本書はNatsume-sha Scienceシリーズの一冊である。その編集方針によるものなのだろう。単に、コウモリの生態について知るだけでなく、関連する科学的情報も多く示される。飛ぶに際しての「揚力」の問題や「超音波」による「エコーローケーション」、コウモリと感染症の話題では「ウイルス」が、「スーパー高度な休眠方法」として「トーパ」が取り上げられる。また、「生態系サービス(Ecosystem service)についての記述もあり「コウモリの経済的価値はアメリカだけで2兆円!」などという見出しもある。

著者は、「面白くて面白くて、それこそ夜型(というか、コウモリ型?)人間になっていき、コウモリの世界にどんどんハマって」、「気づけばいつの間にか会社を辞め、コウモリをメイン」の写真家となった方(巻頭8ページカラー写真あり。科学的専門的知識は監修者に頼っている)。著者の、コウモリ好き好き大好きという愛情の伝わってくる一冊である。

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『AMAZON 密林の時間』 山口大志撮影による写真集 クレヴィス [生物学]


AMAZON 密林の時間

AMAZON 密林の時間

  • 作者: 山口 大志
  • 出版社/メーカー: クレヴィス
  • 発売日: 2017/09/16
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


開高健の『オーパ!』と肩を並べる・・・

動植物、昆虫の写真が豊富に収められている。動物園や公園で撮影したわけではない。「河口の町ブラジルのベレンから、ペルーのイキトスまで、およそ3500kmもの間、見えるものは川と森と空だけ」の世界から、辛抱づよく切り取ってきた写真の数々である。

作者は次のように書いている。「飛行機から見たアマゾンのジャングルは本当にぞっとする。見渡す限り地平線の向こうまで緑の木々に埋め尽くされているのだ。その中から生き物を観察し、カメラのフレームに収めるのは容易ではない。そこに目的の動物がいたと聞いても、ほとんどは遠くにいて豆粒くらいにしか見えない。これまでの旅の経験から自分の思い描いた写真は、アマゾンではひと月の滞在で1、2枚くらいしか撮れないと考えるようになった。よって2,3ヶ月、長いときは半年の渡航スケジュールを立てた。友人からは驚くほどの非効率な撮影といつも笑われたものだ。」

また、非効率なだけではない。危険も撮影と背中合わせにあったことを、同じく後記(「アマゾンに魅せられて」)で作者は記している。「水草の生い茂る美しい小川で水中撮影に夢中になりワニに遭遇」して「肝を潰した」こともあるという。さらには、現地の人が「長さ10メートル、胴体はこれくらい(扇風機ほど)太いぞ」というアナコンダのいる地域で、そして、さらには人為的な危険(「政情と治安の悪さ」)の中で撮影はなされた。

写真集は一般に価額が高い。本書は、写真集にしては、たいへん廉価である。ハードカバーであれば5000円は優に超えるだろう。ソフトカバーにしても、たいへん安いと思う。多くの人が入手しやすい価格で提供してくれているのだろうと思う。また、実際に手に取って見てもらいたい本だ。

「大アマゾン(驚異に満ちた生態系)」と題した湯本貴和京都大霊長類研究所所長の解説は、以下の見出しで展開する。アマゾンとは / 世界最大の熱帯雨林 / 川の森・アマゾン / 熱帯林の不思議な生きものたち / アマゾンの里山 。全体に短いものではあるが、写真集の目次に沿うようにして記される魅力的な内容だ。

アマゾンと聞くと、まず作家にして冒険家・釣り人でもあった開高健の著作アマゾン川・釣り紀行『オーパ!』を思い出すが、当該写真集もそれに肩を並べる魅力的な写真集であるように思う。

目次は、1/熱帯雨林の恵み 2/ 川に生きる(豊饒の大河) 3/ シロウアカリの森で(アマゾンの里山) 4/ 塩場に集まる動物たち 5/ 雲霧林に息づく生命 // 大アマゾン(驚異に満ちた生態系) / 湯本貴和 // アマゾンに魅せられて / 山口大志 本書関連地図

2017年12月15日にレビュー

オーパ! (集英社文庫 122-A)

オーパ! (集英社文庫 122-A)

  • 作者: 開高 健
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1981/03/20
  • メディア: 文庫



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