『実力が120%発揮できる! 緊張しないからだ作りワークブック』かわかみ ひろひこ著 [音楽]
実力が120%発揮できる! 緊張しないからだ作りワークブック
- 作者: かわかみ ひろひこ
- 出版社/メーカー: ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス
- 発売日: 2022/02/24
- メディア: 単行本
以前、比較的ちいさな会場でのバイオリン・ソナタ演奏会で、休憩時間にその楽譜を拝見したことがあります。円熟した女性演奏家でしたが、その楽譜に「胃の裏側の中心」と書いてあり、リラックスするために、またベストパフォーマンスを示すために努力されているのだと感じました。ちょうど、その頃、評者自身、アレクサンダーテクニークやフェルデンクライス理論や高岡英夫の身体理論など面白がって読み、かつ自習していた頃でしたので、そう直観できたわけです。
本書を見てアレクサンダーテクニークを音楽家向けにアレンジしてよく説明されているように感じます。本書の方法を当てはめるのは有効であると思います。ただ本書はあくまでもイントロダクションであり、ワークの案内であり、本格的に行う必要があれば助言や指導を必要とするように思います。その点は、本書中にも示唆されています。
他の方の援助を必要とする(二人でおこなう)ワークもありますので、著者の講習会へ参加するなどして、指導を仰ぐのがいいように思います。自分でそのとおり行っているつもりでも、ちがっていたりしますので、効果を確実なものとするには、直接指導を受けたほうが安全で確かに思います。
ただそれでも「自分はプロではないし、プロになるわけでもないし、理論だけ知りたい」という方も多くいると思います。そういう方にも本書は有効に思います。見よう見まねで自分のカラダと相談しながら自分の行ったワークがどう自身に跳ね返ってくるのかフィードバックを確認しつつ、ゆっくり効果を味わうという方法もあろうかと思います。そうした点でもよく出来た本に思います。