「考えて、考えて、考える」藤井聡太x丹羽 宇一郎 [教育・学び]
丹羽氏は主に聞き役となっている。63歳年長の経験豊かな丹羽氏がリスペクトをもって藤井少年に接しているのが感じられて爽やかである。その好奇心もすばらしい。読書家として知られる丹羽氏であるが、その教養の土台はこうして築かれてきたのだと感じさせられる。また、藤井少年の強さは、負けず嫌いの泣虫時代から培われてきたことが分かる。ただ悔しがるばかりでなく、きちんと負けの理由を言語化して次に進んできた。それは、将棋だけでなく日常のなかでも表れる。納得づくで物事に臨む。理由を知り、得心して物事に当たる。丹羽氏の考える「トップの条件」は、「負けず嫌い、反骨心」「忘れる力」「孤独の力」。それらの特質を両氏がどのように示してきたか知ることができる。