「霞が関の人になってみた 知られざる国家公務員の世界」霞いちか著 カンゼン [社会・政治]
現役「霞が関の人」の現場報告。著者は「霞いちか」。もちろんペンネームだろう。本当は「いちかばちか」としたかったのではなかろうか(笑)。以下、思いつくまま・・
「霞が関」は仙人になる修行をするところ、仙人になるところと聞いていたが、本書を読んで思うに、とても仙人の住む場所ではナイ。
仙人はカスミを食べて生きるという。雲の上に住むという。霞が関の官庁に務めるお役人も一般庶民から見れば雲の上に住まうように見える。いわば仙人である。
「久米の仙人」は雲から落ちたと聞く。下界をのぞき見たのがそもそも間違いだった。洗濯する女性の白い脛を見たのが命取りになった。まるで谷崎潤一郎の「刺青」の世界である。雲から落ちた仙人は、白い脛の女性を妻とし俗にまみれた。
久米仙人(読み)くめのせんにん
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多くは高いこころざしをもって「霞が関」に入る。ところが、雲の上にあるにもかかわらず、驟雨のように俗塵を浴びる。それでいてシャーシャーとしていられないと官僚は務まらないもののようである。そんな生業は務まる人と務まらない人とに当然わかれることだろう。無理に務めるなら人格が分離してしまう。ふつうなら壊れる。
ところが、壊れない人が現に居る。しかも活き活き務めている人もいる。それは超俗としか言いようがない。つまるところやはり「霞が関の人」は仙人か・・