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『トコトンやさしいダムの本 (今日からモノ知りシリーズ)』溝渕 利明著 日刊工業新聞社 [建築など]


トコトンやさしいダムの本 (今日からモノ知りシリーズ)

トコトンやさしいダムの本 (今日からモノ知りシリーズ)

  • 作者: 溝渕 利明
  • 出版社/メーカー: 日刊工業新聞社
  • 発売日: 2018/07/25
  • メディア: 単行本


ほんとに「トコトンやさしい」

アマゾンの熱帯雨林より日本の降水量の方が多いようなハナシを聞きます。ゲリラ豪雨の被害も特定の地域と限られることなく、これから日本のどこででも生じそうです。古来、治水事業は為政者にとっての大切な役目であったと聞きますが、今日、その点でダムの役割は大きいのだろうなと本書を手にしました。日刊工業新聞の「トコトンやさしい」シリーズはほんとにやさしくまとめてありますが、本書も同様です。目次を以下にしめします。

第1章 ダムのここだけは知っておこう
1 地球上で人が利用できる水の量は? 「全人類で琵琶湖5000杯分」
2 ゲリラ豪雨が日本を襲う 「短時間の大雨への対策」
3 突然襲ってくる鉄砲水は恐ろしい 「土石流の発生は増加傾向」
4 水を治めるものが国を治める 「治水事業は今も昔も国家戦略の最重要課題」
5 ダムと名乗れるのは法律で決まっている? 「水を堰き止め、貯めるものすべてがダムではない」
6 ダムとため池 「稲作用に水を貯める有用性」
7 なぜダムを造らなければならないの? 「人々を洪水などから守るため」
8 ダムにはどんな役割がある? 「六つの顔を持つヒーロー」
9 ダムの種類は? 「ダムの材料や形はさまざま」
10 ダムは世界にどれくらいあるの? 「ダムのない都道府県はない」
11 ダムはどのように数えるの? 「正しく数えてみよう」
12 ダムの大きさはどうやって決めるの? 「ダムは小さく造ってたくさん水を貯めるのが一番」
13 ダムはいつからあるの? 「人類の文明とともに歩んできたダム」
14 ダムには鉄筋が入っていない? 「引張に弱いコンクリートでも鉄筋はいらない」
15 ダムは見えないところでも水を止めている? 「割れ目を防いで貯水ができる」
16 ダムができるまで川の水はどうするの? 「水の流れを変える二つの方法」
17 ダムができると地震が起きる? 「なぜか水を貯めた後に起こる群発地震」

第2章 ダムの種類とその特徴
18 ダムの形はどうやって決めるの? 「決め手は地盤の強さだけではない」
19 ダムにはさまざまな施設がある 「基本構造を知ろう」
20 重力式ダム 「自身の重さで巨大な水圧を支えるどっしりタイプ」
21 アーチ式ダム 「曲線が美しいスレンダーボディー」
22 重力式アーチダム 「重力式ダムとアーチ式ダムのいいとこどり」
23 バットレス式ダム 「コンクリートダムの中で、唯一鉄筋コンクリートを使用」
24 中空重力式ダム 「見た目は重力式、でも中は空洞」
25 ロックフィルダム 「土、砂 ・ 砂利と岩でできたダム」
26 アースダム 「最も古典的な形状」
27 フェイシングダム 「上流面を水の通らない膜で覆う」
28 砂防ダム 「土砂 ・ 岩石を貯めるダム」
29 地下ダム 「地下を流れる水を貯める」

第3章 ダムの計画と設計
30 ダムを造る三原則 「転倒、滑動、破壊の安全対策」
31 ダムを建設する場所はどうやって決めるの? 「さまざまな条件から最も効果的な場所を探る」
32 ダムを造るための年数 「完成までに40年以上かかる?」
33 ダム建設のための事前工事 「まずは道路や橋の建設に着手」
34 原料は建設現場周辺から採取する 「コンクリートダム建設に必要な原石の掘削量とは」
35 ダム建設場所の環境調査 「環境影響調査や生態系調査は欠かせない」
36 ダム建設の理想の地形 「地形とダム形状の関係」
37 ダムに生じるひび割れ 「コンクリートの内側と外側の温度差による影響」
38 ダム内部の温度 「ダムの中心が冷えるには数十年かかる」

第4章 ダムを造るために必要な設備
39 コンクリートダムに使う材料 「コンクリートに混ぜる砂利の大きさはダチョウの卵大」
40 フィルダムに使う材料 「コンクリートは使わず、天然の材料のみ」
41 フェイシングダムに使う材料 「遮水膜の特徴に適した施工技術」
42 原石の加工と貯蔵 「原石山から選別し、適したサイズに破砕」
43 コンクリート製造設備 「コンクリートダムのためだけに建設される施設」
44 コンクリート運搬設備 「大量のコンクリートを施工場所まで運ぶ方法」
45 コンクリート打設機械 「新たな工法も生まれている」
46 濁水処理設備 「ダム建設で出る汚れた水をきれいな水に変える」
47 その他の設備 「まだある、工事を支える設備」
48 調査横坑 「周囲の岩盤を詳細に調査する」
49 転流工 「建設現場内に水が入ってこないようにするための迂回路」

第5章 ダムの施工技術と工法
50 堤体掘削 「ダム本体を据え付けるために、山の表面部分を削り取る」
51 グラウト 「水が漏れないようにする陰の主役」
52 パイプクーリング 「内部の熱を除去する方法」
53 プレクーリング 「温度変化によるひび割れ防止」
54 柱状工法 「ブロックに分けて施工する」
55 拡張レヤ工法 「柱状工法よりも効率的な施工が可能」
56 RCD工法 「コンクリートダムの急速施工が可能」
57 CSG工法 「セメントで固めた砂礫を使用」

第6章 ダムの維持管理とリニューアル
58 ダムの寿命はどれくらい? 「維持管理が長寿命の決め手」
59 ダムの決壊 「下流の街に甚大な被害を及ぼす」
60 ダムの維持管理 「ダムの安全は常に監視されている」
61 ダムのリニューアル 「重要視される既設ダムの機能向上」

第7章 ダムのいろいろ
62 ダム建設で町ができる? 「工事関係者によって活気が溢れる町へ」
63 ダム建設による経済効果 「地元企業を巻き込んだ事業」
64 ダムと観光 「ダムやダム湖は地域の観光名所になる」
65 ダムとの共生 「住民や自然環境とともに歩んでいく方法」
66 これからのダム 「ダムが進むべき方向」

2018年9月7日にレビュー

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