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ハーバード・ジュリアードを 首席卒業した私の 「超・独学術」 廣津留 すみれ著 KADOKAWA [教育・学び]


ハーバード・ジュリアードを 首席卒業した私の 「超・独学術」

ハーバード・ジュリアードを 首席卒業した私の 「超・独学術」

  • 作者: 廣津留 すみれ
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2019/02/15
  • メディア: 単行本


記されているのはアタリマエのことではあるが・・・

すごい人がいるものだ。毛沢東もビックリである。なにせ世界の名だたる大学で主席だという。しかも、ふたつもである。しかし、そういう方であっても、努力ナシでは、結果を出せないというアタリマエのことが記されている。

「この本を通して皆さんに伝えたかったことは、24時間をどう使えば自分の望みを叶えられるか、ということです。その上で必要な3点セットは ①無駄を切り捨てる ②時間を濃く使う ③与えられた時間の中で努力する さらに、時間を『つくる』テクニック、つまり『目には見えていない将来のリスクを見える化し、回避する』これを加えると、自分が集中したいことがはっきりしてきます。今のあたなの人生の優先順位を考えるきっかけになれば本望です(『おわりに』)とある。優先順位を定め3点セットを「繰り返せば、『普通の人』」も『天才に』に匹敵する成果を出せる」のだという。自分は天才などではないと謙遜する著者は、そのような「ごく小さなことの積み重ね」の大切さを説く。

限られた時間を用いて、効率のいい努力を積み重ねる、そうすれば自ずと結果が出る。しかし、なかなかそうはいかない。努力はだれしも辛い。辛い努力を楽しめるようでなくては、結果は出ない。そんなことは、わざわざ教えてもらわなくても分かっている。だが、そこのところを押し進んでいく勢いを著者はもっているし、「淡々と努力」し押し進んできた。そこのところが重要だ。そして、日本というローカルな世界でなく、グローバルな世界で評価を得ても来た。本書をとおし、工夫し、他から学び、努力することの大切さを、あらためて知ることができる。各自自分の目標に向かって押し進むエネルギーを得られるにちがいない。

2019年4月10日にレビュー

僕が14歳でカナダ名門5大学に合格できたわけ

僕が14歳でカナダ名門5大学に合格できたわけ

  • 作者: 大川 翔
  • 出版社/メーカー: 学研プラス
  • 発売日: 2018/02/06
  • メディア: 単行本



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「未来のエリートのための最強の学び方」 佐藤優・野口範子 集英社インターナショナル [教育・学び]


未来のエリートのための最強の学び方 (単行本)

未来のエリートのための最強の学び方 (単行本)

  • 作者: 佐藤 優
  • 出版社/メーカー: 集英社インターナショナル
  • 発売日: 2019/02/05
  • メディア: 単行本


未来に向け、「知的欲求が刺激される」本

佐藤優氏の母校:同志社大学での講演(演題「文系学生のための教養の習得と活用法」、「理系学生のための教養」の2講演)と野口範子(同志社大学生命医科学部)教授との対談から本書は成っている。

意地のわるい言い方をするなら、本書は佐藤氏の母校:同志社大学と同大に新しく設置された「サイエンス・コミュニケーター養成」のための講座の宣伝本である。しかし、その思い入れ、母校愛にはそれなりの根拠があり、新設講座にもそれなりの必要性がともなうことが示されて、読後の印象としては、なるほど、ごもっとも、むべなるかな・・といったところだ。

佐藤氏の既刊を読んでいる方であれば、〈外務省研修生がモスクワの大学を「退学」させられた〉ことをご存知のはずだ。本書でもそのことが取りあげられる。「日本の超難関大学を卒業して、外交官試験に合格し」た面々が、憂き目にあった理由は、「世界スタンダードの教養を身につけ」ていなかったことにある。合格するために、理系あるいは文系の特定の科目を“捨て”て試験に臨み、暗記に終始して身につけた程度の学力では、国際基準に相当せず、いわば“捨てられる”ことになるということだ。

「まえがき」で著者は、「本書で述べていることを要約すると、文科系、理科系を問わずに高校教科書レベルの知識をきちんと体得しておけば、国際基準での教養が十分に身につくということだ」と率直簡潔に記している。そして、さらに補足して〈しかし、教科書の記述は単調なので、自分が苦手意識を持っている分野をマスターするのは至難の業だ。それを克服するためには、「この知識を得なくてはならない」という知的意欲を持つことだ。本書を精読していただければ、あなたの知的欲求が刺激されると私は確信している。〉と続ける。

本書には、“捨てたもの”を、埋め合わせるうえで「教科書」にまさる著者推薦のテキストが紹介され、また、独学するうえでの具体的方法も示される。さらには、「STAP細胞」事件と「日本社会に潜む構造的問題」と錬金術のことなども語られる。神学という「役に立たない」と見なされがちな学問を延々と学んできた方ならではの深い内容も示されて興味深い。

2019年3月18日にレビュー

詳説世界史B 改訂版 [世B310]  文部科学省検定済教科書 【81山川/世B310】

詳説世界史B 改訂版 [世B310]  文部科学省検定済教科書 【81山川/世B310】

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 山川出版社
  • 発売日: 2017
  • メディア: テキスト



論理トレーニング101題

論理トレーニング101題

  • 作者: 野矢 茂樹
  • 出版社/メーカー: 産業図書
  • 発売日: 2001/05/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



スバラシク実力がつくと評判の大学基礎数学キャンパス・ゼミ

スバラシク実力がつくと評判の大学基礎数学キャンパス・ゼミ

  • 作者: 馬場 敬之
  • 出版社/メーカー: マセマ
  • 発売日: 2018/08/01
  • メディア: 単行本



東京大学教養英語読本I

東京大学教養英語読本I

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 東京大学出版会
  • 発売日: 2013/02/22
  • メディア: 単行本



地方上級 教養試験 過去問500 2020年度 (公務員試験 合格の500シリーズ6)

地方上級 教養試験 過去問500 2020年度 (公務員試験 合格の500シリーズ6)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 実務教育出版
  • 発売日: 2019/02/14
  • メディア: 単行本



Essential Grammar in Use with Answers and Interactive eBook: A Self-Study Reference and Practice Book for Elementary Learners of English

Essential Grammar in Use with Answers and Interactive eBook: A Self-Study Reference and Practice Book for Elementary Learners of English

  • 作者: Raymond Murphy
  • 出版社/メーカー: Cambridge University Press
  • 発売日: 2015/03/26
  • メディア: ペーパーバック



Grammar in Use Intermediate Student's Book with Answers and CD-ROM: Self-study Reference and Practice for Students of North American English (Book & CD Rom)

Grammar in Use Intermediate Student's Book with Answers and CD-ROM: Self-study Reference and Practice for Students of North American English (Book & CD Rom)

  • 作者: Raymond Murphy
  • 出版社/メーカー: Cambridge University Press
  • 発売日: 2009/03/09
  • メディア: ペーパーバック



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「60歳からの勉強法 定年後を充実させる勉強しない勉強のすすめ 」和田 秀樹著 SBクリエイティブ [教育・学び]


60歳からの勉強法 定年後を充実させる勉強しない勉強のすすめ (SB新書)

60歳からの勉強法 定年後を充実させる勉強しない勉強のすすめ (SB新書)

  • 作者: 和田 秀樹
  • 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
  • 発売日: 2018/11/06
  • メディア: 新書


シンギュラリティーを控えたAI・「人生百年」時代の「これから」の本

「外山滋比古氏推薦!」と書籍・帯にある。氏のエッセイ(たとえば、『自分の頭で考える(中公文庫2013)』など)を読んでこられた方には馴染みのある内容にちがいない。本書は、それを勉強法としてしっかりまとめた本と言っていい。

著者は老年精神医学を専門とする医師であり、これまで勉強法の本を多くしたためてきた。評者は初めて著者の本に接したのだが、タイトル以上の内容である。「60才から」というより、シンギュラリティーを控えたAI・「人生百年」時代の「これから」の本であり、机にしがみついての知識蓄積「勉強法」を超えた思考を習慣とするよう促す「生き方」の本である。

本書では、アウトプット主体の生活を勧めている。だが、それはインプットをおろそかにしていいと言う意味ではない。「ゆとり教育」以前の人たちは、基礎知識をしっかり教え込まれているという前提に立って記されている。そういう人たちに、「クイズチャンピョン」を目指すような、知識量だけを誇るような虚しいインプット生活ではなく、人生のさまざまな機会・出会いをとおして思考力を磨きつづけ、自分のこれまで得てきた知見を他と分かち合うことなどを勧めている。

著者の経歴に即して示される知見・情報は啓発的で得るところが多い。まさに、本書自体が、著者自ら範を示してのアウトプットの成果とも言える。(以下、すこし引用してみる)

欧米の一流大学では、「自分の頭で考える」「推論する」「問題を発見する」「仮説を立てる」「実証するために試してみる」ということを学生に強く要求します。そもそも日本でよく見られる、独自性の欠如した教授たちの言いなりになるような学生は、入学時点の面接で落とされています。そういう学生を採らないようにするために、欧米の一流の大学では入試面接を大学教授にはやらせずに、アドミッション・オフィスの面接のプロが行うのです。(p61)

わたしなどは年中、さまざまなことにツッコミを入れつつ、考えるきっかけにしていますが、それが思わぬ発想や新しい仮説に結びついて、いい頭の体操になっているわけです。何気ないことかもしれませんが、そうした習慣をつけていかないと、何を見ても聞いても、「データの裏付け」「説の根拠」「論理の妥当性」について疑問を抱かず、関心も湧かず、次第に脳は反応しなくなっていってしまいます。当然、脳の老化は進行します。明け透けな言い方をすれば、加速度的にバカになっていくわけです。(p131)

2019年3月1日にレビュー

自分の頭で考える

自分の頭で考える

  • 作者: 外山 滋比古
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2009/11/26
  • メディア: 単行本



乱談のセレンディピティ

乱談のセレンディピティ

  • 作者: 外山 滋比古
  • 出版社/メーカー: 扶桑社
  • 発売日: 2016/06/02
  • メディア: 単行本



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天才と呼ばれる人の習慣術 渋谷 昌三著 メディア・パル [教育・学び]


天才と呼ばれる人の習慣術

天才と呼ばれる人の習慣術

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: メディア・パル
  • 発売日: 2018/10/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


子育て世代の親のみなさんに役立つ内容

アインシュタイン、フォン・ノイマンといった天才たちのエピソードや、東大に入った面々へのアンケート調査結果などが引き合いにだされて、「天才脳」を育てるための「習慣術」が示される。

著者の天才に対するスタンスは、(正規分布の出現率からいっても)天才はいわば〈「アブノーマル」な存在〉であり、それでも良いかという問いかけを伴っている。いわば、バランスが取れている。

大き目の印字で、2時間もあれば読みきることができる。大人向けのノウハウ本というより、子育て世代の親のみなさんに役立つ内容だ。

以下 「目次」

プロローグ 天才と凡人は何が違うのか

1章 「天才」と呼ばれる人の共通点 
天才が備える驚きの「集中力」とは? 「集中力」を鍛える3つのトレーニング 「長考力」がパフォーマンスを高めるカギ 「長考力」を高めるトレーニング 天才をつくる「1万時間の法則」とは 「休まず続けること」が、なぜ重要なのか? 成功に欠かせない「好奇心指数」とは? 「好奇心指数」を高める方法 「孤独の時間」が天才をつくる 天才はどれほど「負けず嫌い」なのか? 天才は「奇跡の出会い」を逃さない 天才はやはり遺伝するのか?

2章 「天才脳」を育てる習慣術 
天才たちの「脳」の秘密 「知能」は親からの遺伝で決まってしまう? 「モーツアルト」を聴くと頭が良くなる? 「東大」に合格するのはどれだけ大変なことなのか? 東大生の2人に1人が「ピアノ」を習っている ピアノは脳機能を高め、地頭をよくする 「水泳」は空間認識能力を鍛え、図形に強い脳をつくる 「空間認識能力」をアップする右脳の鍛え方 「本を読むと頭がよくなる」は間違い? 「図鑑」が東大合格を引き寄せる 「辞書」は引くものではなく、読むものだ 「積み木」でIQが高まる 「レゴ」の驚くべき教育効果とは? 「リビング学習」は本当にいいのか? 成績優秀の子の家は、意外と散らかっている 「高層マンション」は学力が下がる? 「天才」を育てる母親の共通点とは? ぐんぐん伸びる、東大合格者の勉強法 家でダラダラする子の成績が伸びる理由 子どもの学力は「言葉の力」で伸ばせ 「頭脳パン」で頭はよくなるのか? 

3章 「天才アスリート」たちの習慣術
「天才アスリート」に共通する凄さの秘密 夢を叶えるために欠かせない3か条とは? 天才アスリートは、明確な「夢」をもっている 「人間力」がなければ一流にはなれない 親の応援が子どもの能力を育てる 「いい環境」がいい選手を育てる ここ一番で「集中力」を発揮する方法

4章 「芸術・文学」の天才たちの習慣術
「天才芸術家」と一般人の大きな差とは? 子どもはみんな天才芸術家? 天才芸術家に見られる「共感覚」とは? 「豊かな創造性」と裏腹の心の危うさ 驚くべき能力が、突然目覚める不思議 朝の散歩が創造性を高めるカギ 「ルーティーン」がひらめきを引き寄せる 仕事は波に乗っているときに切り上げる

エピローグ 天才は環境の中で育まれる
それでも「天才」にしたいのか? 天才を育てる「4段階」とは? 天才に欠かせない「好奇心」を育てるには? 期待すると子どもは伸びる 子どもの自尊感情を大事にする さいごにもう少しーー

2018年12月14日にレビュー

世界天才紀行――ソクラテスからスティーブ・ジョブズまで

世界天才紀行――ソクラテスからスティーブ・ジョブズまで

  • 作者: エリック・ワイナー
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2016/10/21
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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京都大学熊野寮に住んでみた ある女子大生の呟き  福田桃果著 エール出版 [教育・学び]


京都大学熊野寮に住んでみた ある女子大生の呟き (YELL books)

京都大学熊野寮に住んでみた ある女子大生の呟き (YELL books)

  • 作者: 福田桃果
  • 出版社/メーカー: エール出版社
  • 発売日: 2018/10/02
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


デカンショはどこいった?

大学の寮生活というので、旧制高校のそれを思い浮かべた。北杜夫の「どくとるマンボウ青春記」にあったような世界をである。若さのハチャメチャと哲学を志向する心意気をである。残念ながら本書 にはデカンショがない。

しかし 、である。女の子のやわらかな感性から初々しく捉えられた熊野寮生活は魅力に溢れている。京大はどうでもいいが、寮には入りたいという希得な?人もすくなからず出てきそうだ。

追記:著者は友人を事故で失う。その死をめぐる記述がある。デカンショ節の「泣いて暮らす」の方が描かれる。哀切で、こころ打たれる。

2018年12月1日にレビュー

デカンショ節
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E7%AF%80


どくとるマンボウ青春記 (新潮文庫)

どくとるマンボウ青春記 (新潮文庫)

  • 作者: 北 杜夫
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2000/09/28
  • メディア: 文庫



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学校図書館員と英語科教諭のための 英語多読実践ガイド  江竜珠緒・村松教子著 [教育・学び]


学校図書館員と英語科教諭のための 英語多読実践ガイド ― 導入のためのブックガイド付

学校図書館員と英語科教諭のための 英語多読実践ガイド ― 導入のためのブックガイド付

  • 作者: 江竜 珠緒
  • 出版社/メーカー: 少年写真新聞社
  • 発売日: 2018/09/22
  • メディア: 大型本


たしかな実践と経験に裏付けられた「英語多読実践ガイド 」

明治大学付属の中高一貫校で「英語多読」を10年にわたって実践してきた著者たちによる「英語多読実践ガイド 」。

第1部では、英語多読の必要性、学校図書館における英語多読の効果、学校図書館員や英語科教諭が得られる利点 / 第2部では、学校図書館に英語多読を導入する方法、選書、分類、書誌データ作成が具体的に示される / 第3部では、英語多読の指導方法について、中学1年から高校3年まで、文法項目的な観点から見た英語多読本や授業でできる実践例の紹介 / 第4部では、すぐれた作家や、最初に学校図書館にそろえるべき英語多読本100冊の紹介 が示される。

「英語多読」に用いられる洋書は、一般的な「洋書」とは別のもので(本書でいう)「英語多読本」とは、学習者向けに編集されたものと、非常にやさしい原書。「英語多読向け書籍の種類」としてGR(Graded Readers)、LR(Leveled Readers)、Picture Books、Authenticがあげられ、書籍購入にあたって「選書に活用できるサイト一覧」も示されてある。

本書をとおして、日本が「英語多読先進国」であり、「たくさんの実践報告やらマニュアルが出版されている」ことを知った。なによりも、本書自体がたしかな実践と経験に裏付けられていて、これから自校に英語多読を導入することを願う先生方のたいへん良い助けとなるにちがいない。

2018年11月8日にレビュー

以下は、「選書に活用できるサイト一覧」に紹介されたサイト

Kids Books Series
https://www.kidsbookseries.com/

Reading Rockets
http://www.readingrockets.org/

Perma-Bound
https://www.perma-bound.com/

Young Adult Library Services Association(YALSA)
http://www.ala.org/yalsa/


多読で学ぶ英語―楽しいリーディングへの招待

多読で学ぶ英語―楽しいリーディングへの招待

  • 作者: リチャード・R. デイ
  • 出版社/メーカー: 松柏社
  • 発売日: 2006/07
  • メディア: 単行本



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『賢い子』は図鑑で育てる  瀧 靖之著 講談社 [教育・学び]


16万人の脳画像を見てきた脳医学者が教える究極の子育て 『賢い子』は図鑑で育てる

16万人の脳画像を見てきた脳医学者が教える究極の子育て 『賢い子』は図鑑で育てる

  • 作者: 瀧 靖之
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/09/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


広く深い世界に分け入って行くためのキッカケづくりに

本書の内容を(評者なりに)まとめると、以下のようになる。【著者のいう「賢さ」とは〈夢をかなえる力〉のこと。〈子育ては、いつか本人が夢をもったときに、自立して、それをかなえられる力をあげられたら大成功〉。〈本書はそんな、「賢い子」「賢い脳」を育てることを目的と〉としている。 / 〈AI(=人工知能)が人間に代替する〉これからの「人生100年時代」〈「学び続けなければ生き残れない」未来が〉私たちの子どもたちには突きつけられている。それゆえ、〈新しい知識を学び続け、変化に対応していかなければならない〉。 / そういう時代に備えて、学ぶことは苦痛ではなく、楽しいものであることを悟るように助ける必要がある。そのためのカギは好奇心。そのキッカケとして図鑑を活用できる。】

当初、シュタイナー教育におけるビジュアルなモノの取り扱いを思い出して心配になった。シュタイナーは、自然を実体験させることを重視して、テレビやビデオなどの、いわゆるバーチャルリアリティ体験は、ある年齢まで、敬遠すべきものしているのを思い出したのだ。つまり、本書で重視する「図鑑」も同じではないかと思ったのである。しかし、著者は、自然のリアルな体験の大切さを強調してもいるので安心した。

あくまでも、「図鑑」は、子どもたちが、自分たちの生まれてきた広く深い世界に興味をもち、その世界に分け入って行くためのキッカケとして提案されている。親や祖父母の皆さんは、図鑑をとおして子どもたちの興味・関心を見定め、彼等の人生を後押しすることができる。そのための、具体的な「図鑑」の利用法が本書に説かれている。0歳から5歳まで、そして小学生以降の子供たちへの年齢別の提供の仕方、また、「おすすめの図鑑」も示されている。

以下、章立て『目次』 1 「人生100年時代」を幸せに生き抜くには? 2 脳を育てるカギは好奇心! 3 好奇心を育てるには「図鑑」がいちばん 4 図鑑で育つ力 思考力 5 はじめての図鑑 6 もっと図鑑で勉強グセをつける4つのコツ 7 図鑑は夢を叶えるためのツールです

2018年11月5日にレビュー

勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた

勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた

  • 作者: 伊藤 敏雄
  • 出版社/メーカー: 主婦の友社
  • 発売日: 2018/02/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



エンデと語る―作品・半生・世界観 (朝日選書)

エンデと語る―作品・半生・世界観 (朝日選書)

  • 作者: 子安 美知子
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞社
  • 発売日: 1986/06
  • メディア: 単行本



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超高速暗記術~資格試験に忙しくても一発合格! 鬼頭 政人著 大和書房 [教育・学び]


超高速暗記術~資格試験に忙しくても一発合格!

超高速暗記術~資格試験に忙しくても一発合格!

  • 作者: 鬼頭 政人
  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2018/09/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


資格試験合格のための勉強法を教えてくれる本

「暗記術」を前面に押し出しているが、資格試験合格のための勉強法を教えてくれる本。新たな資格を取得するにあたり、どのように試験攻略することができるか、その手ほどきの本。試験勉強にあたっては結果的に、大量の暗記も必要となるので、「超高速暗記術」を書籍タイトルの前面に出したのだろう。資格試験だけでなく、受験にもおおいに参考になる。

その受験に関し、(うろ覚えで恐縮だが)作家の佐藤優氏が、試験者側が結局のところ学生の何を見ようとしているかについて、それは「自己マネジメント能力」であると(『埼玉県立浦和高校 人生力を伸ばす浦高の極意(講談社現代新書)』に)書いていた。限られた期間で結果を出すことが求められ、それに応え応じる能力のアル・ナシが試されているのだとそこにはあった。

まさに本書は、日ごとの仕事業務雑事に追われながら、なんらかの資格取得を目指す方たちに、幾多の難関試験をかいくぐってきたノウハウをもつ著者からのプレゼントと言っていい。本書の目次を見ると45の項目すべてに「受かる人は・・・」「落ちる人は・・・」と対比されてある。たとえば、「○受かる人は 覚えていないところを書き出す ×落ちる人は 常に参考書を持ち歩く」といった具合だ。それだけで言いたいことは分かるが、本文も説得力の大きなものだった。人生で道草をおおいに食い、無駄ゆえに得られるモノもあると自己弁護している評者には耳の痛い話しも多かった。

資格試験の合格をめざし効率よく勉強する方法を知り、じっさいに立ち向かううえで、たいへん有用に思う。うっかりすると、生真面目な人ほど、効率の悪い「落ちる人の方法」を選択している可能性が高い。自分の勉強法を吟味し、改善していくうえでたいへん良い本だ。章の冒頭に置かれているマンガも啓発的。

【目次】
第1章 頭のいい人は「だるい暗記作業」にどう向き合うか?
第2章 ラクして覚える暗記計画
第3章 暗記を習慣化する方法
第4章 てっとり早く記憶する「最強の暗記テクニック」

2018年11月4日にレビュー

埼玉県立浦和高校 人生力を伸ばす浦高の極意 (講談社現代新書)

埼玉県立浦和高校 人生力を伸ばす浦高の極意 (講談社現代新書)

  • 作者: 佐藤 優
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/03/15
  • メディア: 新書



世界記憶力グランドマスターが教える 脳にまかせる勉強法

世界記憶力グランドマスターが教える 脳にまかせる勉強法

  • 作者: 池田 義博
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2017/03/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


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情報生産者になる (ちくま新書) 上野千鶴子著 [教育・学び]


情報生産者になる (ちくま新書)

情報生産者になる (ちくま新書)

  • 作者: 上野 千鶴子
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2018/09/06
  • メディア: 新書


産婆さんが、上野千鶴子先生とはたいへん贅沢な話

本書は、上野ゼミで論文作成の実地指導を受けている気分になる本だ。著者は、これまで「学生にはつねに、情報の消費者になるより、生産者になることを要求してきました。とりわけ、情報ディレッタントになるより、どんなつたないものでもよい、他の誰のものでもないオリジナルな情報生産者になることを求めました(「はじめに」)」と記している。

その指導法は、決して無理難題を押し付けるものではなく、手取り足取り懇切丁寧な指導がなされてきたようだ。実際に、指導を受けた学生がどう感じているかわからないが、読んでいる限りそう感じる。そのようにして社会の共有財産としての新たな知を生み出す助けとなってくれる産婆さんが上野千鶴子先生とはたいへん贅沢な話である。

遠慮なく難しい用語も出てくるが、それらの用語に対して「~とは、~です」と説明が付されていく。経験科学としての社会学の論文を作成する上でのプロセスを追った指導解説がしっかりなされていく。時に、ご自分の経験もまじえた脱線めいた話もでる。自分もその回答者となっている人生相談をとりあげて、〈まちがっても「朝日新聞」土曜版be面の『悩みのるつぼ』など、選んではいけません。だいたい名前からしてふざけています〉などと書いてもいる。きっとゼミでもこんな調子でやっているのだなと感じる。それは、厳しくかつ楽しく、そして「とりあえず目の前にある手に負える課題を解いてみて、そうか、こうやれば解けるんだ、と達成感を味わうのがとても大事です(p082,3)」といった指導だ。

本書は、学生だけでなく、一般人にも役立つにちがいない。KJ法の発展型「うえの式質的分析法」についての説明のところで、〈KJ法をマーケティングに取り入れた(株)Do Houseの小野貴邦さんは、主婦に仲間とのおよそ1時間の新商品のディスプレイを求め、メモをとらずに終了後100ユニットの情報データの収集を要求しました。そして主婦を情報生産者に鍛えあげました(p165)〉という記述もある。

本書をとおして鍛えてもらうなら、「つたないもので」あったとしても、「他の誰のものでもないオリジナルな情報生産者」として、社会の一隅を照らす者となれるように思う。

2018年10月19日にレビュー

東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ (ちくま文庫)

東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ (ちくま文庫)

  • 作者: 遥 洋子
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2004/11/11
  • メディア: 文庫



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目次 『情報生産者になる (ちくま新書)』 上野千鶴子著 [教育・学び]


情報生産者になる (ちくま新書)

情報生産者になる (ちくま新書)

  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2018/09/10
  • メディア: Kindle版



はじめに 学問したいあなたへ

Ⅰ 情報生産の前に
1 情報とは何か?
情報とは? / 問いを立てる / オリジナリティとは何か / 一次情報と二次情報 / インプットとアウトプット / 言語だけが情報か? / 学問とは何か
2 問いを立てる
作文教育のまちがい / かみあう議論をする / 研究とは何か / 問いを立てる / 答えの出る問いを立てる / 小さな問いにブレイクダウンする / 研究は極道だ / わたしの問題をわたしが解く / 学問は極道だ
Ⅱ 海図となる計画をつくる
3 先行研究を批判的に検討する
先行研究とは何か? / 先行研究をフォローする / 凡庸な問いには先行研究が多い / 誰も立てたことのない問い / 分野と言語圏を超える / 「批判的」であること / 指導教官などいないものと思え
4 研究計画書を書く
研究を予告する / 研究計画書には書式がある / ①研究テーマ / ②研究内容 / ③理論仮説&作業仮説 / ④研究対象 / ⑤研究方法 / ⑥先行研究および関連資料 / ⑦研究用機材・研究費用 / ⑧研究日程 / ⑨本研究の意義 / ⑩本研究の限界 / 未完の研究計画書 / 時代区分をする / 着地点を見通す
5 研究計画書を書く(当事者研究版)
リベンジ戦 / 当事者研究ヴァージョン / クレイム申し立ての宛て先 / オジサンの研究計画書 / 引きこもりの若者の研究計画書
Ⅲ 理論も方法も使い方次第
6 方法論とは何か
理論は道具 / 「仮説」を立てる / 単身世帯が増えた / 家族の個人化仮説 / 理論仮説から作業仮説へ / さまざまな調査手法 / 孤独死で何が悪い? / 引きこもったままでも暮らせるんは?
7 対象と方法の選択
エスノグラフィ / 対話的エスノグラフィ / 事例研究 / オートエスノグラフィと当事者研究 / データ・コレクション / データ分析 / 京都学派の情報生産術
Ⅳ 情報を収集し分析する
8 質的情報とは何か?
語、言説、物語 / 質的情報の分析法 / KJ法の小道具 / 情報生産の方法 / データをユニット化する
9 インタビューの仕方
半構造化自由回答法とは / 対象者のサンプリング / 信頼と調査倫理 / インタビューのノウハウ
10 質的情報の分析とは何か?
分析と総合 / 写真撮影法 / ヒューマン・エソロジー / カテゴリー化 / マッピングとチャート化 / チャート化 / ストーリーテリング / ストーリーテリングのルール / メタメタ情報の生産
11 KJ法のその先へ
マトリックス分析 / マトリックス分析の実例 / マトリックス分析の利点 / データをしゃぶりつくす / マトリックス分析のアウトプット / 結論セッション / 報告書を出す / データに語らせる
Ⅴ アウトプットする
12 目次を書く
言語の優位 / 設計図を書く / 目次の構成の仕方 / 注意事項 / 目次のカスタマイズ / 目次は何度でも書き換える
13 論文を書く
論文のお作法 / サンプル・チャプターを書く / 書ける章から書く / 情報を蓄積する / 情報を配列する / 結論先取型で書く / 裏ワザは使わない / 知っていることをすべて書かない / 自明だと思われる情報を省略しない / 概念や用語は定義して用いる / 本文と引用を区別する / 引用ストックのつくり方 / 剽窃・盗用をしない / 書式、引用、注、文献の表記 / フォントとサイズ / わかりやすい日本語で / どんな人称で書くか / 誰に宛てるか? / 誰が宛て先か?
14 コメント力をつける
代わりにやってみせろ / コメンテーターになる / 内在的コメントと外在的コメントを区別する / 内在的コメントの仕方 / 役に立つコメント・役に立たないコメント / コメント・セッションをつくる / ディフェンス力をつける / 司会の役割とは
15 論文の書き方を学ぶ
東大で上野千鶴子に論文執筆を学ぶ / ①「志は高くもってもらいたい」-テーマの設定 ②「これでは論文とは言えない」-論文の形式 ③「書きたいものよりも書けるものを書いてください」-現実という制約 ④「言いたいことが伝わらなければ、その全責任は書き手側にあります」-表現の技術 ⑤「学問は真理のためではない」-学問という政治 / 上野ゼミのDNA
Ⅵ 読者に届ける
16 口頭報告をする
プレゼン能力が大事 / 時間資源は稀少だ / 口頭報告にはごまかしがきく / パワポの功罪 / ライブと対面性 / ライブはおもしろい
17 メッセージを届ける
どうやって届けるか? / 単著を刊行する / 一般読者に届ける
18 プロデューサーになる
印刷メディアか電子メディアか / 私有財・クラブ財・公共財 / 媒体を選び分ける / 文体を選ぶ / コンテンツをつくる / 出版という権力 / 編集者はプロデューサー / 読者に届ける / コンテンツをつくる / 情報生産者を育てる

あとがき 参考文献


これからのエリック・ホッファーのために: 在野研究者の生と心得

これからのエリック・ホッファーのために: 在野研究者の生と心得

  • 作者: 荒木 優太
  • 出版社/メーカー: 東京書籍
  • 発売日: 2016/02/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


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