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『ル・モンド』から世界を読む 2001-2016 // 加藤 晴久著 藤原書店 [マスメディア]


『ル・モンド』から世界を読む 2001-2016

『ル・モンド』から世界を読む 2001-2016

  • 作者: 加藤 晴久
  • 出版社/メーカー: 藤原書店
  • 発売日: 2016/08/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


執筆の動機は「メディア批判、『わたしが“見ている”日本の新聞』に代表されるメディアに対する批判である」

藤原書店の月刊広報誌『機』に〈短期集中連載 9・11事件以降ーー「ル・モンド」誌からの考察〉と題して5回、2003年1月号からは本書タイトルのもと、第1回の〈「ル・モンド」とは何か?〉を皮切りに、2016年3月号まで13年の間、156回にわたって連載されたもの。

執筆の基本方針は ① 日本のメディアが取り上げていない、あるいは取り上げていても、分析が不十分だったり見当違いだったりするテーマを選ぶ。 ② 一般的な大問題を大上段に振りかぶって論じることはしない。ああそうか、と読み流されるだけで何も残らない。具体的・個別的テーマを大きな文脈との関わりで紹介し、読む者に問題を提起し、考えさせることをめざす。

『あとがき』で著者は《早い段階から、「加藤は『ル・モンド』にこと寄せて自分の言いたいことを言っている」と、友人たちに見抜かれた》と断ったうえで《ここに収めたテクスト一篇一篇は、自分が生きている現実への自分なりの intervention 「介入=発言」=「アンガージュマン」であった》と述べ、その動機については《メディア批判、「わたしが “見ている” 日本の新聞(「読んでいる」とはあえて書かないことにしていた)に代表されるメディアに対する批判である》と述べる。

1935年生まれの著者10歳のとき(つまり終戦・敗戦の年)、「新聞は嘘をつく」というのが、その社会認識の始まりだった。日本の新聞は、戦前・戦後と豹変しながら、廃刊することなく「社会の木鐸」を気取り続けた。

著者は批判する。① 日本のメディアは、伝えるべきことを伝えない。調査報道を、口先だけで実践しない ② 日本のメディアの根底的なコンフォーミズム。具体的な問題をリアルにとらえ、リアルな対策を示さない。内容空疎で非現実的な語句を並べるだけのことが少なくない。

そして、そのような《惨状を打破する唯一の道は、『ニューヨークタイムズ』や『ザ・ガーディアン』、『ル・モンド』、『南ドイツ新聞』を読みこなす若者が飛躍的に増えて、日本のメディアを批判することである。そして新聞社内の若手記者と連携することである》と述べる。

著者が「ル・モンドにこと寄せて」記した本書は、基本的に、以上の切り口、精神によって、連載されてきたものである。そのことを念頭に置き、巻末に用意された関連年表と照らしつつ、さらには当時の日本の日刊紙がどのように報じたかを見ながら、本書をひも解くと多くを学ぶことができるように思う。

2017年1月7日にレビュー

『ル・モンド』インタビュー集 哲学・科学・宗教

『ル・モンド』インタビュー集 哲学・科学・宗教

  • 出版社/メーカー: 産業図書
  • 発売日: 2023/06/10
  • メディア: 単行本



木陰の歴史 〔感情の源泉としての樹木〕

木陰の歴史 〔感情の源泉としての樹木〕

  • 出版社/メーカー: 藤原書店
  • 発売日: 2022/11/29
  • メディア: 単行本


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「本」をめぐる新たな見取図―本の学校・出版産業シンポジウム2016への提言 [マスメディア]


「本」をめぐる新たな見取図―本の学校・出版産業シンポジウム2016への提言(2015記録集)

「本」をめぐる新たな見取図―本の学校・出版産業シンポジウム2016への提言(2015記録集)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 出版メディアパル
  • 発売日: 2016/09
  • メディア: 単行本


「書店の現在と可能性」、新人作家・漫画家業界参入の現状、などなどたいへんリアル

書籍帯に「書店の現在と可能性 実践する経営者の視点から」とある。ネット書店、電子書籍の台頭によって、リアル書店が苦しんでいる。そうした中、生き延びるため店舗リニューアルを図りなどする。その工夫・苦労話を聞くことができる。ほかにも、漫画業界において新人作家がこれまでと違う仕方で参入・活躍している様子を知ることもできる。ほかに、「本との出合い方」に関するシンポジウム、山梨県、長野県塩尻市の図書館と書店の共生に関するシンポジウムなどあり、関係者の声を聞くことができる。現場からの声は、たいへんリアルで生々しい。

2016年11月17日にレビュー

特別講演
書店の現在と可能性―実践する経営者の視点から
共催●リード エグジビションジャパン

経営の厳しさが強調される書店業界だが、これからの書店のあるべき姿を追い求めて模索を続けている経営者も多い。 そんななかでも、従来の枠に囚われない大胆な試みに挑戦し続けている若手経営者3氏を招き、現状認識から将来展望、そして業界への提言まで、前向きにこれからの書店像を語ってもらう。

コーディネーター●星野渉(文化通信社常務取締役編集長)
パネリスト●嶋崎富士雄(文教堂グループホールディングス代表取締役社長)、松信健太郎(有隣堂常務取締役)、佐藤友則(総商さとう代表取締役社長・ウィー東城店店長)


第1分科会
「著者の発掘・育成・発表」の新たな形

かつて雑誌などの紙媒体が担っていた著者の作品発表の場は、メディアの変革に伴い、さまざまな広がりを見せている。本分科会では、主にコミックの世界において、既存の紙媒体の編集者が行う仕事の枠にとらわれずに、新たな著者をプロデュースし続ける2名のプロデューサーを招き、著者発掘・育成・関係づくり、プロモーションなど、今後の「本」づくりに必要な視点・スキルを聞く。

コーディネーター●梶原治樹(扶桑社)
パネリスト●菊池健(トキワ荘プロジェクト)、佐渡島庸平(コルク)

第2分科会
リニューアルは書店に新たな命を吹き込むか?

市場の変化によって書店経営が厳しくなる中、「移転」「増床」「スクラップアンドビルド」など立地や規模を変えることで存続を図る事例は少なくない。その一方、既存の立地・規模を大きく変えず、“新しい書店”に変化する「リニューアル」を選択する書店も存在する。「その街で書店を営み続けるための選択肢」としてのリニューアルの可能性を、実際にリニューアルを実行した書店経営者によるディスカッションを通じて考える。

コーディネーター●和氣正幸(BOOKSHOP LOVER)
パネリスト●長﨑健一(長崎書店)、山崎幸治(一進堂・CHIENOWA BOOK STORE)


コーディネーター●梶原治樹(扶桑社)
パネリスト●菊池健(トキワ荘プロジェクト)、佐渡島庸平(コルク)


第3分科会
「本との出会い方」~読書情報の変化とこれからの読者像

読者と本の出会い方が多様になってきている。従来、読者が本と出会う環境は書店店頭や新聞書評が主だったが、いまではAmazonレビューなどのWeb情報や、TwitterなどのSNSで多くの読書情報が発信されている。リアルな場での読書会や本に関するイベントも盛んだ。当分科会では、WebメディアやSNS、そして書店の現場から、媒体の枠を超え、読者と本との出会い方を探っていく。

コーディネーター●松井祐輔(『HAB』発行人/本屋「小屋BOOKS」店主)
パネリスト●大西隆幸(ブクログ)、久禮亮太(久禮書店〈KUREBOOKS〉店主)、仲俣暁生(編集者、文筆家、『マガジン航』*編集発行人*)


第4分科会
図書館と書店でひらく本のまち

図書館、 書店、地方出版、そして…。知の地域づくりを担うアクターがつながると、まちには何が起きるのか?県民投票で決める「贈りたい本大賞」など、図書館と書店合同で読書イベントをしかける山梨県と、「信州しおじり本の寺子屋」はじめ、ユニークな実践で知られる塩尻市からゲストを迎え、本のまちの広がりを熱く楽しく議論する。

コーディネーター● 柴野京子(上智大学)
パネリスト●伊東直登(塩尻市立図書館)、齊藤秀(山梨県立図書館)、須藤令子(朗月堂)

以下、第一分科会での佐渡島庸平氏(コルク) の発言
(p80-82)

そもそもインターネットの時代というのがまだ黎明期なので、それも変わってくかもしれませんね。まずは、これは文明の進化の問題ですけど、基本的には、人間の作るものは「時間消費型」と「時間節約型」というふうに、分けることができるんです。例えば家電を例にとると、パナソニックとナショナルって、昔分かれていましたが、特にナショナルって白物家電で有名なブランドで、冷蔵庫とか洗濯機とか、時間節約型の商品を作っていました。いっぽう、ソニーが作っていたウォークマンは、時間消費型の商品で、無駄な時間を過ごさせるものです。時間節約のものっていうのはブランドになりにくくて、時間消費のものっていうのはブランドになりやすいんですよ。だからパナソニックよりもソニーのほうが、ブランドとして、今、業績が悪くても、まだなぜか強い雰囲気で居られるんですね。

コンテンツというのは、やはり時間消費です。それで、グルメ情報とか芸能情報とか性情報みたいなものがコンテンツとして強いんだけども、そういったジャンルでなかなかブランドを取れないのは、直接的に欲望に訴えかけているからで、本能的な時間消費ではないんですよね。むしろ時間節約に近い。

先ほど言った『テンプリズム』というファンタジーって、読む理由なんてどこにもないので、むちゃくちゃ時間消費のものです。逆に、これにハマらせることができると、すごくロイヤルティーの高いブランドになり得ます。出版業界とかテレビ業界が産業規模が小さい割に世間で価値を持っているのは、時間消費ビジネスだからです。

インターネットが現われて、スマートフォンのアプリが増えてきている中でも、いまは、人の生活を便利にするもの、どちらかというと時間節約的なものが、どんどん成功しているんです。時間節約的なところってお金の回収見通しが立ちやすいから、そこに対して投資が付くようになり、そういう仕組みがどんどんできるようになる。

今のところあるゲームというものも、例えばゲーム会社の成功した人たち、『パズドラ』の人たちに聞くと、「どいういうふうにして30秒だけゲームをやらせるか」みたいなかたちで、細切れ時間を集めているわけです。スマホっていうのは、どんどん時間が短くなっていって、Vineだったら6秒だし、ユーチューブだと「5分ぐらいしか見られません」とか、「基本90秒ですよ」みたいなかたちになっている。今まである、例えば映画だと90分とか、本だと3日かけて読むみたいなものが全部、これから90秒とかのコンテンツ以外が消費されない、シェアされないというふうになってきているんです。

インターネット上では、3時間使うようなコンテンツをデリバリーしていく仕組みを、実はまだ誰も開発できていないんです。今後は、それを開発した人と、そこに当てはまってくるクリエイターというのが、時間消費の分野において、インターネット上での本当の覇者になるんじゃないかと思います。

ディズニーランドというのは、むちゃくちゃ時間消費させるわけじゃないですか。ディズニーランドの中で、ジェットコースターで90分待ったって、みんな、いらいらしながらも楽しむわけです。これは最高の時間消費です。乗っていられる5分間ではななくて、待っている90分も時間消費としてOKとさせていて、「これぐらい1日で使ったから、最後、お土産買って帰るぞ」という、最高の時間消費ビジネスというのをディズニーランドはつくり上げている。おそらく、これはネット空間でもつくれるはずです。

そのネット空間でつくるための設計思想を誰が持つのか。そして、そのためのエンジニアを抱えるのは誰なのか。・・・・


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ジョン・レディ・ブラック――近代日本ジャーナリズムの先駆者(奥武則著:岩波書店刊) [マスメディア]


ジョン・レディ・ブラック――近代日本ジャーナリズムの先駆者

ジョン・レディ・ブラック――近代日本ジャーナリズムの先駆者

  • 作者: 奥 武則
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2014/10/18
  • メディア: 単行本



知・情あふれる父として「ヤング・ジャパン」の成長を見守り育てようとしたイギリス人の評伝

ブラックは、1826年イギリスに生まれた人物。「幕末に来日し、英字新聞にかかわり、さらに明治期に至って日本語新聞『日新真事誌』を創刊した新聞人」。これまでも、メディア史・ジャーナリズム史の分野では、大きな業績を残した人物として、すでに評価が定着している。

たとえば、『明治事物起原』(石井研堂著1908)には、「(『日新真事誌』は)俗にブラック新聞と称せしものにて、西洋紙刷日刊新聞の祖なり。(略)従来我国に発行せる新聞中、もっとも体裁の完備せるものにて、其体裁は総て西洋の新聞紙に模倣し、雑報物価広告の欄に至るまで、殆ど今日の新聞と大差なし。(略)故に紙上に一種の光彩あり」と、ある。

そのような評価はあるものの、実際のところどんな人物であったのか?著者は、史料を出生地イギリスに求めて渡り、インターネットを駆使し、さらには明治初期の漢語の中に分け入ってブラックの生涯を追いかけていく。当該書籍のスタイルは、だから、先行資料を検証しつつ進む「謎解き」のカタチをとっている。

著者の「謎解き」に付き合ううちに、ブラックの人物像がだんだん明らかになってくる。明らかになるとともに、ブラックに感情移入するようにもなる。54歳の死に至るまでが記されていく。読後、著者によって明らかにされた知・情あふれる人物の死に、ホッカリと哀悼の気持ちさえわいてきた。

幕末維新を経て、欧米諸国にならった「一等国」になるための発達過程にあった近代日本は、たいへんイイおじさんを得たものだと思う。ヤング・ジャパンは、こうした人々に見守られながら育ってきたのだな・・と思う。

ブラックの新聞の特徴は、なによりも「論説」にあったが、そこに示された「正論」は、内外に問題をかかえて政権維持に躍起になっていた明治新政府のニラムところとなる。そして、廃刊に追い込まれる。ほとんど「謀略」によって、である・・

「父親は、子から、疎んぜられることもある・・・」ブラックはそう思いつつ、子からうけた「仕打ち」を寛大に受け入れることさえしていたのではないか・・。「近代ジャーナリズムの先駆者は、同時に、偉大な父でもあった・・」そんなことを思いながら、読了した。

2014年12月29日レビュー

西山太吉さん死去 沖縄返還の密約報道 「運命の人」のモデル
https://bookend.blog.ss-blog.jp/2023-02-26


ヤング・ジャパン―横浜と江戸 (1) (東洋文庫 (156))

ヤング・ジャパン―横浜と江戸 (1) (東洋文庫 (156))

  • 作者: J・R・ブラック
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 1970/02
  • メディア: 新書



幕末明治 新聞ことはじめ ジャーナリズムをつくった人びと (朝日選書)

幕末明治 新聞ことはじめ ジャーナリズムをつくった人びと (朝日選書)

  • 作者: 奥武則
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2016/12/09
  • メディア: 単行本



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夢の砦 ___ 二人でつくった雑誌「話の特集」 [マスメディア]


夢の砦 ___ 二人でつくった雑誌「話の特集」

夢の砦 ___ 二人でつくった雑誌「話の特集」

  • 出版社/メーカー: ハモニカブックス
  • 発売日: 2022/10/10
  • メディア: ペーパーバック



評者は『話の特集』を知らずにきた。たのしい雑誌があったのだと過去形でしか表現できないのは残念である。当該書籍は和田誠が亡くなってまぼろしとなってしまった『話の特集』50周年号の代わりのようなものだろう。内容は編者が述べるとおりである。《雑誌が世の中の”面白いこと”をリードしている時代があった。1965年に創刊された「話の特集」はそれを代表する存在だった。途中、休刊を経るなど、何度も危機に見舞われたが、読者の根強い人気に支えられた、雑誌は30年続いた。「話の特集」をつくったのは矢崎泰久32歳と和田誠29歳。二人が追い求めたのは〈自分たちが読みたい雑誌〉だった。二人を中心に築かれたその砦には、あちこちから個性的な才能が吸い寄せられるように集まった。彼らはどんなことを考え、どんな誌面(ページ)をつくったのか。矢崎泰久と和田誠。二人の若き日々をたぐり寄せ、時代の記憶を、あの熱量とともに掘り起こすことができればと願う》。かつて存在した『夢の砦』は「水滸伝」の梁山泊さながら、豪傑たちが集った。求心力となったのは矢崎・和田のコンビである。さだめし宋江:和田、 呉用:矢崎といったところか。(以下、本書から引用)。

《創刊の頃を思い出す。矢崎編集長は夜中にぼくのアパートにやってきて「誰それの原稿が入った。すぐ割付けしてくれ」と言う。ぼくが「寝ようとしてたんだ。明日にしよう」と拒んでも「それじゃ間に合わない。人間四時間寝れば充分だ」と強引に仕事をさせる。ぼくもブツブツ言いながら割付けをする。結局雑誌つくりが楽しかったのだ》(和田誠;「話の特集」いまむかし)

《(略)それが和田誠との初対面だった。態度も生意気だったし、口の利き方も横柄だった。そのときは二度と頼むものかと思ったが、どこか気の合うところがあった。 / 和田誠も雑誌の仕事には大いに興味を持っていたらしい。「自分が読みたい雑誌を作るなら、ボクはノーギャラでもいい。ただし口出しはするよ」。つまり編集長と同格が条件だという。私は同意することにした。当時の雑誌界に対する私なりの夢もあった。 / 和田誠は次々にいろいろな人を私に紹介した。寺山修司、谷川俊太郎、武満徹らがブレーンになった。グラフィック関係のアーティストは数えきれないほど連れてくる。和田さんには凄い仲間がすでに沢山いたのだった。どんどん企画が出る。読みたい雑誌のイメージは固まった。しかし、雑誌経験に乏しい私はまるで無能な状態だった》(矢崎泰久; 純情・和田誠)


水滸伝 完全版 全10巻 DVDBOX

水滸伝 完全版 全10巻 DVDBOX

  • 出版社/メーカー: コニービデオ
  • 発売日: 2008/08/21
  • メディア: DVD



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ニュースの数字をどう読むか ――統計にだまされないための22章 (ちくま新書) [マスメディア]


ニュースの数字をどう読むか ――統計にだまされないための22章 (ちくま新書)

ニュースの数字をどう読むか ――統計にだまされないための22章 (ちくま新書)

  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2022/02/18
  • メディア: Kindle版



新聞、雑誌等メディアの方々は、読者の注意を惹きたいがために、また、読んでほしいばかりに誤解をまねくタイトルを付けたり、記事を書いたりしてしまう。動機はわるくはないにせよ、多くは文系の出自で理数畑によわく、統計的リテラシーに欠けるために、誤って数字をもちいる。本書は、そうした記事を鵜吞みにすることなく、ふさわしく読み解くための助けとなっている。

著者たちは自身数学は苦手と称し、数字を敬遠する人向けに書こうと努めている。それが、文章を冗長にさせていると評者には感じられる。本書のコアになる部分を取り上げるならば「数字に責任を持つジャーナリストのための統計スタイルガイド」11項目であろう。結論となる最終章で著者はいう。

「本書は単なる書籍ではなく、メディアに統計リテラシーと責任を求めるキャンペーン活動のはじまりなのです。もしあなたがジャーナリストなら、本書を利用し始めてくださればうれしいですし、もしあなたがジャーナリストでなければ、メディア各社に対して本書やそれに類するものを順守するよう働きかける私たちの取り組みを応援してくださればうれしいです」。

その11項目とは
① 数字を文脈の中に置きましょう(9章参照) 

② 相対リスクだけでなく絶対リスクも示しましょう(11章参照) 

③ 自分が記事に書いている研究が先行研究全体の公正な代表かどうかを確認しましょう(14章参照) 

④ 研究のサンプルサイズを示しましょうー小さければ用心しましょう(3章参照) 

⑤ 科学はP値ハッキングや出版バイアスなどと戦っているという問題を意識しましょう(5、15章) 

⑥ 予測値を1つの数字として出さないでください。信頼区間を示して説明しましょう(17,18章参照) 

⑦ 何かが何かの原因であると言ったりほのめかしている場合は注意しましょう(8章参照) 

⑧ チェリーピッキング(いいとこ取り)やランダムなばらつきに用心しましょう(16章参照) 

⑨ ランキングに気を付けましょう(13章参照)

⑩ 常にネタ元を示しましょう 

⑪ 間違えたらそれを認めましょう

『訳者あとがき』に次のようにある。〈本書は、ニュースに出てくる数字や、集めてきた数字を目的に沿って整理した統計の読み方について、イギリスにおける実際の報道例をふんだんに引用しながら教えてくれる楽しい本です。各章で取り上げられた数字の読み方の “勘所” は疫学や統計学の基本を踏まえており、かつ、ニュースに出てきそうなポイントを突いています。・・〉。実際にそのような本である。どうぞ楽しみつつ学ばれんことを・・。


How to Read Numbers: A Guide to Statistics in the News (and Knowing When to Trust Them)

How to Read Numbers: A Guide to Statistics in the News (and Knowing When to Trust Them)

  • 出版社/メーカー: Weidenfeld & Nicolson
  • 発売日: 2022/03/31
  • メディア: ペーパーバック



フェイクニュースがあふれる世界に生きる君たちへ: 増補新版世界を信じるためのメソッド

フェイクニュースがあふれる世界に生きる君たちへ: 増補新版世界を信じるためのメソッド

  • 作者: 森 達也
  • 出版社/メーカー: ミツイパブリッシング
  • 発売日: 2019/12/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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「ベリングキャット ――デジタルハンター、国家の嘘を暴く」」筑摩書房 [マスメディア]


ベリングキャット ――デジタルハンター、国家の嘘を暴く (単行本)

ベリングキャット ――デジタルハンター、国家の嘘を暴く (単行本)

  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2022/03/30
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



日本のマスコミへの評価は低い。「マスゴミ」と言われている。新聞・テレビは凋落傾向にある。人気職種というのは昔ばなし。人材の質も低下し、いよいよ「マスゴミ」化している。業界そのものが、もはや風前のともしび、と聞いている。

実際のところ、広告主に忖度して真実を報じない。補助金を期待して政権におもねる。記者クラブ発表の無難なことばかり記事にする。不祥事が生じ、モンダイが起きてから、ワケ知り顔で論説する。そんなものは要らない、と言われている。

話が愚痴っぽくなった。本書は報道の明るい未来を拓く内容である。始まりは、まったくのシロウト集団、なんの権限もカネもない者たちが、インターネット上に展開する(つまり、誰でも読み、視聴できるオープンソースの)テキスト情報、画像・動画をもとに、世界的なモンダイに立ち向かう。国家的なウソを暴露する。証拠を積みあげて国家的犯罪をあげつらう。

取り上げられている事例は、「マレーシア航空17便撃墜」「ロシアの反政府活動家 ナワリヌイ氏の毒殺未遂事件」等ロシア絡みが多い。特にロシアに注目しているわけではない。世界中の問題に彼らは立ち向かう。その中で、取り上げざるを得なかった問題がロシア絡みなのである。

当の「クレムリンは、情報専門家ベン・ニモ(英国の情報・軍事アナリスト)の言う「4D法」、つまりDismiss(否定)、 Distort (歪曲)、Distract (目眩まし)、Dismay(恐怖)を活用している。第一に都合の悪い事実を断固否認する。ロシア嫌いとか敵国の手先だとか見なして、その情報自体を侮辱する。次は歪曲だ。すさまじい誇張で原形もとどめないほど真実をねじ曲げ、たとえば小規模な集会を誇大に宣伝して国が抗議に苦しんでいると言ったり、あるいは単純にありもしない主張をでっちあげたりする。(事例・略)。第三の戦術「目眩まし」だが、これには陰謀論とか「そっちはどうなんだ論」とかを用いる。つまり非難されたら非難し返すということだ。(事例・略)。四番目の恐怖戦術は、クレムリンの望む筋書きにしつこく反論すると、重大な影響が及ぶと脅して黙らせるということだ(p111)」。

強大なネコとネズミとの闘いにたとえるなら、ネコに相当する欺瞞国家に弱小ネズミ集団「べリングキャット」の採用する戦術は、(彼等の名前どおり)ネコの首に鈴:ベルをつけてしまうことである。その手法は、① 特定(見過ごされている問題、発見されていない問題をネット上で特定)し、② 検証(あらゆる証拠を検証し、けっして推測に頼らない)し、③ 拡散(わかったことを拡散し、同時にこの分野を全体として広く知らしめる)することだ。彼らは、「4D法」で脅しにかかる強大なネコとの闘いで、実績をあげてきた。

評者の気分からいくと、江戸川乱歩の「少年探偵団」のガンバリを知ってワクワクする思いである。そのように例えるなら著者のエリオット・ヒギンズは探偵団長の小林少年。そして、彼等の後見人である私立探偵:明智小五郎に相当するのは全世界の彼らの応援者ということになろう。「僕の興味はただ『真実』を知る点にある」という明智小五郎に共感する人々は、べリングキャットのガンバリを応援するにちがいない。

日本の読者あての「あとがき」の最後は次のようになっている。「本書を読んでくれた日本の読者のみなさんにも、ぜひオープンソース調査の仲間に加わってもらいたい。興味を惹かれることがあったら、本書で説明した手法を用いて突っ込んで調査して、その問題について深く知ってみてほしい。そして、気が向いたら自分でブログを始めてもいい。その問題についてどう思うか、世間に知らせるだけでいいのだ。本書の実例を読んで、ほかの人がどんなふうにやってきたかわかったら、自分の興味関心へのヒントが見つかるかもしれない。調べてみたいと思う材料はいくらでもあるだろうし、時間を使って分析すれば、善意の人々の役に立つような問題もいくらでもあるだろう。ぼくと同じくゼロから始めたとしても、世界に関連情報はあふれているから、オープンソース調査の方法ぐらい簡単に学ぶことができる。そう遠くない将来、日本からもあっと驚くオープンソース調査の事例が飛び出してくると期待している(p344)」。


江戸川乱歩・少年探偵シリーズ(2) 少年探偵団(ポプラ文庫クラシック)

江戸川乱歩・少年探偵シリーズ(2) 少年探偵団(ポプラ文庫クラシック)

  • 作者: 江戸川乱歩
  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2015/06/05
  • メディア: Kindle版



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目次 『NPOメディアが切り開くジャーナリズム  「パナマ文書」報道の真相』 立岩 陽一郎著 新聞通信調査会 [マスメディア]


NPOメディアが切り開くジャーナリズム 「パナマ文書」報道の真相

NPOメディアが切り開くジャーナリズム 「パナマ文書」報道の真相

  • 作者: 立岩 陽一郎
  • 出版社/メーカー: 新聞通信調査会
  • 発売日: 2018/03/30
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



目次
序 章 調査報道に重きをおいた米国ジャーナリズムと非営利組織

第1章 パナマ文書の衝撃
南アで開かれた世界調査報道会議
『NHKスペシャル』の報道
『パナマ文書』『パラダイス文書』の成果

第2章 「非営利報道」を始めたチャールズ・ルイス
チャールズ・ルイス
非営利報道 「CPI」の設立

第3章 CPIによる調査報道の実践
公開情報を駆使した調査報道
財源の強化と新たな活動への挑戦

第4章 広がる非営利報道と多様化する姿
非営利報道の拡大
非営利報道の類型化と大型化
特定の問題に特化した団体
非営利報道の周辺に存在するその他の団体

第5章 非営利報道を支える米国社会の仕組み
非営利報道を支える寄付制度
フィランソロピーに基づく寄付社会の形成
ジャーナリズムへの寄付の実態
調査報道を教えるジャーナリズム教育

第6章 非営利報道の展望
連邦通信委員会の提言
大学との融合
非営利報道の掟

第7章 日本における非営利報道の可能性
世界に広がる非営利報道
日本での非営利報道の誕生と今後の展望

第8章 非営利報道の新たな挑戦
チャールズ・ルイスとの再会
「ジャーナリストなきジャーナリズム」へ

終 章 問われているものの本質とは

おわりに

ファクトチェックとは何か (岩波ブックレット)

ファクトチェックとは何か (岩波ブックレット)

  • 作者: 立岩 陽一郎
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2018/04/06
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



権力に迫る「調査報道」 原発事故、パナマ文書、日米安保をどう報じたか

権力に迫る「調査報道」 原発事故、パナマ文書、日米安保をどう報じたか

  • 作者: 高田昌幸
  • 出版社/メーカー: 旬報社
  • 発売日: 2016/11/30
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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目次 『ペンの力』 浅田次郎×吉岡忍 対談 集英社新書 [マスメディア]


ペンの力 (集英社新書)

ペンの力 (集英社新書)

  • 作者: 浅田 次郎
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2018/01/17
  • メディア: 新書



まえがき 浅田次郎

第1章 自衛隊と文学者~三島由紀夫で人生を変えた二人
僕が自衛隊に入ったわけ / 三島由紀夫と面会予定 / ベトナム反戦 /
三島の小説『金閣寺』 / 三島の自死と『金閣寺』 /
三島自決の半年後に自衛隊入隊 / 大久保つながり /
僕が自衛隊に入ってみて / 自衛隊南スーダンPKO「日報」問題

第2章 明治150年~大逆事件、明治期の戦争と文学
明治維新から150年 / 日比谷焼打事件 /
日清戦争・日露戦争・韓国併合 / なぜ日露戦争を始めたのか?/
日清・日露戦争時の文学

第3章 大正デモクラシーと昭和の暗転~谷崎潤一郎、石川達三、川端康成、火野葦平
大正デモクラシー / 姦通罪 / 普通選挙法と女性参政権 /
石川達三『生きている兵隊』 / 国家総動員法 / 『出版警察法』 /
火野葦平『麦と兵隊』 / 菊池寛とペン部隊

第4章 日中戦争期の戦争と文学~金子光晴、林芙美子
日中戦争の大義 / 暴支膺懲と小林秀雄 /
金子光晴『おっとせい』 / 従軍作家への誘い /
作家が従軍するもう一つの理由 / 林芙美子と火野葦平 /
日米開戦と高村光太郎 / 終末思想 / 総力戦の時代

第5章 ペンクラブの時代~島崎藤村、井上ひさし
ペン倶楽部誕生 / 日本ペンクラブ小史 その1 /
「文学と政治」に揺れた1970年代ー『四畳半襖の下張』 /
文学は世の中に愛を与えるもの / 内向の世代 /
芸術は娯楽 / 苦悩の喪失 / 日本ペンクラブ小史 その2

第6章 それでも私たちは戦争に反対する~坂口安吾
最近の言論団体 / 9・11の時代 / スリーマイル島の原発事故 /
ソ連のチェルノブイリ原発事故 / 地球環境問題 / 動き出すと止まらない /
戦陣訓 「生きて虜囚の辱を受けず」 / 日本人の同調性 /
坂口安吾という生き方 / 抗う / 権力の捉え方 /
礼を重んじる / 日本国憲法9条のこと

あとがき 吉岡忍

年表 参考文献


浅田次郎(あさだ じろう)

一九五一年生まれ。作家。著書に『鉄道員』(直木賞)、『壬生義士伝』(柴田錬三郎賞)、『お腹召しませ』(中央公論文芸賞&司馬遼太郎賞)、『帰郷』(大佛次郎賞)など。日本ペンクラブ第一六代会長(二〇一一年〜二〇一七年)。

吉岡 忍(よしおか しのぶ)

一九四八年生まれ。ノンフィクション作家。「ベ平連ニュース」の編集長も務めた。八七年『墜落の夏 日航123便事故全記録』で講談社ノンフィクション賞を受賞。日本ペンクラブ第一七代会長(二〇一七年六月〜)。


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目次 『週刊文春』と『週刊新潮』 : 花田 紀凱vs門田隆将 PHP新書  [マスメディア]


『週刊文春』と『週刊新潮』 闘うメディアの全内幕 (PHP新書)

『週刊文春』と『週刊新潮』 闘うメディアの全内幕 (PHP新書)

  • 作者: 花田 紀凱
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2017/12/17
  • メディア: 新書



はじめに(門田隆将)

第1章 『週刊文春』と『週刊新潮』のつくり方──そのウラ側を徹底暴露

「この、ハゲーっ!」で1500万円 / テレビ局が週刊誌スクープに群がる理由 / 「『文春砲』で汚れた銃弾」--狙いはスクープ潰し? / 「『週刊新潮』は常に仰ぎ見る指標だった / 何でもできる「藪の中スタイル」は画期的 / 編集の鬼・齋藤十一という男 / タイトルを全部決める?齋藤十一伝説の虚実 / 新聞にできないことをやれ! / 自分の目と耳をフルに使って、取材対象を全部描く / データマンを徹底的に鍛える新潮方式 / 誰も教えてくれない『週刊文春』 / 「叩き上げの軍団」は変わらず / 初めてのスクープは逃亡犯へのインタビュー / 「実名告発」させた先輩記者の手腕 / 編集長の資質とスクープ / 司馬さんの「二十一世紀の君たちへ」で方向が見えた / 働く女性に読んでもらいたい / 『週刊新潮』はタイトルが本当にうまい / 「花田文春」のタイトルの付け方

第2章 ファクトを歪める新聞 vs 圧力と闘う週刊誌──現代日本のメディア構造

新聞ジャーナリズムは徹底的に堕落した / 主義主張のためにファクトを歪める / 火のないところに煙を立てた森友問題の本質 / 決定的な証言をほとんど報じないで批判三昧 / あなた方は新聞記者なの?活動家なの? / 取材で問題を起こすより、社内で出世する道を選ぶ輩 / 告発型ジャーナリズムは訴訟リスクと隣り合わせ / 「名誉毀損賠償額の安さ」を問題にした政治家たち / 「点数方式」で名誉毀損の賠償額が3倍に / 編集長は訴えられてもビビれない / ガセネタ一発で部数が10万部ダウン / 共産党のスパイもーー文藝春秋、“立花隆部屋”のウラ側 / 調査報道はやろうと思えば、まだできる / 新聞も雑誌もどんどんパイが小さくなって / 選挙報道で掌返しの文春、人間を描く新潮 / 「週刊新潮というジャンル」の唯一の媒体だった / 『週刊新潮』の武器は「見識」だった / 「売れるけど、意味はない」ばかりでいいのか / 週刊誌はもっと、“ご注進ジャーナリズム”を批判せよ / 「本物のスクープ」で読者をワクワクさせてこそ

第3章 タブーに挑み、偽善に斬り込む──編集者の動機と本音

新聞、テレビが批判できないタブーと闘ってきた / 「第三文明」に載った白いブレザー姿 / 正義感と面白がりで統一教会に挑む / 「JR東日本に巣くう妖怪」でキヨスクから締め出される / 激しい抗議に直面したとき、どうするか / 右翼の街宣車14台でも微動だにせず / 皇后陛下の記事で文藝春秋社長宅に銃弾 / 宮内庁内部から情報が来たら報じたくなる / 少年法を盾にした“うわべだけの正義”との闘い / 法律は必ず「第1条」から読め / 「実名報道するか、しないか」その決心の裏側 / 建前ばかりの新聞、本音で勝負する週刊誌 / 世の中の偽善に正面から斬り込んだ90年代の週刊誌 / 犯罪被害者が「人権侵害」の名のもとに批判される倒錯 / 言論・表現の自由より人格権ばかりを尊重する裁判官 / 『週刊文春』『週刊新潮』と朝日新聞のバトル

第4章 日本を震撼させた週刊誌の衝撃スクープ──その全内幕

「なんで生きていけるの?」--週刊誌記者の生活 / 掲載記事やタイトルはいかに決められるか / 記者の担当分けは、「記事のタイプ」に応じて / 「内部事情通」はこうして見つけ出す / 徹底した調査報道の成果「毒入りオレンジ事件」 / 異常な報道合戦に火をつけた「疑惑の銃弾」 / 時効の間近まで、とことんグリコ・森永事件をフォロー / 和田心臓移植のドナーは「生きたまま心臓をとられた」? / 日本の臓器移植の歴史を変えてしまった悲劇 / 生々しい不倫スクープで毎日新聞は傾いた / 袴田里美手記を抜かれ、ウイスキーも取られ / 「野坂参三スパイ説」0円vs1000万円のスクープ合戦 / 「イトマン事件勃発」を告げた「マネー欄」 / 「イトマン側のマスコミ対策」の真相 / 6週やった「高花田・宮沢りえ『婚約解消』危機」 / 「天下の暴論」と「あの人は今」 / 松本サリン事件のレポートでより大きなテロを予見 / 警察庁長官と警視総監は「リーダーの本義」を忘れた / 「週刊誌から電話がくると、心臓がボコッとなる」

第5章 週刊誌に未来はあるか──新たな時代のジャーナリズムの可能性

「情報ビッグバン」を象徴する朝日新聞社長辞任 / 週刊誌は他のメディアでは及びもつかぬことをやれ / なぜそこまで?『文藝春秋』の異常な安倍叩き / 時の政権への批判・評価は是々非々で / 雑誌がやるべきことも、できることも、まだまだある / 隠されたものを掘り起こす軍団がなくなるとき / 「退職後余命5年」の恐ろしいプロ軍団 / 「紙媒体の衰退」は「活字離れ」ではない / 週刊誌編集部が持つ「情報を産み出す」ノウハウ / ネット企業は「週刊誌」の役割を担えるか? / 新時代の「齋藤十一」よ、新たなジャーナリズムを創れ / ネットメディアは「裏が取れる」? / 闘う週刊誌の「無形の財産」を未来に残せ

おわりに(花田 紀凱)

主な総合月刊誌、週刊誌年表


編集者! (マスコミの学校)

編集者! (マスコミの学校)

  • 作者: 花田 紀凱
  • 出版社/メーカー: ワック
  • 発売日: 2005/02
  • メディア: 単行本



死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発 (角川文庫)

死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発 (角川文庫)

  • 作者: 門田 隆将
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2016/10/25
  • メディア: 文庫




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目次 『報道しない自由』(西村幸祐著 イースト・プレス) [マスメディア]


報道しない自由 なぜ、メディアは平気で嘘をつくのか

報道しない自由 なぜ、メディアは平気で嘘をつくのか

  • 作者: 西村幸祐
  • 出版社/メーカー: イースト・プレス
  • 発売日: 2017/11/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



上記書籍、目次

はじめに メディア・コントロールの敗北

第1章 政権を揺るがしたメディア・コントロールのカラクリ

本来はポジティブな意味だった「フェイク」 / 「フェイク・ニュース」という言葉の登場 / 無視されるメディアの基本「5W1H」 / 開校反対派のキャンペーンが森友学園問題の発端だった / ソースは福島瑞穂氏が投稿した動画で一目瞭然 / 周到に準備されていた森友学園情報 / 計画的に拡散されたゴシップ情報 / 北朝鮮は「Jアラート」発令前に発射を予告していた / 巧妙に隠蔽される北朝鮮情報 / 「矮小化」して危機感を失わせる動き / 加計学園問題が飛び出した絶妙なタイミング / 「安倍封じ」への焦りが生んだ周到な計画 / ヒーローとして演出された前川喜平・前文部科学事務次官 / 加計学園の認可は「ゆがめられた行政」を正すものだった / 放送時間は「前川氏10」に対して「加戸氏0.4」 / 一時的に勝利したフェイク・メディア / フェイク・ニュースの目的は憲法改正阻止にある

第2章 メディア・コントロールとは何か

いまだに絶大な信頼を集めるマスメディア / 都議会議長は小池百合子氏との握手を拒否していなかった / なぜ、「ワイドショー」のフェイク・ニュースが効果的なのか / 世論は「朝ドラ」と「ワイドショー」でつくられる / 昭和時代からやらせ体質だった「ワイドショー」 / 『アフタヌーンショー』と「朝日新聞サンゴ事件」 / メディア・コントロールが公となった「椿発言」 / 椿氏の証人喚問から読み解くメディア・コントロールの実態 / ニュースの論調は「クロス・オーナーシップ」で決まる / 新聞社を軸として編成された「クロス・オーナーシップ」 / 「反共の壁」として設立された日本の民放 / なぜ、正力松太郎はCIAの協力者となったのか / 「クロス・オーナーシップ」を法律で禁じるアメリカ / 禁止法つぶしに奔走する新聞記者 / 「電波オークション法」はメディア再編の切り札になるか

第3章 なぜ、メディアは「歴史洗脳」をするのか

いまなお生きている 『閉ざされた言語空間』 / 日本の歴史を破綻に追い込む 「退位」 という表現 / 「言葉狩り」される皇室用語 / ポツダム宣言の完遂が目的だった「WGIP」の誕生 / 「WGIP」がつくったフェイク・メディアの温床 / NHK設立の裏に隠された闇 / 「アメリカの正義」がゆがめた言語空間 / 「自主規制」と「自主検閲」を強いたGHQ / WGIP遂行のために改組されたNHK / なぜ、皇族は敬称ではなく「さま」と呼ばれるのか / 「さま」に対するNHKの公式見解 / 天皇陛下を国会に「お迎えする」の嘘 / 「朝ドラ」が描いた太平洋戦争暗黒史観 / 反戦傾向の強い1970~80年代の「朝ドラ」 / なぜか太平洋戦争を語り始める「朝ドラ」ヒロイン / 女性たちに支えられる反戦思想 / それでも日本人がアメリカによって変えられることはない

第4章 なぜ、北朝鮮と中国の軍事的脅威は報じられないのか

すべては菅直人政権の「尖閣ビデオ」隠蔽から始まった / 報道されない事実① アジアは日本の憲法改正と再軍備を歓迎している ② イギリスのメイ首相は自衛艦で栄誉礼を受けた ③ 北朝鮮はすぐにハワイを攻撃できる ④ 台湾は日本の軍事力に興味を持っている / 日本メディアが最も隠したい軍事情報の真実とは

第5章 メディアに騙されない方法

レベルの低いプロパガンダにすぎないフェイク・ニュース / フェイク・ニュースを見きわめる14の条件 / 長い記事より「短信」を中心に見る / 発信者が信頼できる人かどうかを見る / 「ポリティカル・コレクトネス」に傾倒していないかを見る / 「その人は本当に弱者か」を客観的に見る

終章 あらゆるメディアは「プロパガンダ装置」である

「ベルリンの壁」と、見えない「東京の壁」 / 中国共産党と「報道しない自由」の共通点 / 「終戦の詔勅」に込められたGHQへの抵抗 / 立憲民主党の躍進と「21世紀のコミンテルン」 / 9年前から予見していた「報道しない自由」の兆候 / 「マスコミ自滅元年」となった2017年 / 民主党政権誕生を招いた「平成の改革」という妄想 / 安倍晋三が「標的」となった本当の理由

おわりに こんなメディアに、私たちは負けるわけにはいかない

NHK亡国論

NHK亡国論

  • 作者: 西村 幸祐
  • 出版社/メーカー: ベストセラーズ
  • 発売日: 2014/09/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)




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