SSブログ
日本語・国語学 ブログトップ
前の10件 | 次の10件

『 海を渡ってきた漢籍: 江戸の書誌学入門 』高橋 智著 日外アソシエーツ [日本語・国語学]


海を渡ってきた漢籍: 江戸の書誌学入門 (図書館サポートフォーラムシリーズ)

海を渡ってきた漢籍: 江戸の書誌学入門 (図書館サポートフォーラムシリーズ)

  • 作者: 高橋 智
  • 出版社/メーカー: 日外アソシエーツ
  • 発売日: 2016/06/17
  • メディア: 単行本


整理に手が届かない江戸時代の漢籍が多い状況に、些かなりとも助け船を

著者は慶応義塾大學附属研究所斯道文庫教授。林望先生の後輩で、林望先生も著書で示し、講演で話す「こわい」阿部隆一先生の書誌学の演習、指導を受けている。本書は《各地の図書館で、整理に手が届かない江戸時代の漢籍が多い状況に、些かなりとも助け船を出せるかもしれない》《図書館の実務に当たられる方に、江戸時代の書物について何かのヒントをつかんでいただけるに違いない(『あとがき』)》との思いによるもので、だいぶ専門的だが、評者のような図書館実務とは無関係の漢学シロウトにも読めないことはない。本書中、原田種成著『漢文のすすめ』にも登場する長沢 規矩也先生などの名前を見出したいへん嬉しく思った。

『序章』では、著者が高校時代『論語』と出会ったこと、大學に入ってテキストに触れたくなったこと、和本を購入するまでになり、さらには「読むだけでなく、どのテキスト(本)を用いるか」どの版のどの印本を用いるか、面白くなっていったこと、さらに古書書物の世界に引きこまれた理由として「為政者と書物」との関係があることなど示される。徳川家康、柳生但馬守宗厳、沢庵の話など興味深い。

第1章『失われゆく書物の群れ』では、テーマに従って、「和装本」「「線装書」「漢籍」「準漢籍」「国書」「唐本」「和刻本」「写本」「刊本」「無訓本」「附訓本」「白文」などの説明がなされていく。

第2章『漢学者の仲間たち』では、学問の系統について示され、《日本でも、中世から近世初頭にかけては、古注本が隆盛でしたが、江戸時代はこの新注が幕府の定めた学問となり、皆それを勉強しなければならなかったのですが、中には異を唱える学者もおりました。(片山)兼山はまさにその一人で、弟子たちに古注本の出版を奨励し・・著名な学者をたくさん生み出し、こうして学術界の中心であった朱子学(宋学)とは異なった、独自の古典学を展開して、地道に、多くの人々の支持を得ていたのでした》という記述、兼山の子(淺川善庵)、孫(片山述堂)、ひ孫(片山修堂)のこと、その学問の系統が海保漁村のような学者に受け継がれていったことが示される。《良いテキストを得ること、それを校訂すること、そしてその成果を世に問うこと。これは、朱子学を奉じた江戸時代の学問の主流に大きな転換をもたらした考え方で、やがて安井息軒につながっていく》《江戸時代、最も読まれた古典である『史記評林』を見ても、初期の訓読にこだわったテキストから、後期の文字校訂にこだわったテキストへと趣向が変化していることは、江戸時代の漢文を知る上でとても大切なことです。// さて、この奥田遵の『校字史記評林』に序文を書いているのが、『文章規範』と同じ島田篁邨でした。島田氏は東京大学の漢文科を主宰し、明治の漢文教育の中心となる漢学者で、服部宇之吉、安井小太郎(朴堂)、島田鈞一などを輩出する源流ともいうべき人です。明治以降の漢文はここから始まったといっても過言ではないでしょう。そしてその師が海保漁村であったということは、これもまた一つの起点としてとらえられるでしょう》などという記述を通し、江戸から明治へ漢学の流れが見えて面白い。渡部崋山や森鴎外の著作で有名な『北条霞亭』の名もチラと出てくる。

第3章『読書と執筆ー原稿から成本』、第4章『活字と製版』、第5章『時代の様相ー文字の変化』、第6章「本屋の活躍ー『四書集注』の版権」、第7章『本に奉仕する人々』、附章「後藤点『四書』『五経』 あとがき 藩校・大名家蔵書等目録類一覧 主な漢籍レファレンスブック 関係略年表 索引

2016年8月11日にレビュー

漢文のすすめ (新潮選書)

漢文のすすめ (新潮選書)

  • 作者: 原田 種成
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1992/09
  • メディア: 単行本



増補 書藪巡歴 (ちくま文庫)

増補 書藪巡歴 (ちくま文庫)

  • 作者: 林 望
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2014/12/10
  • メディア: 文庫



慶應義塾大学附属研究所斯道文庫ホームページ
http://www.sido.keio.ac.jp/usage/about_shido.html

nice!(1)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

『図説 日本語の歴史(ふくろうの本)』今野 真二著 河出書房新社 [日本語・国語学]


図説 日本語の歴史 (ふくろうの本)

図説 日本語の歴史 (ふくろうの本)

  • 作者: 今野 真二
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2015/11/25
  • メディア: 単行本


つまるところ、当該書籍は、「日本語文献の歴史」・・・

「日本語の歴史」に関する本はいろいろあるが、本書の特徴はなんと言っても「図説」である。見開き2ページを用いて各項目の解説がなされていくが、必ず図版・写真が用意されている。日葡辞書(日本語ポルトガル語対訳辞書)も本来このような姿をしていたのかと知るだけでも感動するところがある。「論より証拠」の力を図版・写真に感じる。

「日本語の歴史」について、どのようなスタンスが取られているか、『まえがき』から知ることができる。《 本書は「図説 日本語の歴史」をタイトルとしている。「日本語の歴史」が「はなしことば+書きことば」全体の歴史として説明されることが理想であるが、「はなしことば」を記録する手段は、ずっと「文字化」であった。現在であれば、電子的に「はなしことば」を記録し、それを蓄蔵しておくことができるが、そのような技術をもったのは、明治以降であり、それ以前の日本語については、結局は文字化された情報を起点にして考えるしかない。つまり文献によらざるをえない》と、ある。文献に「はなしことば」がごく稀に露出することがあることを認めながら、それは「言語量としてみれば片々」とあり、つまるところ、当該書籍は、「日本語文献の歴史」と言い換えても良さそうである。

その日本語は、《仮名が発生する十世紀初頭以前は、漢字を使って日本語を文字化していた》。その際、《古典中国語文を視野に入れ、(その影響下に)文字化していた》。《当然、「書きことば」を支える「論理」も古典中国語文の影響下にあったと考えるのが自然ということになる》。仮名が発生し、《仮名によって日本語を書くことができるようになってからしばらくの間は、仮名と漢字を使って、日本語を文字化するという「試行錯誤」が続》く。

著者は「文字化」という表現を《単に発音された語を文字に置き換える》だけでなく、《語を越えた言語単位、「文」や「文章」を考え》て、《情報を盛る器としての「文体」を獲得するということ》と捉えている。それは、つまり日本語の「書きことば」が安定的に成立するということであり、それが成ったのは鎌倉時代であり、平安時代はまだ、不安定で、当時の「話しことば」の姿が、反映している。

婉曲な表現がなされているところを断定的に置き換えてマトメてしまったが、そのようなスタンスによるものであることを踏まえつつ、具体的モノとして残った文献を見ていくときに、また見えてくるものが違うのだろうと思っている。

2016年8月7日にレビュー

百年前の日本語――書きことばが揺れた時代 (岩波新書)

百年前の日本語――書きことばが揺れた時代 (岩波新書)

  • 作者: 今野 真二
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2012/09/21
  • メディア: 新書



正書法のない日本語 (そうだったんだ!日本語)

正書法のない日本語 (そうだったんだ!日本語)

  • 作者: 今野 真二
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2013/04/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



nice!(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

『好かれる人が絶対しないモノの言い方』 渡辺 由佳著 日本実業出版社 [日本語・国語学]


好かれる人が絶対しないモノの言い方

好かれる人が絶対しないモノの言い方

  • 作者: 渡辺 由佳
  • 出版社/メーカー: 日本実業出版社
  • 発売日: 2016/04/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


たいへん実際的かつ実践的

たいへん実際的かつ実践的な本。気の利いた話し方・受け答えのノウハウを教えてくれる。さすがにアナウンサー経験者、そして「コミュニケーションを極めるための講座を10年以上にわたって担当」した方の著書だけのことはある。

章立ては、第1章:言葉で相手をないがしろにしない、第2章:気持ちのすれ違いを生む言い方、第3章:角の立たない言い方で上手に伝える、第4章:つたない言葉づかいをしない、第5章:相手を不快にさせる言い方を避ける、第6章:気持ちよく会話をはずませる と、成っていて、全部で41の単元に分かれている。

目次を読めば、他者とのコミュニケーションのむずかしさを経験し、とかく思案してきた方なら、ナルホドとうなずかされるものばかりで、あえてページをひも解く必要はないかもしれない。しかし、目次以上の内容が本文に展開されている。若い方、就業したばかりの方、コミュニケーション下手を自覚している方にとっては、特に有用に思う。

たとえば、第1章01は、『ほめ言葉を言われたら否定しない』がテーマで、《「とんでもない」は相手の気持ちを押し返す言い方》《内容をプラスして会話を拡げる》と見出しがつづく。そして本文には、次のようにある。《ちょっとした雑談のなかでのほめ言葉を「そんなことないよ」と否定してしまうと、相手の好意を無にするだけでなく、話題もそこから広がらなくなってしまいます。 友人「今日のそのブラウス、すごく似合ってていいじゃない」 自分「でもこれ、安物なんだ」 ここからこの話題を展開させるのは、むずかしいものです。ここでこの話は途切れてしまいます。// 一方、ほめられたときに、「ありがとう。これ、お店の人に選んでもらったんだ」と返したらどうでしょうか。「へえ、どこのお店なの?・・など、この会話はどんどん広がっていきます。// 相手のほめ言葉をまず素直に受けとめてから、「実はこれはね」「とくにここが気に入っているんだ」とほめてくれたものについて、“具体的な内容を説明するようにすると、会話が展開しやすくなります” 》。

各単元の終わりには、まとめのページがあり、NGな言い回しとOKな言い回しが、簡潔な理由とともに大きく出ている。手元に置いて、意識せずにOKな言い回しが出るようになるまで、思い起こし練習するのにいいように思う。

2016年7月7日レビュー


わかりあえないことから──コミュニケーション能力とは何か (講談社現代新書)

わかりあえないことから──コミュニケーション能力とは何か (講談社現代新書)

  • 作者: 平田 オリザ
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2012/10/18
  • メディア: 新書



nice!(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

『実力判定 古文書解読力』小林 正博著 柏書房刊 [日本語・国語学]


実力判定 古文書解読力

実力判定 古文書解読力

  • 作者: 小林 正博
  • 出版社/メーカー: 柏書房
  • 発売日: 2016/04
  • メディア: 単行本


古文書解読の基礎知識問題集

この(2018年)7月から「古文書解読検定」がはじまるに先立ち、それを周知徹底すべく出版に及んだと『はじめに』にあります。

『序章』から「いきなり、恐縮」なことに、書籍表紙にあるような古文書の解読問題がとりあげられます。42文字、どれだけ読めるでしょうか。50、60代の「古文書解読未経験の方」9名の試験結果は、漢字18文字中6.9、ひらがな24文字中10.2が正解がでした。

その結果を著者は、解説してまいります。出題中の文字を「読める」「なんとか読める」「よく読めない」「ぜんぜん読めない」に分け、読めたであろう理由、読めなかったであろう理由を整理していきます。そして、『序章」末で、次のように記します。

「以上、いろいろ解説を交えながら述べてきたように、頻出する漢字のくずしと変体仮名をある程度マスターしてしまえば、古文書は相当読めるようになります。// また読めるとますます古文書学習は楽しくなります。その域に達するためには、時間をかけて慣れていくのが一番です」。

『基礎知識編』では、① 変体仮名70字、② 偏(ヘン)、旁(ツクリ)のくずし 70、③ 旧字体70字、④ 異字体70字、⑤ 頻出漢字70字をマスターするよう助けられます。その際、《「見てわかる」より「書ければ読める」を合い言葉に学習を進め》るよう勧められています。

活字もおおきく、書籍レイアウトもたいへん見やすく、年配の学習者にも親切なつくりだと思います。

これ一冊を仕上げれば、たしかに、「相当読めるようにな」るという手ごたえを感じます。いい書籍ができたものです。
2016年6月6日レビュー

古文書解読検定協会ホームページ
http://komonjyo-kaidoku.jp/%E6%A4%9C%E5%AE%9A%E3%81%94%E6%A1%88%E5%86%85/%E5%8F%A4%E6%96%87%E6%9B%B8%E8%A7%A3%E8%AA%AD%E6%A4%9C%E5%AE%9A%E3%81%AE%E7%89%B9%E5%BE%B4/

柏書房の古文書コーナー
http://www.kashiwashobo.co.jp/news/nc2630.html


基礎 古文書のよみかた (〈シリーズ〉日本人の手習い)

基礎 古文書のよみかた (〈シリーズ〉日本人の手習い)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 柏書房
  • 発売日: 1998/05
  • メディア: 単行本



近世史を学ぶための古文書「候文」入門

近世史を学ぶための古文書「候文」入門

  • 出版社/メーカー: 吉川弘文館
  • 発売日: 2023/03/02
  • メディア: 単行本



nice!(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

『グループワークで日本語表現力アップ』ひつじ書房 刊 [日本語・国語学]


グループワークで日本語表現力アップ

グループワークで日本語表現力アップ

  • 作者: 野田春美
  • 出版社/メーカー: ひつじ書房
  • 発売日: 2016/04/12
  • メディア: 単行本



「大学で積み重ねてきた文章表現少人数クラス(の教育研究)」の成果が生きている

グループで共通の課題に向き合わせることによって「日本語表現力」をアップさせ、社会人として成長するよう助けるテキスト。『おわりに』をみると「神戸学院大学において積み重ねてきた文章表現少人数クラスの教育研究をふまえて作成したもの」とある。

課題をみていくと、「1課 イントロダクション」 においては、現在の自分の文章力を把握するよう書かせる課題、高校までの自分の文章がどのようなものだったか、社会人として求められる文章とはどのようなものかを考えさせ意見交換させる課題がある。そのようにして、のちのち自分の成長を確かめる土台が築かれる。また、クラスへの自己紹介の実例をみて、そのよくない点を考えさせる課題もある。グループ(社会)活動をするうえで、皆の前で適切な挨拶ができるというのは、基本中のキといえるが、これから課題をこなしていく土台がここでも据えられる。

目次内容は、ひつじ書房ネットサイトで確認できる。Ⅱ部構成で、第Ⅰ部は1~3のステージで成っている。『ステージ1 情報発信力アップ』の目標は《人に読んでもらう文章を書くということは、情報を発信することです。情報を整理したり取捨選択したりして読み手に情報を正確に伝える「情報発信力」を向上させます》と記されていて、2課「表記と言葉づかい」から始まる。読み手に不快感や悪い印象を与える書き方が箇条書きされ、「業務日報の例」が示されている。ざっと見ていくだけでも、他に、敬語の用い方、自己PRの方法、企画をアピールする方法、プレゼンテーションの方法など、就活やその後の社会生活に直結する内容となっている。
http://www.hituzi.co.jp/hituzibooks/ISBN978-4-89476-802-4.htm

「大学で積み重ねてきた文章表現少人数クラスの教育研究」の成果が生きているということなのだろう。とにかく課題が具体的であることに驚く。ただ気になる点としては、課題に対する解答の類が記載されていないことだ。巻末をみると、ひつじ書房からの注意書きとして「本書を教科書として採用くださるか、採用を検討してくださる方には、ティーチングマニュアルを提供しています」とあるので、そこに回答に類する資料が提示されてあるのだろう。

2016年6月4日レビュー


説明の心理学―説明社会への理論・実践的アプローチ

説明の心理学―説明社会への理論・実践的アプローチ

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: ナカニシヤ出版
  • 発売日: 2007/10
  • メディア: 単行本



悪文―裏返し文章読本 (ちくま学芸文庫)

悪文―裏返し文章読本 (ちくま学芸文庫)

  • 作者: 中村 明
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2007/01
  • メディア: 文庫



文章は接続詞で決まる (光文社新書)

文章は接続詞で決まる (光文社新書)

  • 作者: 石黒圭
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2008/09/17
  • メディア: 新書



nice!(1)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

近世史を学ぶための古文書「候文」入門 / 佐藤 孝之 監修 吉川弘文館 [日本語・国語学]


近世史を学ぶための古文書「候文」入門

近世史を学ぶための古文書「候文」入門

  • 出版社/メーカー: 吉川弘文館
  • 発売日: 2023/03/02
  • メディア: 単行本



江戸時代の著作、曲亭馬琴あたりを読むときに役立つだろうと手にした。きちんと現代の活字に翻刻されているものであれば(草書体や変体仮名などではなく)おおよその見当はつくし間違っていないように思うが、あくまでも「そう思う」話しである。きちんと一度、読み解きが見当違いになっていないかどうか確かめてみようと思っていた。

品詞ごとに取り上げられた漢字(古文書に登場する主な用字・用語)に読みが示され、例文が取り上げられていく。ざっと見ただけだが、おおよそ見当違いでないことが分かった。読み方がいろいろ示されていて参考になる。候文をみていくと文の最後に突然返り点の付いた漢文になっていたりするが、その読み解きも分かった。

内容も理解しやすいが、書籍レイアウトも見やすく、読みやすい。近世の文書ならおおよそ分かるという方は確認のため手元にあると安心であろうし、これから読んでみようという方には、まさに「入門」するにいい本であるように思う。

以下「目次」から // 自立語(用言〈動詞/補助動詞/形容詞・形容動詞〉/体言〈名詞(普通名詞)/形式名詞/代名詞〉/その他の自立語〈副詞(連用修飾語)/接続詞/連体詞〉)/付属語〈助動詞/助詞〉)/その他(〈接頭語/接尾語/連語/感動詞〉)/索引

古文書「くずし字」、アマチュア参加で現代の活字に…史料解読の一助に
https://www.yomiuri.co.jp/culture/20211007-OYT8T50007/

みんなで翻刻
https://honkoku.org/

国文学研究資料館
https://www.nijl.ac.jp/koten/


南総里見八犬伝 全10冊 (岩波文庫)

南総里見八犬伝 全10冊 (岩波文庫)

  • 作者: 曲亭 馬琴
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2023/04/05
  • メディア: 文庫



nice!(2) 
共通テーマ:

「抗加齢医学」の権威 / 「上級語彙力」講座(週刊新潮3月16日号) [日本語・国語学]


週刊新潮2023年3月16日号[雑誌]

週刊新潮2023年3月16日号[雑誌]

  • 作者: 週刊新潮編集部
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2023/03/09
  • メディア: Kindle版



環虚洞の注目記事

p36-39 「抗加齢医学」の権威が推奨する「100歳」への道 老けないための「最強習慣」

*「抗加齢医学」の権威とは伊賀瀬道也 愛媛大学大学院抗加齢講座教授のこと

100歳まで生きるための習慣100選

100歳まで生きるための習慣100選

  • 作者: 伊賀瀬道也
  • 出版社/メーカー: 飛鳥新社
  • 発売日: 2022/12/08
  • メディア: 単行本




p40-43 特別対談「宮崎哲弥×齋藤孝」 人と差をつける「上級語彙力」講座

*しばらく前、某大学受験問題に「感想」が出題されたときいて仰天した。小論文を書けというならまだしも書き取り問題にである。当該記事にそれと似た話がでている。偏差値トップクラスの大学で、「植え込み」という語彙を知らないばかりに、だいぶややこしい説明をした学生がいたという。それも知らないのはひとりやふたりではないらしい。藤原正彦先生のいうように初等教育から「一に国語二に国語三、四がなくて五に算数はあとは十以下」 でいかないとどんどん状態は悪くなるにちがいない。・・などと若い世代の国語力、語彙力の低下を嘆いているが、かくいう当代の老人たちの前に幸田露伴や鴎外、漱石が出て来たなら、その語彙力に瞠目仰天することになる。あちらは漢籍をがんがん読み、漢文で日記をしたため漢詩を難なく詠じた人たちである。時代がちがうといえばそれまでのことではあるが、それにしても・・と思う。


教養としての上級語彙―知的人生のための500語―(新潮選書)

教養としての上級語彙―知的人生のための500語―(新潮選書)

  • 作者: 宮崎哲弥
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2022/11/24
  • メディア: Kindle版



大人の語彙力「言いまわし」大全

大人の語彙力「言いまわし」大全

  • 作者: 齋藤 孝
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2018/09/21
  • メディア: 単行本



ルポ 誰が国語力を殺すのか (文春e-book)

ルポ 誰が国語力を殺すのか (文春e-book)

  • 作者: 石井 光太
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2022/07/27
  • メディア: Kindle版



nice!(1) 
共通テーマ:

河合・大江・谷川が「日本語」について語る [日本語・国語学]


日本語と日本人の心

日本語と日本人の心

  • 作者: 大江 健三郎
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1996/04/26
  • メディア: 単行本


当該書籍は「児童文学ファンタジー大賞創設記念第二回文化セミナー・日本語と日本人の心」(1995年11月26日小樽市民会館)の記録。

「日本語と創造性」と題された文化セミナーでの鼎談ならびに講演等が記されている。

以下、巻末にある、谷川俊太郎の言葉を引用。

***********

簡単に言うと、日常会話であれ、短歌を書くにしろ俳句を書くにしろ、あるいはほかのものを書くにしろ、やはり本音を書かなきゃ創造的にはなれない。説教じみて言えば、みんなが本音をもっと語れば日本語はいきいきしてくる。創造的になってくるのではないか。これは日常会話も、論文も芸術作品も問わないという気がします。ただその本音をつかむというのがまた極めて難しい。

シンポジウムにも出てきたけれども、やはりマスメディアが流す決まり文句、決まりきった物事の見方みたいなものにわれわれが毒されていて、言語以前の現実に根ざした自分の言葉を非常に見つけにくくなっている。そういう意味では、子どもの言葉というのはまだ彼らの日常生活に結びついているから、大人の言葉よりはいきいきしているんだけれども、それも学校教育がそうした見方をつくり上げるのに手を貸していて、子どもの言葉も急速に建前的に画一化してきているというふうにぼくは思います。
p199


しばらく前、『評伝 大村はま』を書いた苅谷夏子が、大村はまについて語っているのを読んだ。『毎日新聞』書評欄(平成22・9・12)。そこには、こうあった。

〈大村は生徒に「本気で言葉を発すること」を求め続けた。「はまが教えてくれたのは、自分が今言うべきことにもっとも近い言葉を探し、そこに体重をかけ、一歩一歩山を登っていく感覚。利いた風な口を利くのが嫌いで『本当にそう思うの?』と、常に『肉声』を求めていました」〉

なんでも、平成22年度のあるアンケートによると、「もっとも優れた教育者」のトップが大村はまで、次いで、福沢諭吉、次いで、吉田松陰なのだそうである。

暑い夏にはオークション(西尾実国語教育全集:教育出版)
https://bookend.blog.ss-blog.jp/2012-09-02



日本語と日本人の心 (岩波現代文庫―文芸)

日本語と日本人の心 (岩波現代文庫―文芸)

  • 作者: 大江 健三郎
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2002/03/15
  • メディア: 文庫



評伝 大村はま: ことばを育て 人を育て (単行本)

評伝 大村はま: ことばを育て 人を育て (単行本)

  • 作者: 苅谷 夏子
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2010/08/02
  • メディア: 単行本



nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

「漢文のすすめ」原田 種成著 新潮選書 [日本語・国語学]


漢文のすすめ (新潮選書)

漢文のすすめ (新潮選書)

  • 作者: 原田 種成
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2023/01/03
  • メディア: 単行本



Mr.漢文の熱い思いが伝わってまいります。

表紙に記されている著者の言葉をそのまま下に引用いたします。

「日本人の精神生活や倫理観を培ったものは『論語』『孟子』などの古典である。しかし戦後、漢文教育を軽視したため、日本人の倫理観が薄くなり、国語も乱れるようになった。昔の学者は漢文で論じ、漢詩によって心情を吐露した。私は漢文こそ真の日本の古典であると思う。漢文力が欠如していると思想や歴史の資料を正確に理解できず、間違った研究が横行する。今こそ漢文教育を復活振興する必要がある。」

著者は大正6年に小学校に入学します。第1章「半生記」を見ますと、著者をはじめとする当時の日本人の受けた教育というものがおおよそどういうものかを理解することができます。第2章「諸橋『大漢和辞典』編纂秘話」はまさしく「秘話」です。諸橋轍次博士の辞書編纂について果たした役割や当時の出版事情を知ることが出来ます。・・・

この本は、総括するなら、「Mr.漢文」と称することもできそうな著者の自伝のようなものだと思います。しかし単なる履歴を記した自伝ではなく、著者の生い立ち、漢学を志したいきさつ、学究としての生活、人との出会い等を通し、著者の国語教育や漢文への熱い思いが溢れ出ている書籍で、汲めども尽きぬ味わいに満ちています。

圧巻は第4章「国語教育と漢字教育」の「国文学者の誤読」の部分でしょう。漢文の読解力の不足ゆえに、国文学者らが犯した菅原孝標に対する「冤罪」について、また、渡部崋山が死を前に詠んだ七言絶句の誤読とについて触れられています。(また、その正しい読み方についても記されています)。

漢字文化圏に住むものとして、また、そうした伝統に根ざして生きるものとしてぜひとも読んでおきたい書物の一つであると思います。

2005年5月31日レビュー

私の漢文講義

私の漢文講義

  • 作者: 原田 種成
  • 出版社/メーカー: 大修館書店
  • 発売日: 1995/10/01
  • メディア: 単行本



nice!(1) 
共通テーマ:

日本の「英文法」ができるまで// 斎藤 浩一著 研究社 [日本語・国語学]


日本の「英文法」ができるまで

日本の「英文法」ができるまで

  • 作者: 斎藤 浩一
  • 出版社/メーカー: 研究社
  • 発売日: 2022/05/24
  • メディア: 単行本



英語教育の将来までも視野に入れ見据えた興味深い「英文法」の歴史。本書にいう「英文法」とは「学習英文法」「学校文法」を指す。本書は①「現代のわれわれが学ぶ『学習英文法』の体系内容は、そもそもいつ、誰によって、そしてどのような過程と動機づけとをもって作られたか」、②幕末から、学習英文法の体形が一応の完成を見た明治後期までの間、「人々が英文法をどのように捉え、かつそれをどのように近代的な学校教育のなかに位置づけていったのか」という問いに答えるものである。

日本の英語学習のはじまりとされているのは、イギリスのアジア進出に伴い生じた「フェートン号事件」の後、幕府からオランダ通詞たちに英語学習の命が下ったこと。「その目的は国防意識にもとづくイギリス人との折衝にあった」。/ (蘭学に対して)「『英学』は、イギリスの圧倒的な軍事力を前にした敵国研究としての性格が強く、その対象も少なくともその創始期においては、西欧思想文化や科学よりも、軍事技術に重きが置かれていた」。/ 「英国を知るためには英書を解読することが得策である。そして英書を解読するために有効な術となるのが英文法である。(略)このような国防精神でもって著されたのが日本最初の本格的な英文法書である『英文鑑』であった」。/ 「日本の英文法史上における画期をもたらした人物こそ『日本英学界の巨人』とされる斎藤秀三郎であった。とりわけその主著の1つであるPractical English Grammarにより、日本の『学習英文法』は一応の完成を見ることになる」。/ 「英文法は英語教育の中核の1つとして最終的に一種の思考訓練や教養のための具、さらには比較的相対化しにくい「国語」や、「国文法」への省察をもたらすための具として定位することになる。その抽象性と理論性はかつて実業界関係者たちを苛立たせたが、逆にそれは国家防衛と文化創造をインターナショナルな「おしゃべり」よりも優先する「英語教育」においては積極的に評価されるのである」「’English’と『国語』のあいだに存在し、両者を相対化できるメタ言語として位置づけられた『英文法』は、単にスキル面において役立てられただけではなかった。それは’English’が日本国内にダイレクトに流入することを防ぎ、かつ「国語」圏に生きる人間たちの思考訓練や、「国語」(あるいは言語一般)への省察をもたらすための手段となった。もともと英米の所有物であった英文法が、今度は英米を制し、日本の独立と文化的発展をもたらすための武器として活用されたわけである」。/ 「周知のとおり、現代においては、かつての「国語」志向がおよそ100年の時を経て反転し、’English’を(ときにおぞましいほど急進的に)志向する英語教育(≠「英語教育」)になってきている。そこからは、従来存在したはずの中間性・メタ性が排除される傾向があり、したがって思考・思想なきスキル・トレーニング/ エンターテインメントになっている。・・」


熟語本位 英和中辞典 新増補版

熟語本位 英和中辞典 新増補版

  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1993/09/07
  • メディア: 単行本



斎藤秀三郎伝―その生涯と業績

斎藤秀三郎伝―その生涯と業績

  • 作者: 大村 喜吉
  • 出版社/メーカー: 吾妻書房
  • 発売日: 2022/07/09
  • メディア: 単行本



nice!(1) 
共通テーマ:
前の10件 | 次の10件 日本語・国語学 ブログトップ