「指と耳で見る、目と手で聞く: 視覚障害・聴覚障害のある人の暮らす世界」金治 直美著 ぺりかん社 [言語学(外国語)]
指と耳で見る、目と手で聞く: 視覚障害・聴覚障害のある人の暮らす世界 (なるにはBOOKS別巻)
- 作者: 金治 直美
- 出版社/メーカー: ぺりかん社
- 発売日: 2022/12/27
- メディア: 単行本
視覚障害、聴覚障害の世界について理解を深めることができる。経験談をとおして学ぶことができる。日々の暮らしの中で、彼・彼女たちがどのような困難を抱えているか、自立した生活ができるように盲・聾学校でどのような支援・教育を受けているかを知ることができる。また、障害ゆえに出来ないこともあるが、健常者にはない能力のあることが示される。彼・彼女たちは「指と耳で見」「目と手で聞く」ことができる。できないこともあるが、そうした中でも喜びを見いだしている様子を知ることもできる。街中で困難をおぼえている彼・彼女たちに出会ったときに、どのように助けになれるかを学ぶこともできる。
ひとりひとり障害の程度は異なる。視覚障害についていえば、全盲と弱視とがあり、全盲は10人のうち1~2人という。また、弱視と一口に言ってもその見え方には違いがある。同じように、白杖を持っているからといって誰もが同じように、その使い方において熟達しているわけではない。
多くは生まれつきではなく事故、病気、老化などによって障害者となる。つまり、誰もが障害者になる可能性がある。そういう可能性のある一人として本書を読むことができる。また、障害は社会が作る場合がある(ことは否めない)という視点をもてる。バリア(障壁)があるから障害者が誕生する。バリアフリー社会になれば、ある意味障害者はいなくなる。社会的多数派である健常者が要らぬ制度を設けたために生じた悲しい50年の歴史について本書は示している。
視覚障害者も聴覚障碍者も他者とのコミュニケーションを必要とする。健常者と同じである。彼・彼女たちの用いる言葉に点字があり手話がある。それらは立派な言語である。外国語を学び、その聞き取りや発話(発音)能力を伸ばしたく思う方は、その点においても本書から得られるものがあるように思う。
『アスペルガー流人間関係 14人それぞれの経験と工夫』東京書籍
https://kankyodou.blog.ss-blog.jp/2016-07-01
ディスレクシア入門---「読み書きのLD」の子どもたちを支援する
- 出版社/メーカー: 日本評論社
- 発売日: 2016/12/01
- メディア: Kindle版
『ディスレクシア入門』 加藤醇子編集 日本評論社
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