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「ワイド新版 英語学習 7つの誤解」大津由紀雄著 ひつじ書房 [言語学(外国語)]


ワイド新版 英語学習 7つの誤解

ワイド新版 英語学習 7つの誤解

  • 作者: 大津由紀雄
  • 出版社/メーカー: ひつじ書房
  • 発売日: 2022/03/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



英語学習における7つの誤解を解く本。以下の考えは誤りであることを示している。それらの誤解による英語熱に浮かされて、多大の金銭的・時間的犠牲(遠回り)を自身や子ども達に強いることのないよう助けられる。

1.英語学習に英文法は不要である
2.英語学習は早く始めるほどよい
3.留学すれば英語は確実に身につく
4.英語学習は母語を身につけるのと同じ手順で進めるのが効果的である
5.英語はネイティブから習うのが効果的である
6.英語は外国語の中でもとくに習得しやすい言語である
7.英語学習には理想的な、万人に通用する科学的方法がある

14年前(2007年8月)に発行された旧版(新書版)の改訂ワイド新版で、見やすく読みやすい。目次は「章」立てではなく「話」として「です・ます調」の話しことばで提供される。「第13話 達人たちの英語学習法に学ぶ」冒頭で著者は「わたくしの自慢は、広い分野にたくさんの友人をもっていることです」と言う。その友人かつ達人(16人)の中には『小鳥の歌からヒトの言葉へ』の著者:岡ノ谷一夫さんも入る。達人たちには3つの質問が投げかけられる。それは「①ご自身にとって、これが決定的だったと思われる学習法を1つ挙げてください」「②英語学習者に勧めたい英語学習法を1つ挙げてください」「③英語学習者に助言したいことを1つ挙げてください」とういもの。その答えと著者コメントをとおして読者は、自分自身の学習法を見出し、見直し、継続努力していく助けとすることができるにちがいない。

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https://bookend.blog.ss-blog.jp/2015-09-09


小鳥の歌からヒトの言葉へ (岩波 科学ライブラリー92)

小鳥の歌からヒトの言葉へ (岩波 科学ライブラリー92)

  • 作者: 岡ノ谷 一夫
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2003/06/11
  • メディア: 単行本



松本亨と「英語で考える」

松本亨と「英語で考える」

  • 作者: 武市 一成
  • 出版社/メーカー: 彩流社
  • 発売日: 2015/08/24
  • メディア: 単行本


以下「第9話 『英語で考える』を考える」から抜粋

日本語を意識にのぼらせない

久しぶりに英語圏で英語を使って生活することになると、最初のうちは、英語を使っていても、日本語の単語や日本語の文構造が頭をかすめていることがよくあります。しかし、次第次第に、そんなことが少なくなることに気づいて驚くことがあります。これが松本(亨)先生のおっしゃっていた「英語で考える」こと、わたくしのことばで言い換えれば「日本語を意識にのぼらせない」という状態ではないかと思います。/ 人間の意識や思考を情報処理のプロセスとして研究する学問を「認知科学」といいますが、そこでよく使われる用語に「自動化」があります。車の運転を例にとって説明しましょう。/ 免許取りたてのころは、まずエンジンをかけて、左右の安全を確認して、ギヤを入れ、アクセルを踏む、という動作をいちいち意識的に確認しながらでないと運転ができません。そのうち、だんだんと慣れてきて、動作の確認などしなくても、体が自然に動いてくれるようになります。その変化が「自動化」です。/ 外国語学習の場合も同じことです。 「英語で考える」とは、「英語を使うときには、文法などを意識的に使って文を組み立てるということではだめで、自動化が達成され、英語は英語として無意識的に使えるようにならなくてはいけない」ということ だと思います。松本先生のおっしゃっていることをそう理解すると、英語学習の目標として、納得がいきます。p90-91
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