「潜在意識をアップデート」サンマーク出版 [教育・学び]
学習することで意識行動が変わる。変わらない学習などしても仕方ない。より変化をもたらす学習をする面で、顕在意識と潜在意識の2方面からアプローチできる。本書は、潜在意識にどのようにアプローチできるかが示されている。
潜在意識の活用という面でジョセフ・マーフィーが有名である。「知の巨人」の名を恣にした渡部昇一氏は、マーフィーの愛読者であり実践者であった。マーフィーの著作『眠りながら成功する』を大島淳一名義で訳出した。その書籍に感化されて成功した人物の一人が、神田昌典氏である。そのことを評者は『私をつくった名著 人生を変えた1冊 黄金のブックガイド / 東洋経済新報社 』で知った。
そのムック本のAmazonブックレビューで評者は次のように書いた。〔神田昌典氏は、私の人生を変えた「運命の本」との出会いとしてJ・マーフィーの『眠りながら成功する』をあげている。「何といかがわしい本だろう?」と、当初、思ったのだそうである。ところが、勧められるとおり「紙に書いた願望」がそのとおりになり、潜在意識の及ぼす力に目覚めたという。後に、その翻訳者:大島淳一こと、つまり渡部昇一先生と対談の機会も得る。かくのごとく、「100冊読めば、4、5冊は良い本と出会える」と氏は説く。フォトリーディングを勧める方ならではの提案である〕。
ジョセフ・マーフィーに通じた方であれば本書は必用ないだろう。それでも、潜在意識へのアプローチ法、トレーニング法をいくつも提示しているので、本書から自分に当てはめやすいものを選んでいくのはイイように思う。
本書巻頭で著者は『鏡の国のアリス』の白の女王とアリスのやりとりを引用している。以下のようなものだ。本書で強調されているのは、「プラクティス、プラクティス、プラクティス」と言っていいようだ。
「人間は、不可能なことは信じることができないのよ」とアリスは言いました。
「あなたはまだ信じる練習が足りないみたいね」白の女王が答えました。
「不可能なことを信じるには、練習が必要なの。私があなたの年だったころには一生懸命練習をしていたから、まだ朝食の時間にもならないうちに、不可能なことを6つ信じられたときもあったほどよ」