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『日本の祭祀とその心を知る 日本文化事始』ぺりかん社 [宗教]


日本の祭祀とその心を知る 日本文化事始

日本の祭祀とその心を知る 日本文化事始

  • 出版社/メーカー: ぺりかん社
  • 発売日: 2021/12/14
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


その「心」にだいぶ深く切りこんでいる

大学テキスト・一般向け。著者は黒住真・福田恵子。日本の祭りとその文化的歴史的背景が単に示されるだけでなく、その「心」にだいぶ深く切りこんだ著作となっている。目次からも分かるように、言語にもだいぶこだわっている。【コラム】ではメタファー(隠喩)、シネクドキ―(提喩)、メトニミー(換喩)の説明もある。話題は広範で、引用も多い。労作である。

記述は次のような感じである。「第5章 天と地と人(二 天の捉え方の変遷)」からすこし引用してみる。〈キリスト教が日本に入ってきた十六世紀、キリシタンはデウスを天道と呼んだというが、これはキリスト教の創造神的神概念が天道に近いという認識があったからだろう。また、キリシタンに関心を持っていたといわれる吉田神道の神概念も天道に近く、「天」が世界を掌握する大いなる存在という位置づけに近づいてくる〉。

はじめに 本書での方法
第1章 カミさらに神とは
  一 カミの定義
  二 歴史的背景によるカミの変遷
  三 出来事から見える文化の揺れ
  四 日本の神の特性から生じる現象
第2章 祭りと祀る
  一 祭祀を遡る
  二 律令制での祭祀
  三 祭りの構造
  四 日本三大祭り(山王祭・天神祭・祇園祭)
第3章 心と言葉
  一 心と言葉
  二 心のとらえ方
  三 心はどこから来たのか
 【コラム】「カミ」「マツリ」「ココロ」「テン」の意味を考える
第4章 習合を信ずる軌跡
  一 習合宗教への道
  二 日本における習合
  三 古代を遡っての言葉と祭祀
第5章 天と地と人
  一 日本の祭祀の歴史から見える天と地
  二 天のとらえ方の変遷
  三 天と神の関係
  四 天と地と仏教
第6章 道徳と人間
  一 道徳をめぐる言葉の歴史
  二 育まれる道徳の心
  三 宗教と戒律
  四 近代社会と道徳
第7章 死とは何か、生とは何か
  一 人間の有限な生と意味
  二 死生・来世からの人間の営みと儀礼
  三 古代日本における死
  四 死をめぐる仏式の考え方とその周辺
第8章 絆をめぐって
  一 講の活動
  二 絆をめぐる物語
  三 大きなつながり
第9章 女性とジェンダー
  一 日本における女性の地位の変遷
  二 女性の思想的位置づけ
  三 女性の連帯
第10章 人間の対立と宗教
  一 宗教間の対立
  二 歴史における宗教対立
  三 権力による宗教政策と世俗化
  四 幕末明治初期の国学・儒学と宗教
  五 旧憲法と新憲法における「信教の自由」
  六 対立から歩み寄る方向へ
第11章 和のかたちと日本
  一 「和」の用法と生活様式
  二 神霊をともなった和
  三 仏法と浄化
  四 近世以後の社会統合と和
  五 近代における和と祭祀
おわりに 今後への方法
関連年表/参考文献
あとがき――未来に向けて
索引

2022年2月18日にレビュー

『本居宣長』小林秀雄著 入手
https://bookend.blog.ss-blog.jp/2015-09-10

本居宣長(上)(新潮文庫)

本居宣長(上)(新潮文庫)

  • 作者: 小林秀雄
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2013/05/03
  • メディア: Kindle版



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