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「編集をひもとく」武蔵野美術大学出版局


編集をひもとく (書物観察の手引き)

編集をひもとく (書物観察の手引き)

  • 出版社/メーカー: 武蔵野美術大学出版局
  • 発売日: 2021/11/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


「紙の本」の価値をあらためて見直すものとなる

副題に「書物観察の手引き」とある。モノとしての書物・雑誌の見るべきところを見ることができるよう助けられる。本書をとおし「紙の本」の価値を見直す機会となる。テキストだけの電子的書籍など幽霊のようなモノに思えてくる。「書物観察の手引き」をする本だけあって、当該書籍にもこだわりを感じる。見やすく読みやすい本である。

第1章 編集コンセプトに触れる (①書物を観察する ②モノづくりとしての編集 ③造本構造と台割 ④本づくりを司る ⑤デジタル時代の出版の位相 ⑥見えない糸に触れる コラム:「編集後記」という不思議)

第2章 印刷と造本 (①冊子体の本の歴史と基本単位としての折丁 ②印刷の折と絵の密な関係~中世から近代まで ③近代日本の印刷技術と多彩な視覚表現 ④印刷の仕組みと特長~3版式を中心に~ ⑤変わりゆく本の印刷と編集 本の基礎知識:本の部分名称と製本の分類)

第3章 書物と紙 (①紙の本~モノとしての存在感 ②紙の誕生前夜~本と様々な「素材」③身体を刺激する書物~紙の特性 ④「折丁」からの広がり~紙と書物の緊密な関係性 ⑤書物の可能性~用紙と造本から考える 本の基礎知識:本をかたちづくる「紙」を知る)

第4章 文字組みと装丁 (①江戸の整版本と明治の活版本の装丁・レイアウト ②夏目漱石の橋口五葉装丁本~和洋混淆の妙味 ③大正期新興美術運動と芸術表現としての編集行為 ④文字と編集~書体と字形 ⑤編集と装丁 コラム:斎藤昌三の装丁ー『新富町多輿里 少雨荘大八随筆集』)

第5章 「編集」を観察する (①観察の手引き1⃣~星野道夫の写真集を中心に ②観察の手引き2⃣~絵本の構造 ③展覧会の図録における「編集」の役割 ④『かもめのジョナサン』にみる飛行表現の推移 コラム:拡散する「編集」ー電子書籍の特性と読む行為の変容

2022年2月4日にレビュー
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