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「図説 世界を変えた100の文書(ドキュメント):易経からウィキリークスまで」 創元社 [世界史]


図説 世界を変えた100の文書(ドキュメント):易経からウィキリークスまで

図説 世界を変えた100の文書(ドキュメント):易経からウィキリークスまで

  • 作者: スコット・クリスチャンソン
  • 出版社/メーカー: 創元社
  • 発売日: 2018/06/20
  • メディア: 単行本


内容的にはモンダイないが・・

『世界を変えた100の・・』とタイトルされているので、 2015年に原書房から刊行された『世界を変えた100の本の歴史図鑑: 古代エジプトのパピルスから電子書籍まで』の同一シリーズかと思った。そちらの本は製本上からも内容的にもたいへん良かったので、同様のものと期待していただけに、すこし落胆した。落胆させられるところがあった。

原書房刊行の『世界を変えた100・・』は、本書よりも大型書籍で、タテ・ヨコそれぞれ2㌢、厚さで5㍉ほど大きい。それだけに見ごたえがある。本書も、ひとつの文書に見開き2ページを利用し、片方のページに文書の写真が掲載されているが、ルーペを持ち出さなければならない。写真・図版がイノチのような本であるから、もう1サイズ頑張って欲しかった。

内容的には、モンダイないが説明が百科事典的(つまり一般的)であるように感じる。すでに、そうした知識を持ち合わせている読者にとっては、目新しい記述は少ないように思う。しかし、なによりも、本書のウリは、「100の文書」の選択に示された著者(スコット・クリスチャンソン)の個性なのであろう。それは、「世界最初の写真」、「ビートルズとEMIのレコーディング契約書」などの文書を選んだことに、表れている。

ちなみに著者は、「全米で最も有能な記者20傑」に選らばれた人物。1947年ニューヨーク生まれの著述家・ジャーナリストであり、学者でもあり、ハーヴァード大、プリンストン大で教鞭をとり、その論文のいくつかは合衆国最高裁判所でも典拠とされている(と「翻訳者あとがき」にある)。そうした人物が、どのような文書を選んだかを見るのも、本書のひとつの楽しみといえる。

本書「序文」に先立って、タイトルの要である「文書」:“document”の定義が示される。その大切な部分に誤植がある。「証拠もしくは証明となる何か」と記載すべきところを「証拠もくしは・・」となっている。出版を急いでの校正の不備ということか。なんであれ、残念である。

2019年6月17日にレビュー

世界を変えた100の本の歴史図鑑: 古代エジプトのパピルスから電子書籍まで

世界を変えた100の本の歴史図鑑: 古代エジプトのパピルスから電子書籍まで

  • 作者: ロデリック ケイヴ
  • 出版社/メーカー: 原書房
  • 発売日: 2015/04/25
  • メディア: 大型本



100 Documents That Changed the World: From Magna Carta to WikiLeaks

100 Documents That Changed the World: From Magna Carta to WikiLeaks

  • 作者: Scott Christianson
  • 出版社/メーカー: Batsford Ltd
  • 発売日: 2015/11/01
  • メディア: ハードカバー



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