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「わかりやすさの罠  池上流「知る力」の鍛え方 (集英社新書)」池上 彰著 集英社 [教育・学び]


わかりやすさの罠 池上流「知る力」の鍛え方 (集英社新書)

わかりやすさの罠 池上流「知る力」の鍛え方 (集英社新書)

  • 作者: 池上 彰
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2019/02/15
  • メディア: 新書


〈池上流「知る力」の鍛え方〉を知るコンパクトな一冊

「わかりやすい」解説で定評のある著者は、「わかりやすさの罠」も知っている。その「罠」とは、つまり、「わかったつもり」になって思考停止に陥ることだ。そこで満足してしまい、みずから考えることなく判断・決定を委譲しようとすることだ。それはまた、疑問を提起しつつ先に進み、「腑に落ちる」まで考えて、見聞きしたことを実人生に活かさないことでもある。

本書で著者は、氾濫する情報や他者の解説・説得に「わかったつもり」になって騙されることのないよう、誤まった選択をすることのないよう、「知る力」を鍛える方法を教えてくれる。その方法とは、つまり新聞・本・書店の活用法であり、それらを利用しての情報収集法が実体験から示される。それと関連して、テレビ出演時経験した番組制作現場からの興味深い報告もある。テレビ、ネット情報との関わり方へのアドバイスもある。取材に出かけた外国の地で「冷や汗をかいた」経験や「わかったつもり」の自分に気づいた経験もある。

〈池上流「知る力」の鍛え方〉を知るコンパクトな一冊。

2019年4月22日にレビュー

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

  • 作者: ハンス・ロスリング
  • 出版社/メーカー: 日経BP社
  • 発売日: 2019/01/11
  • メディア: 単行本


「わかりやすさの罠 池上流「知る力」の鍛え方」集英社新書
目次
序章 「わかりやすさ」への疑問

「わかりやすさ」に全力で取り組むまで 視聴者は「小学五年生」 生放送で気づかされた一言 ニュース解説は視聴率がとれる 池上解説は「続 基礎英語」 「わかりやすさ」の罠 そのニュース、本当にわかっていますか? 伝えられる「事実」を「知る力」 「ざっくり言うと」が危ないとき つくられた筋書き トランプ演説の「わかりやすさ」が世界の政治を変えた ワンフレーズポリティクスが言わないこと 政治家の甘い言葉にだまされるな 安倍首相に逃げられた 「忖度」と「権力の暴走」 もっと「知る力」を鍛えよう

第1章 その「わかりやすさ」、大丈夫ですか?

なぜテレビは同じ話題ばかり取り上げるのか 1分単位の厳しい競争 テレビに偶然はない 2時間特番に占拠された番組表 収録の半分以上は放送されない ニュースにも「台本」がある 棒読みニュースは正確性の証 「○○新聞によりますと~」で明らかになること 画期的な「みのもんた式台本」 テレビ局の不思議な人事異動 テレビに出る「専門家」はどう選ばれるか アナウンサーとキャスターの違い キャスターの経歴をチェックせよ ジャーナリストを目指す有働アナ アメリカで容姿端麗なキャスターは少数派 タレントが「キャスター」を名乗ることの違和感 見た目がよければそれでいい? 芸人の役割はニュースを伝えることではない テレビはタブーを破れない テレビよりラジオがおもしろい? 

第2章 ネットの「真実」の向こう側

読まずに「見る」がネットのニュース 「ニュースはネットで十分」に異議あり ネットの「たこつぼ」に注意せよ 視野を広げるために知っておくべきこと ネットユーザーは自民支持? 「ネットにしか真実はない」のか 「情報」と「報道」は別物 今後も続くフェイクニュース問題 「信じたい」という心理につけこむ 東日本大震災で拡散されたデマ フェイクを防ぐ重要機能 ネット速報は誤字脱字が多い 訂正記事が多い新聞は信頼できる 発信しているのは誰なのか

第3章 「知る力」を鍛える

池上流「情報の時間割」 書店めぐりは日々のルーティンワーク 貴重な移動時間 東京・大阪間なら3冊用意 ランチの時間もフル活用 夜は再び新聞タイム 睡眠時間は平均5時間 何度でも強調したい新聞の重要性 複数の新聞を読み比べる意味 どうしても一紙しか読めない場合 全部読もうとしない 購読料の元をとるには 昔より今の新聞の方がわかりやすい? 夕刊と地方紙の魅力も見逃せない 新聞広告の読み方 新書は「カルチャーセンター」である 目当ての新書の探し方 「迷ったら買う」のが正解 しっかり読めるのは10冊のうち1冊 積ん読のすすめ 表紙を見るだけで価値がある雑誌 「おすすめの本」を教えない理由 ネット書店にはないリアル書店の強み なぜアマゾンのランキングとは違うのか 大型書店は「ドン・キホーテ」 ベストセラーの品揃えでわかること 出張のスケジュールに書店を入れてみる スマホの利用は最小限で ツイッターもLINEもしない なぜ「考える」ことが必要なのか

第4章 「わかりやすさ」のその先へ

「わかりやすさ」のその先へ だから現場はおもしろい 読書事情から見えるその国の将来 ボツになった取材も無駄にならない アウンサウンスーチーに二回振られた話 「悲劇のヒロイン」の素顔 ゴルバチョフは「冷徹なビジネスマン」 「わかったつもり」の自分に気づく 歴史の重みを感じさせる資料 国境の町で冷や汗をかいた 知れば誰かに話したくなる 「わかった!」と言ってもらうために必要なこと 目の前にいる人に伝えてみよう

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