『承久の乱 日本史のターニングポイント』 本郷 和人著 文春新書 [日本史]
読み終わるのが惜しいような・・・
鎌倉時代を専門にしていると「あとがき」にあるので、信頼していいのだろう。あんまりオモシロイので、ついついアカデミズムとの関係を推し量ってしまう。本郷先生の考え、推論は正しいのだろうか?学会においてどうなのだろうか?そう思いつつも、示される事実とその関係は、当然ながら(本書中においては)整合性を保っている(ように評者には感じられる)ので、やはり信頼していいように思う。本書のオモシロさは、もっぱら本郷先生の物語る能力に拠るように思う。ちょっとした言い回しのなかにも、発見があったりする。
人間による支配・政治、それは国内問題においても国際問題においても、つまるところ力関係(場合によっては暴力的なそれ)で、ヤクザの勢力争いと変わらず、いわば(本郷先生のいうように)「仁義なき戦い」なのだろうな・・・。それは、とおい昔だけでなく、今でもそうだ・・・など思いつつ読んでいる。
読み終わるのが惜しいような本だ。あんまりオモシロイので、 昨年上梓された〈坂井 孝一著『承久の乱-真の「武者の世」を告げる大乱 (中公新書)』も併せて読んでみようと思う。自分のなかで「文春・中公の乱」が生じそうではあるが・・・
2019年4月10日にレビュー
日本的革命の哲学 (NON SELECT 日本人を動かす原理 その 1)
- 作者: 山本 七平
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2008/02/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)