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トコトンやさしい道路の本 (今日からモノ知りシリーズ) 峯岸 邦夫著 日刊工業新聞社 [社会・政治]


トコトンやさしい道路の本 (今日からモノ知りシリーズ)

トコトンやさしい道路の本 (今日からモノ知りシリーズ)

  • 作者: 峯岸 邦夫
  • 出版社/メーカー: 日刊工業新聞社
  • 発売日: 2018/10/25
  • メディア: 単行本


道路を見る目が変る

毎日お世話になっている道路のことを知ろうと本書を手にした。「トコトンやさしい」シリーズであれば、やさしく教えてくれるだろうと期待した。期待に違わなかったことを報告したい。

第1章「道路とは?」は、項目1「交通って何?」から始まる。そこで、「このような人や物の場所的な移動のことを、私たちは『交通』と読んでいます。・・略・・一方で、交通は空間的に隔離された地理的な障壁を乗り越える行為とも言われます」。項目5「道路の機能(1)」では、その機能として「通行機能」「アクセス機能」「滞留機能」が挙げられ、「これらを合わせて『道路の交通機能」と呼んでいます」とある。こうした説明が項目ごとに見開き2ページ(1ページはイラスト等)で展開する。7章67項目で構成されている。解説は、簡潔明瞭で、たいへん理解しやすい。

歴史的な面も取り上げられる。第2章は「道路にまつわる歴史と文化」であり、その項目12「道路の歴史(世界編その1)」の副題には「道路網の整備は時の権力者の象徴」とある。また、第6章:道路の管理および保守・点検と更新 の項目53「信号制御と表示」で、「信号制御は、同一平面上で交差する道路に対して、青、黄、赤の表示で時間的に通行権を分配して、安全かつ円滑な交通を確保する最も有効なものです」という説明もある。道路と支配権、道路とそこを通行する権利との関係が示される。

もちろん、実際の道路がどのように施工されているのか知ることのできる章(4章「舗装の種類や施工方法」、5章「舗装の材料と道路工事の現場」)も用意されている。

道路を歩き、運転しているだけでは、決して考えることのないであろう気づきを与えてくれるオモシロイ本だ。

(以下、「目次」)1章:道路とは? 2章:道路にまつわる歴史と文化 3章:道路を計画・設計するとき考えていること 4章:舗装の種類や施工方法 5章:舗装の材料と道路工事の現場 6章:道路の管理、保守点検と更新 7章:道路事業を行うにあたって

2019年1月11日にレビュー

トコトンやさしいダムの本 (今日からモノ知りシリーズ)

トコトンやさしいダムの本 (今日からモノ知りシリーズ)

  • 作者: 溝渕 利明
  • 出版社/メーカー: 日刊工業新聞社
  • 発売日: 2018/07/25
  • メディア: 単行本




THE LAST GIRLーイスラム国に囚われ、闘い続ける女性の物語―

THE LAST GIRLーイスラム国に囚われ、闘い続ける女性の物語―

  • 作者: ナディア・ムラド
  • 出版社/メーカー: 東洋館出版社
  • 発売日: 2018/11/30
  • メディア: 単行本



以下は、上記書籍『THE LAST GIRL』からの抜粋

イラクの都市間をつなぐ道路は、こうした道が連なっていることが多く、ある場所がほかより危険であることもあるし、それにいつも混んでいた。ISISがやってきたとき、都市を占領する以前にまず道路を支配下に置く戦略が取られた。交通を遮断し、逃げられないようにして人々を孤立させた。それから、検問所を置いて、逃げ出すものがいれば簡単につかまえられるようにしたのだ。イラクの大部分では、市民が町を出て逃げるには、舗装されたハイウェイを通っていくしかない。開けた平野と砂漠には、人が隠れるところなどほとんどない。大小の都市がイラクの臓器であるなら、道路は動脈と静脈で、ISISがそれらを支配下に収めたときには、住民の生死を決める権利をも手に入れることになったのだ。p324


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