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「周作人読書雑記5 (東洋文庫)」 中島長文訳注 平凡社 [文学・評論]


周作人読書雑記5 (東洋文庫)

周作人読書雑記5 (東洋文庫)

  • 作者: 周 作人
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 2018/11/12
  • メディア: 単行本


全5巻の「書名索引」「総目次」が掲載されている

魯迅の弟で、希代の読書家:周 作人。その「読書雑記」全5巻に掲載されている全「書名索引」、「総目次」がでているというので、本巻を手にした。やはり凄い。「アイソポス物語集成」から始まって「ヰタ・セクスアリス」まで(ローマ字表記の洋書は別にして)「和」・「洋」の本が出ている。その他、「漢」にいたっては、未知の書名ばかり。しかも、膨大である。

本巻はもっぱら「漢」の書籍で占められ、実際に読むことができたのは、訳注者による文章『言えば俗になるか』と『あとがき』だけである。前者は、対日協力をしたことで、中国の民衆に対して弁解することを「俗」とし、抗弁しなかった作人のことを論じている。作人は、『明史』「隠逸伝」中の人物:倪 雲林(=倪 瓚)を引き合いにだして自分と重ねているが・・・と、訳注者は疑義を示す。なには、ともあれ、習作人という人間・人格を考えるうえで面白い論考だ。

『おわりに』で、訳注者はいう。「周作人が読み破った書は、『読書雑記』全五巻の総目次を一覧しただけでも、どんなに広範囲にわたるかが分かるだろう。わたしの知識ではとてもついていけない。それで多くの方に教示を仰ぐことになった。・・・略・・・」とある。ましてや、評者になど、とてもとてもついていけない雲の上の話だ。それでも、そうした雲の一片でもつかめるようになりたく思ったしだいである。

2018年12月26日にレビュー

倪 瓚(げい さん、1301年 - 1374年)は、元末の画家。元末四大家の一人に挙げられる。字は元鎮、号は雲林、他に別号が多い(ウィキペディアから)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%80%AA%E3%82%B5%E3%83%B3

周作人「対日協力」の顛末―補注『北京苦住庵記』ならびに後日編

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  • 作者: 木山 英雄
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2004/07/27
  • メディア: 単行本



魯迅の故家 (1955年)

魯迅の故家 (1955年)

  • 作者: 周 作人
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1955
  • メディア: -



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