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フォッサマグナ 日本列島を分断する巨大地溝の正体(ブルーバックス) 藤岡 換太郎著 [科学一般]


フォッサマグナ 日本列島を分断する巨大地溝の正体 (ブルーバックス)

フォッサマグナ 日本列島を分断する巨大地溝の正体 (ブルーバックス)

  • 作者: 藤岡 換太郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/08/22
  • メディア: 新書


世界で、きわめて唯一特異な地域に生活していることを実感

スケールの大きな話だ。なにしろ相手が相手である。日本列島が今ある姿にたち到ったその来歴を百、千万、億年も前から説き起こそうという内容だ。アルフレッド・ウェゲナーの大陸移動説は聞き知っていたが、ユーラシア大陸から日本の北と南半分が離れ、それぞれが回転しつつ合体したのが日本列島で、その時ドッキングしたラインが巨大地溝を形成したという“ような”話だ。

しかし、話はそれだけではない。その移動の要因、また、フォッサマグナの成因が説き起こされる。それには「スーパープルーム」「オラーコジン」など関係していると言う。しかも、それらが同時期に生じたという。著者は、「漫画」「試論中の試論、『漫画』以上に荒唐無稽な話」という。しかし、誰も見ていない。何を言っても仮説であり試論である。それが腑に落ちるかどうかが問題だ。少なくとも当方には、オモシロかった。

なによりも、世界でも唯一特異な地域に生活していることを実感することができた。

(以下、引用:難しそうな用語もでてくるが、本文中で丁寧に説明されてある) / 「現在のところ、世界にフォッサマグナのような地形がほかに見当たらない理由も、決してほかの場所でフォッサマグナができなかったのではなく、いったんできたとしても、微妙なバランスを保つことができず、やがて崩壊したり、変形したりしてしまったからではないかと私は考えています(p189)。」

「もっと言うならば、オラーコジンと海溝三重点を結ぶリフトの存在こそが、フォッサマグナなのです。このような配列が15Maにできたことは、まったく再現不可能な、特異な地球科学現象であると思われます。フォッサマグナに相当する地形が地球でほかに見つけられないのも、そう考えるとうなずけるのではないでしょうか(p196)。」

2018年10月17日にレビュー

山はどうしてできるのか―ダイナミックな地球科学入門 (ブルーバックス)

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  • 作者: 藤岡 換太郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2012/01/20
  • メディア: 新書



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  • 作者: 藤岡 換太郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2013/02/21
  • メディア: 新書




科学の目で見る 日本列島の地震・津波・噴火の歴史 (BERET SCIENCE)

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  • 出版社/メーカー: ベレ出版
  • 発売日: 2016/07/23
  • メディア: 単行本


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