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『はじめに』抜粋(『マインドフル・ゲーム―60のゲームで 子どもと学ぶ マインドフルネス』 金剛出版) [心理学]


マインドフル・ゲーム―60のゲームで 子どもと学ぶ マインドフルネス

マインドフル・ゲーム―60のゲームで 子どもと学ぶ マインドフルネス

  • 作者: スーザン・カイザー グリーンランド
  • 出版社/メーカー: 金剛出版
  • 発売日: 2018/07/13
  • メディア: 単行本



(冒頭段落・省略)

マインドフルネスと瞑想が育むライフ・スキルが身につくと、親も子もより深い思いやりと叡智をもって、自分の内面や周囲で起きていることとつながることができるようになります。黙想生活を送る人々は何世紀も前からこのことを知っていましたが、今、これを支持する科学的研究が増えつづけています。本書では、このライフ・スキルを6つ、お教えします。集中する、鎮める、見る、リフレーミングする、ケアする、つながるの6つです。

これらは、集中するを中心にして、残り5つを周囲に置く形で表すことができます(引用者注:イラストが出ています)。柔軟で安定した注意の集中が残りの5つを支えるからです。これらがどう連携しているかを見てみましょう。

子どもやティーンエイジャーが今この瞬間の体験(呼吸の感覚や部屋の物音など)に集中すると心は鎮まりやすくなり、頭のなかにある余地が生まれ、今起きていることをよりはっきり見ることができるようになります。そして、自分の心身で起きていることに気づいてくると、合図として感覚印象(たとえば「なんだか落ち着かない」「胸騒ぎがする」など)を使うようになり、話したり行動したりする前に立ち止まって考えるようになります。この過程で、反応性は低下する一方、自分の内面や周囲で起きていることに対する意識が高まります。結果に集中するのではなく、叡智と思いやりをもって状況に応答することに集中するのです。ケアするつながるという資質は、複雑に絡み合って各瞬間を紡ぎ出していく人間関係や原因、条件をよく見ていくなかで、ごく自然に生まれます。子どもたちはやがて、状況の見方をリフレーミングする機会を得て、これらの資質に沿った形で話し方や行動の仕方を選択できるようになります。これら6つのライフ・スキルが足場となって、注意の仕方が変わると (鎮める、集中する)、感じ方が変わり (見る、リフレーミングする)、感じ方が変わると話し方や行動や人間関係のありようが変わります (ケアする、つながる)。これが伝統的な瞑想訓練によって生まれる展開です。

黙想生活を送る人々は何千年という時間をかけて、わたしたちの内的世界や外的世界の地図となる膨大なカタログを編集してきました。わたしたちはそれらを2つのリストに絞り、ゲームやお話、誘導イメージ、実演を通して、子どもやその親に向けて紹介していきます。そのリストのひとつは、上記の6つのライフ・スキルからなる輪です。もうひとつのリストは、叡智と思いやりに満ちた世界観を特徴づける普遍的なテーマからなっています。以下がそのテーマです。

受容 識別力 偏見のない心(オープンマインド) 共感 感謝 万物は変化する 注意(スポットライト、フラッドライト) 相互依存 喜び 心の波長合わせ 親切心 行動の自制 動機 因果 忍耐 明晰さ 今この瞬間 思いやり 自分への思いやり 黙想的自制 叡智から生まれる自信

(1段落・省略)

古い格言に、「叡智と思いやりは鳥の双翼のようなもので、空を飛ぶにはいずれもが必要だ」というのがあります。マインドフルネスと瞑想を通じて学ぶ概念的テーマと実際的なライフ・スキルは、叡智と思いやりを育みます。2つは共に働くことで、ある程度の心理的な自由を提供してくれます。理想を言えば、まさに鳥が飛び立ち空高く舞い上がるように、子どもたちやその家族は心理的な自由に助けられ、人生の困難のなかを羽ばたいていくことでしょう。

(最終段落・省略)


ユング心理学入門

ユング心理学入門

  • 作者: 河合 隼雄
  • 出版社/メーカー: 培風館
  • 発売日: 1967/10/01
  • メディア: 単行本



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