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『ダルク 回復する依存者たち――その実践と多様な回復支援』 明石書店 [心理学]


ダルク 回復する依存者たち――その実践と多様な回復支援

ダルク 回復する依存者たち――その実践と多様な回復支援

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 明石書店
  • 発売日: 2018/06/07
  • メディア: 単行本


ダルクについて多くを知ることができると同時に「成熟した社会」とは何か考えさせられる、

薬物中毒・依存症の背景には、対人関係障害があるという。人につまづいて薬物に走り、なまなましい問題を多々かかえる。薬物から離れようともがくが離れられない。そうこうするうち警察の厄介になる。そうなると、家族もふくめ多くの人は離れていく。見離される。しかし、そうした人々に「仲間」として「居場所」を提供してきたグループがある。つまり、それがダルクである。

「現在、わが国の薬物依存症の専門医療期間は10施設程度しかなく、全く要求を満たしていない。薬物依存症に関しては、まさに『無医村』的状態が続いている。 ・・略・・ 一方で薬物依存症の回復支援施設であるダルクが、80施設までに増加した。このことは、薬物依存症からの回復支援の需要と必要性を示していると同時に、一民間団体であるダルクが、その役割を一手に担わざるを得ないわが国の貧困な薬物行政を象徴している。」と、埼玉県立精神医療センター 副院長 成瀬 暢也氏はいう。

同じく、成瀬氏はいう。「成熟した社会とは、問題のない社会ではなく、人が生きていくうえでさまざまな問題があってもそれを支援し解決していく社会である。これまでのダルクの活動が私たちに大切なことを教えてくれている。ダルクが孤軍奮闘してきた価値がここにある。」 / 「ダルクは回復の希望である。治療者・支援者は回復を身近に感じ信じ続けることが必要である。ダルクに行けば回復がある。人がつながることの大切さ、人を信じられることの幸せがある」。

本書からダルクについて多くを知ることができる。と同時に、「成熟した社会」とは何か、どうすればそうなるか考えさせられる。

2018年8月13日にレビュー

薬物依存症の回復支援ハンドブック―援助者,家族,当事者への手引き

薬物依存症の回復支援ハンドブック―援助者,家族,当事者への手引き

  • 作者: 成瀬 暢也
  • 出版社/メーカー: 金剛出版
  • 発売日: 2016/10/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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