『アホになる修行 横尾忠則言葉集』 イースト・プレス [アート]
アタマから離れた(放たれた)ところに生きるのがアホということかなあ・・・
もう十分にアホなので、アホになる方法を教えてもらうまでもないのだが、オモシロそうなので手にした。
たしか『創造&老年 横尾忠則と9人の生涯現役クリエーターによる対談集』でも、アホが望ましいあり方であるよう横尾さんは、話していたように思う。
アタマから離れた(放たれた)ところに生きるのがアホかなあ・・・と本書を読んで勝手に思う。勝手に思うのだから、アタマから離れている。やはり、自分はアホなのだろう。
本書はいわば「横尾語録」であるが、その中でとりわけ印象に残った言葉がある。付箋をそこにだけ貼った。それは、「絵筆を動かすと、 脳が発する言葉ではなく 肉体が発する言葉が ぼくを支配し始めます。 その肉体の言葉は 本能とか魂と呼ぶものに 近いように思います。」というものだ。
そうしたら嬉しいことに、『あとがき』を横尾さんは次のように締めくくっている。「絵の制作時にぼくは極力頭から言葉を排除して、脳の支配からなるべく自由になるために肉体の脳化を計る。創作は魂との共同作業であるから、そのためには肉体に最も近い存在である魂と一体化し、脳の支配から逃れるしかない。それにしても自分の吐いた言葉は排泄物でしかない。言葉は信じられるものなのか、信じられないものなのか、ぼくにはさっぱりわからない。」
つまり、横尾さんが一番言いたいことを、自分はキチンと捉えられたということではないか。やっぱりアホにはアホがわかるのだろう。
2018年7月28日にレビュー
所詮雲子
https://bookend.blog.so-net.ne.jp/2006-03-03
『創造&老年 横尾忠則と9人の生涯現役クリエーターによる対談集』
https://kankyodou.blog.so-net.ne.jp/2018-02-25
創造&老年 横尾忠則と9人の生涯現役クリエーターによる対談集
- 作者: 横尾 忠則
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2018/01/20
- メディア: 単行本
2023-07-15 13:11
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