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知の越境法 「質問力」を磨く (光文社新書):池上彰著 [読書法・術]


知の越境法 「質問力」を磨く (光文社新書)

知の越境法 「質問力」を磨く (光文社新書)

  • 作者: 池上彰
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2018/06/13
  • メディア: 新書


「知」の越境(勉強)法であると同時に、越境「人生論」としても

テレビ・ラジオに出演して、さまざまな分野の専門家と渡り合っている著者の姿をみると、経歴からいって、いつの間にそんな知識を獲得したのだろうと不思議に思うことがある。そういう池上さんであるだけに、「知の越境法」を書くにふさわしい。

本書を読むと、池上さんの人生そのものが「越境」人生であること・あったことが分かる。自ら望んで「越境」した場合もあるし、そうではなしにそうなった場合もある。いずれにしろ、その場その場で花を咲かせてきた。

読み方によっては、「知」の越境(勉強)法であると同時に、越境「人生論」としても読める。どんな状況でも花を咲かせ実を結んでいく励みを得られる。

2018年7月26日にレビュー

僕らが毎日やっている最強の読み方;新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける70の極意

僕らが毎日やっている最強の読み方;新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける70の極意

  • 作者: 池上 彰
  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2016/12/16
  • メディア: 単行本


私はいろいろな分野の本を出したり、専門家と対談したり。そこで、こんな質問をされたことがありました。

「専門家と渡り合えるところまで来たな、と自分で思えるのは、どういうときか」

思わぬ質問です。「いい質問」ですね。私が「いい質問」だと思うのは、予想外の質問によって、自分の中で新たな着想や見解、自己分析が生まれるときです。

これまで考えたことはなかったのですが、この質問をきっかけに考えることになりました。そこで気づいたこと、それは、専門用語を使って説明する専門家の言葉を、瞬時に小学生に分かる言葉に“翻訳”して説明できることです。

あるいは、専門家にとって想定外の質問をしたことで、専門家がこれまで発言したことのない内容を引き出すことに成功したときです。私の質問を境に、相手の反応が生き生きとしてきたり、話の展開に弾みがついたりすると、「ちょっとは渡り合えたかな」と思います。p21,22

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他人に説明できるまでに「理解できた」と言えるようになるためには、自分が学んだり見聞きした内容をどう相手に伝えるかを常に意識することが重要です。p28

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私にとって「週刊こどもニュース」とは、根本から知のあり方を洗い直された取り組みでした。大人でも分かりにくいニュースをこどもが分かるように伝えるには、普通の認識ではまったく間に合いません。核心まで届いていないと、シンプルには説明できないのです。

「日銀が」と言えば、「日銀ってなに?」と来ます。「インフレ」という言葉を使おうものなら大変です。自分の持っている知識を一度棚卸しして、ゼロから立て直す気でないと、必ず突っ込みが入ります。こどもというのは勘の鋭い存在です。こちらの曖昧なところは決して見逃しません。

したがって、かなり踏み込んで勉強をした場合でも、もう一度それでいいのかと検証する癖が身につきました。これではまだこどもを納得させることはできない、と思ったら、違う角度から捉え直します。物事の本質に至ってこそ、こどもに頷いてもらえる説明ができるのです。

この方式は、あなたにもお勧めします。獲得した知を自分のものだけに終わらせず、自分のこどもに説明する、祖父や祖母に語ってきかせる、会社の同僚や後輩に解説する。これをやってみると、奇跡が起きます。うまく説明するのは、越境のいい訓練になるのです。p30、31

(以上、第1章「越境する人間」の時代から引用)
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