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『虫の目になってみた: たのしい昆虫行動学入門』 海野 和男著 河出書房新社 [生物学]


虫の目になってみた: たのしい昆虫行動学入門

虫の目になってみた: たのしい昆虫行動学入門

  • 作者: 海野 和男
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2016/09/27
  • メディア: 単行本


昆虫たちのど迫力の写真が多数取り上げられている

本書には、標本を撮影した図鑑のような写真ではなく、まさにイキモノとして迫ってくる昆虫たちのど迫力の写真が多数取り上げられている。それもそのはず、著者は「日高敏隆研究室で昆虫行動学を学」んだ昆虫写真家。冒頭、写真撮影についてのマニアックな記述に少々抵抗を感じもしたが、昆虫の生態についての記述には、それだけ撮影にコル方ならではの観察する目の確かさを感じて、脱帽であった。

以下、「第3章 昆虫の運動能力」からの引用。「人は飛行機を作り、1万キロ以上の距離を時速1000キロメートルもの速さで無着陸で飛ぶことができる。かつてのB747ジャンボ機は全長70メートル、重さは満載で350トン近くあるそうだ。70メートルと言えばミツバチのおよそ5000倍の大きさだ。ジャンボ機をそのままミツバチほどの大きさにできたとすると重さはいったいどれくらいになるか計算してみた。すると重さはなんと0.003グラムほどにしかならない。そして速度はだいたい時速0.2キロメートルということになる。 / ミツバチの体重はおよそ0.1グラム。ミツバチがジャンボ機の大きさだったらと計算してみると何とジャンボ機の36倍近い重さがあることになる。さらにその速度はジャンボ機のおよそ250倍になってしまうのだから驚いてしまう。 / ジャンボ機を36倍の重さにした飛行機など、人類はいまだ作ることができない。この重さで自在に飛ぶことがでくるミツバチはたいしたものである。そして昆虫の作りが、人間の作った飛行機械と比べていかに合理的にできているか、とも思うのだ」。

2017年1月5日にレビュー

世界を、こんなふうに見てごらん (集英社文庫)

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  • 作者: 日高 敏隆
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2013/01/18
  • メディア: 文庫



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