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『特殊撮影! 甲虫の世界』 写真 小檜山賢二( ニュートン別冊) [生物学]


特殊撮影! 甲虫の世界 (ニュートン別冊)

特殊撮影! 甲虫の世界 (ニュートン別冊)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: ニュートンプレス
  • 発売日: 2016/06/18
  • メディア: ムック


甲虫(地球最大勢力中の最大勢力)の「深度合成」による高細密な写真集

《現在、細菌を除いた生物全体の種類は、数百万から数千万種前後と推定されている。発見され、分類されたものはわずか約125万種にすぎないが、そのうち昆虫が占めるのは約100万種。既知の生物のおよそ4分の3は昆虫なのだ。さらに、毎年多数の新種が発見されている。// ここでいう昆虫とは、生物学上は「昆虫綱」に分類される生物である。昆虫綱は、クモ綱や甲殻綱と並んで、無脊椎動物の中の節足動物の仲間だ。ほとんどの昆虫に共通して、2対の翅があり、節のある3対の肢(脚)が胸から生えている。// 昆虫綱は、さらに「目」に分けられる。チョウ目やハエ目、ハチ目、カメムシ目、カマキリ目、ゴキブリ目などだ。その中の一つが、カブトムシやゾウムシの属する甲虫目である。// 甲虫目の総数は約40万種だ。昆虫全体の4割にあたる計算で、ほかのどの目よりも多い。地球最大の勢力の中の、そのまた最大勢力である》と、プロローグに記されている。

目次は Part.1 異形のカブトムシ// Part.2 謎めいた虫 ゴミムシダマシ// Part.3 長い“鼻”をもつ昆虫 ゾウムシ// Part.4 きらびやかで個性あふれる ハムシ// Part.5 その他の不思議な昆虫たち// Part.6 深度合成のメカニズム// となっている。

本書の最大のウリは「特殊撮影!」。マクロレンズでは、被写界深度の関係でかならず被写体のどこかにボケが発生するが、特殊撮影「深度合成」の技術で、全面シャープな画像が得られる。「とても地球上の生き物にはみえない」 「プラスチックでできているかのような見た目」の ツシマチビコブツノゴミムシダマシは毛やらコブやら角やらついている。「実物の大きさ」は、3mm程度のようだが、『ニュートン』見開きサイズでデカデカと紹介される。こうした「地球最大勢力中の最大勢力」の面々が大挙して人類に反旗をひるがえしたなら、と思うと恐ろしい。

写真提供は、『象虫:マイクロプレゼンス』等を出版している小檜山賢二氏。Part.6 深度合成のメカニズム の監修者でもある。そこには、「深度合成を実践してみよう(撮影編、合成編)」「深度合成機能内蔵カメラ」という項目もある。

肉眼では決して捉えられないモノを捉えた高細密な図鑑。こうした迫力ある図鑑が手に入るようになったことを賀としたい。

2016年9月5日にレビュー

象虫:マイクロプレゼンス―小檜山賢二写真集

象虫:マイクロプレゼンス―小檜山賢二写真集

  • 作者: 小檜山 賢二
  • 出版社/メーカー: 出版芸術社
  • 発売日: 2009/08/01
  • メディア: 大型本



兜虫 (マイクロプレゼンス4)

兜虫 (マイクロプレゼンス4)

  • 作者: 小檜山賢二
  • 出版社/メーカー: 出版芸術社
  • 発売日: 2014/07/18
  • メディア: 大型本



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