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『学問のしくみ事典 あらゆる「学」の歴史とつながりがわかる』茂木健一郎 監修 [教育・学び]


あらゆる「学」の歴史とつながりがわかる 学問のしくみ事典

あらゆる「学」の歴史とつながりがわかる 学問のしくみ事典

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 日本実業出版社
  • 発売日: 2016/03/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


文系・理系の枠を取り払い、広く「学問」の世界を俯瞰することを目的に編集

どこかで見たことのある本だと思ったら、やはりそうだった。副題が「あらゆる『学』の系譜と相関がわかる」から、「あらゆる『学』の歴史とつながりがわかる」と、よりソフトになり、監修者も、エジプト考古学で著名な吉村作治氏から脳科学の茂木健一郎氏へとリニューアルされた。

旧版(1996年)を所持しているが、つくづく読んだ記憶はない。入手したのも、カタログとして、学問がどのように連関しているのか知ることができればイイという程度だった。エンサイクロペディア(Encyclopedia-百科事典)をそのむかし「百学連環」といったそうだが、学の連環が分かればそれでイイという思いだった。


学問のしくみ事典―あらゆる「学」の系譜と相関がわかる

学問のしくみ事典―あらゆる「学」の系譜と相関がわかる

  • 作者: VALIS DEUX
  • 出版社/メーカー: 日本実業出版社
  • 発売日: 1996/01
  • メディア: 単行本



肝心の中身だが、リニューアルされていることと思う。(旧版と比較したく思ったが、見当たらないので、すいません)。「情報工学」、「ユビキタス」が掲載されているが、旧版にあったかどうか・・。基本的に、そのような時代に即した内容の変更以外は無いように思う。横組み3-4段で、黒の濃淡のみの印字、そして多くの系譜図が「展開」「流れ」と題しイラスト付きで掲載されているのは、まったく変わっていないと思う。

たとえば、「人文科学」〉「哲学」〉「ポストモダン」の項目を見ると、そこには、「理性による啓蒙を基とする近代的な社会制度、思想などの一元的な原理を批判し、消費社会や情報社会に対応した知や実践のあり方を模索する思想的、文化的な傾向と概念」とある。はたして、これを知って、わかった気になるか、だれかと対話できるかと問われると、当方にはできそうにもない。

それでも、カタログとして、全体に目をとおしておくのは有意義であると思う。本書の目的について、茂木氏が『序』で述べる意味において知るには、大いに役立つと思う。分厚い辞事典等も、まずどんな項目が立項されているか知っているだけでも、あとでホントウに知りたい時に、想起し、調べることができる。(以下、茂木氏による『序』から抜粋)

《現代は「総合力」や「人間力」が問われる時代》《有名大学の卒業証書があれば、一生安泰だった時代はとっくに過ぎた》《変化の激しい、先行き不透明な時代には、特定の専門領域だけを学んでも、あっという間に時代遅れになり、役に立たなくなる可能性がある》《その意味で、「学び」の点においては、領域を越えて横断的に取り組むべきだと強く感じます》。本書は《いわゆる文系・理系の枠を取り払い、広く「学問」の世界を俯瞰することを目的に編集されました。人間の「知」の中で、ある学問がどんな位置づけにあるのか、その成り立ちから歴史、また画期的な業績を残した科学者の足跡などが、わかりやすくコンパクトに解説されています。ジャンルを超えてさまざまな学問に接することで、今までとは違った視点や新たな組合せに気づくこともあるでしょう》。

2016年6月22日レビュー

学びとは何か――〈探究人〉になるために (岩波新書)

学びとは何か――〈探究人〉になるために (岩波新書)

  • 作者: 今井 むつみ
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2016/03/19
  • メディア: 新書



「百学連環」を読む

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  • 作者: 山本 貴光
  • 出版社/メーカー: 三省堂
  • 発売日: 2016/08/01
  • メディア: 単行本



西周 現代語訳セレクション

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  • 出版社/メーカー: 慶應義塾大学出版会
  • 発売日: 2019/09/06
  • メディア: 単行本



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