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『人生が変わる!  無意識の整え方』 前野 隆司著  [心理学]


人生が変わる! 無意識の整え方 - 身体も心も運命もなぜかうまく動きだす30の習慣 - (ワニプラス)

人生が変わる! 無意識の整え方 - 身体も心も運命もなぜかうまく動きだす30の習慣 - (ワニプラス)

  • 作者: 前野 隆司
  • 出版社/メーカー: ワニブックス
  • 発売日: 2016/01/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



対話そのもの(話者たちが、“ みずから+おのずから ” 気づいた過程・背景)に注目したい

意識が構築した人工世界に住まう(とりわけ都会)人に有用な本であると思います。忘れていたものを思い出すことができると思います。競争原理の殺伐とした喧騒のなかで、ホッと自分を取り戻すこともできると思います。

意識の構築した世界は、概ねコントロール可能な世界です。機械はボタンをひとつ押せば、期待される動きをすることになっています。ところが、人間は、人間のからだは、自然は、人間のコントロールのもとに収まっていてはくれません。それが、“自分の”からだであったとしても、です。完全にアンダーコントロールするなど不可能といえます。ともすると、現代人はそのことを忘失してしまいます。そもそもコントロールできないものを、コントロールしようとして疲弊します。

当該書籍は、「無意識」をテーマにした対談本で、「受動意識仮説」(わたしたちの行動を本当に決めているのは脳の無意識であり、意識はその決定を受け取って「自分が決めた」と記憶しているだけ・・という仮説)を引っさげた著者が、人間のからだや森といった自然を相手にしている方たちと対話していきます。対話しつつ、自分の仮説を吟味検証していきます。

本の表題に「整え方」「30の習慣」とあるので、ノウハウ本の体裁をとっていますが、その点では期待しない方が無難です。ここに30を列挙するのはわけのないことですが、あまり意味のないことに思われます。よく比喩にされることですが、それは氷山の海面上に出ている全体の1/9を眺めるだけのことで、この本の醍醐味は、海水面下の部分にあります。そうした「30の習慣」に、話者たちが、“ みずから+おのずから ” 気づいた過程のようなモノに思いをめぐらせるなかで得られるものに思えます。

当初、スピリチュアル系オカルトまがいの内容でもあるかのような警戒を抱きもしたのですが、皆さん、科学を知ると同時にその限界をも知る方たちで、対談から、多くの、『気づき』 アウェアネスをもらいました。

2016年5月16日レビュー

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脳科学者池谷裕二のことばから
http://bookend.blog.so-net.ne.jp/2013-02-23



脳はなぜ「心」を作ったのか「私」の謎を解く受動意識仮説 (ちくま文庫)

脳はなぜ「心」を作ったのか「私」の謎を解く受動意識仮説 (ちくま文庫)

  • 作者: 前野 隆司
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2010/11/12
  • メディア: 文庫



システム×デザイン思考で世界を変える 慶應SDM「イノベーションのつくり方」

システム×デザイン思考で世界を変える 慶應SDM「イノベーションのつくり方」

  • 作者: 前野隆司
  • 出版社/メーカー: 日経BP社
  • 発売日: 2014/03/12
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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