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『トリガーポイント療法でツライ痛みが解消する』加茂淳著 廣済堂健康人新書 [医学・健康]





痛み(慢性痛)を緩和・解消する「トリガーポイント療法」を紹介する本

当該書籍は、痛み(慢性痛)を緩和・解消する「トリガーポイント療法」を紹介する本です。「トリガーポイント」とは「慢性の痛みを引き起こす真犯人」「骨と勘違いするほど硬い筋肉のしこり」のことであり、「筋肉のトラブル」を解消する療法がここで紹介されています。

著者は自身、整形外科医であり、「筋膜性疼痛症候群(MPS) 研究会」名誉会長(2015年11月16日現在)でもあります。

当該書籍・冒頭(『はじめに』)で著者は、日本ペインクリニック学会・理事の柴田政彦医師らの名前をあげながら、「慢性の痛みの治療に関しては、もうすでに 『痛みの生理学』 をベースにした治療が確立されつつあり、(中略)日本の痛み治療は新しいステージへと進んでいます」「ところが 整形外科の分野には、その現実を知らない医師がたくさんいます」「慢性痛に関する正しい理論や知識をもたない医師にかかると、痛みの原因はすべて『ヘルニア』や『脊柱管狭窄』や『骨の変形』といった体の構造上の問題とすり替えられ、効果のないまちがった治療法がくり返されることになります」と述べています。

著者は、「かけ出しの整形外科医として病院勤務していた頃」、そうした「従来の」治療法に「疑念を感じ」るようになり、慢性痛のメカニズムを学び、みずからの臨床経験から気づきを得るなか、独自に「トリガーポイントブロック療法」にたどりつきます。それが「90年代のなかばくらい」ということです。ところが、「アメリカでは60年代にすでに」行われ、JFK(故・ケネディ大統領)もソノ恩恵を受けていたということです。

著者は、日米の意識差についてそのように記し、「医師の発想や意識を変えていくにはまだ時間がかかりそうです。だとしたら、患者さんたちが考え方を変えていくほうが慢性の痛みから解放される近道といえます」「もしも、この本を読んでいるみなさんが何年も治らない痛みに悩まされているとしたら、ぜひ発想の転換をしてみてください」(p46)と勧めています。

当該書籍は、痛みが慢性痛となり、飛び火し、炎上するメカニズムと、そうならないようにするための方法について記されていて「発想の転換を」する上での助けとなっています。また、慢性痛から解法されるための実際の方法・療法を示し、トリガーポイントをマッサージする自修法も示しています。

「トリガーポイント」については、以前、「繊維筋痛症」について調べるなかで、チラッと目にする機会があり、「トリガー(trigger)って、拳銃の引き金のことだよな・・」と思ったのを覚えていますが、今回はじめて、その全貌を知ることができました。慢性痛で悩まされている方にとっては、一読の価値があると思いますし、また、朗報ともなろうかと思います。

2016年3月15日レビュー

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