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「フルトヴェングラーかカラヤンか」 ヴェルナー・テーリヒェン著 中公文庫 [音楽]


フルトヴェングラーかカラヤンか (中公文庫 テ 7-1)

フルトヴェングラーかカラヤンか (中公文庫 テ 7-1)

  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2021/11/19
  • メディア: 文庫


軍配はフルトヴェングラーに上げられていますが・・・
2004年9月16日にレビュー

二人の指揮者の名が挙げられていますが、著者(テーリヒェン)の思いの中で、軍配はフルトヴェングラーに高々と上げられています。この著作に関しては宇野功芳氏も、カラヤンではなく、フルトヴェングラーを推奨する根拠として取り上げています。

・・客演指揮者の元でオケが練習している。著者は下を向いてスコアに注意を払っている。と、突然オケの音がそれまでと違った本番さながらの充実した温かいものに変る。オヤッと顔をスコアから上げてステージの袖に目を遣ると、そこにフルトヴェングラーが立っていた・・という例の記述はこの書籍から採られています。(実際にはもっと丁寧に記述されています)

圧巻はフルトヴェングラーの指揮で初めて演奏した時の著者の「フルトヴェングラー体験」でしょう。これは読むだけで、その「体験」の凄さが伝わってまいります。これは、実際に一緒にその場にいて、共に時を過ごした人間しかわからない「体験」だろうが、ナント凄まじいものか、と思わせます。

この書籍は、ベルリンフィルの輝かしい時代を築いた二人の「違い」について知る良書だと思います。また、他にも、ベルリンフィルのこと、客演した指揮者たちのこと等が取り上げられた興味深い資料となっています。どうぞご一読くださいませ。


[HQ sound] Furtwängler & VPO - Bruckner: Symphony No.8 (1944.10.17)
pianissimo at midnight
https://www.youtube.com/watch?v=YeOonmZNJcs


巨匠フルトヴェングラーの生涯 (叢書 20世紀の芸術と文学)

巨匠フルトヴェングラーの生涯 (叢書 20世紀の芸術と文学)

  • 出版社/メーカー: アルファベータ
  • 発売日: 2010/11/23
  • メディア: 単行本



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