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「海外ノマド入門 ここではない場所で生きていく」ルイス前田  扶桑社 [外交・国際関係]


海外ノマド入門 ここではない場所で生きていく

海外ノマド入門 ここではない場所で生きていく

  • 作者: ルイス前田
  • 出版社/メーカー: 扶桑社
  • 発売日: 2023/02/12
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)




表紙イメージにあるカラフルな部分は書籍・帯である。それを剥がすとほとんど白地で味気ない。タイトルにグリーンの文字が用いられているように本文印字もグリーンである。おだやかな雰囲気だが、内容は過激だ。ごくフツウに日本で暮らすことを夢見る人にとっては生存の根底を脅かすような内容かもしれない。逆をいえば、こういうノマド生活が島国の日本を飛び出して実際にデキルようになったこと自体、ある意味、朗報と言えるだろう。

著者は「ノマド」について次のようにいう。《解釈を広げて、我々のような日本人をノマドと言う時は「定住先を持たずに、住む場所を変えながら暮らすライフスタイルの人たち」を意味します》。

むかし板前は、包丁一本をサラシに巻いて修行して歩いた(笑)。最近では、薬剤師資格をもつ方が日本全国のドラッグストアを渡り歩いて暮らす話を聞いた。インターネットを介してテレワークができる今日、渡り歩く場所が海外で、生活の拠点が外国であってもなんら不思議ではない。とはいえ、日本とはちがう文化の中での生活となる。いざノマドを始めるとなれば不安になるはずだ。

本書の主要な部分は、実際に(著者を含め)ノマド暮らしをしている方々へのアンケートによって構成されている。その中にはご夫婦もいる。内容がたいへん具体的である。それゆえ、どんな生活が待っているのか、どのような問題が生じうるのか知ることができる。そしてどのように問題を回避し、あるいは乗り越えることができるかも示されている。

ノマド生活を夢見る方にとっては背中を押してくれる本と言える。また、そうでない方にとっては「 ここではない場所で生きていく」人生の選択もあることを知るものとなるだろう。中には単なる興味から手にした本書がノマド暮らしへの足掛かりとなる方もでるかもしれない。


遍歴のアラビア―ベドウィン揺籃の地を訪ねて (りぶらりあ選書)

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  • 出版社/メーカー: 法政大学出版局
  • 発売日: 1998/06/01
  • メディア: 単行本



ベルベル人:歴史・思想・文明 (文庫クセジュ)

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  • 出版社/メーカー: 白水社
  • 発売日: 2021/09/29
  • メディア: 新書



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