「超ディープな数学の教科書 」難波博之著 SBクリエイティブ [数学]
「マイナスxマイナス」がプラスになるなど、中学数学で習って身についてはいるものの、そうなる理由を説明しなさいと言われたなら「暗記事項」として覚えていただけなので、困ってしまうようなことがらの解説・証明がなされていきます。対話形式で話が進められます。その話を追っていくと「超ディープな」内容が理解できます。本書は、通読するだけで分かるスグレモノです。
『はじめに』から少し引用します。本書で著者が身につけて欲しい読者に願う「視点」が示されています。
〔どうすれば「なぜ、そうなるのか?」という問いに自信を持って答えられるようになるのか?/ それは、「ルール」と「事実」という視点を身につけることです。/ 学生時代、数学の公式を意味がよくわからないまま丸暗記していた人は、「ルール」と「事実」という視点を身につけると、数学の捉え方が180度変わって、驚くほど理解が深まります〕。
〔さらに、より数学を楽しんでいただくために、「一般化・特殊ケース」という視点が新たに登場します。「一般化」を意識できれば、関連するより広い対象を一気に理解できたり、中学数学と高校数学の関係がわかったりして楽しいです。その楽しさを多くの人に味わってほしいと考え、「一般化」の例をたくさん散りばめました〕。
〔一般化とは、複数の対象に対して共通する法則・性質を取り出すことです。抽象化ともいいます〕。「一般化・特殊ケース」の1例をあげるなら、(高校で習う)余弦定理は(中学で習う)三平方の定理の一般化 / 三平方の定理は余弦定理の特殊ケース(∠C=90°の場合)があります。
高校数学の美しい物語
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