「できる人」はどこがちがうのか (ちくま新書)」斎藤 孝著 [教育・学び]
「生きる力」を得られる
最近よく「生きる力」という言葉を聞きます。予測不能の変化に対して柔軟に対応できる生き抜く力のことだと文科省は述べているようです。
本書にしめされた「できる人」となるための方策は、どんな領域、職業、世界に放り込まれても、生き抜いていく力となります。技術面をはじめ種々の面において上達をとげ、同僚・仲間の足手まといになるどころか、同等さらには上を短期間で達成する助けともなります。さらには、若い人だけでなく、人生100年時代、ながい老後を持て余すことなく、もてるエネルギーを上手に発散する方法を示唆するものともなっています。上達にまつわる数々のエピソードも楽しく読むことができます。上達して「できる人」になるという視点で、物事を見、本を読み、他者と交わるなら、誰もが、あらゆる領域で「できる人」になれることも示されます。
斎藤孝氏の書籍を比較的よく読んできた方であると自負いたしますが、本書の文章スタイルから、力と切れ味の鋭さをつよく感じました。氏の専門分野(身体論、教育学)に直結する内容であるからにちがいありません。本書の論議は、たいへん中身の詰まったもので、読みごたえがありました。
2020年3月14日にレビュー
勉強なんてカンタンだ! 齋藤孝の「ガツンと一発」シリーズ 第(1)巻
- 作者: 齋藤孝
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2004/03/20
- メディア: 単行本