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「世界の英語」リスニング 里井 久輝著 アルク [言語学(外国語)]


「世界の英語」リスニング

「世界の英語」リスニング

  • 作者: 里井 久輝
  • 出版社/メーカー: アルク
  • 発売日: 2019/10/30
  • メディア: 単行本


アルクの取り組みを知る機会となった

本書『はじめに』によると、アルク発行の月刊誌 ENGLISH JOURNAL に連載中の「世界の英語」を単行本化したものだそうです。「私たちの日頃接している英語ネイティブスピーカーの発音と大きく異なることから生じる聞き取り上のギャップを埋め、ノン・ネイティブスピーカーの多彩な英語にふれることができる教材として、本書は生まれました」ともあります。

音声サンプルはアルクの指定サイトに入り無料でダウンロードできます。アフリカ、ラテンアメリカ、ヨーロッパ、アジアのノン・ネイティブ話者のインタビュー(27人分)を聞くことができます。ダウンロード手続きはたいへんカンタンでした。ちなみに、評者はパソコンにダウンロードいたしました。

実際に27サンプルを聞いてみて。変わった発音、イントネーションはあるものの、スグに英語だと識別できました。「これ英語なの?!」とビックリするものはありませんでした。以前、聞いてスグに英語と識別できない英語(とおぼしきモノ)を聞いたことがありましたので(ちなみに、発話者はナイジェリアの方でした)、ENGLISH JOURNAL既載の内容を、わざわざ単行本化する必要があったのだろうかと疑問に思いもしました。それぞれのサンプルのあとに「聞き取りのヒント」が掲載され、音声学的コメントが載せられています。音声学に興味のある方にはイイのでしょうが、国際化のなかで多様な英語話者に接する機会をこれからもつであろう読者に、多彩な英語に「触れる」のは良いというだけであれば、単行本化は必要なかったように思いもします。ノン・ネイティブの英語が(馴れれば理解できるなどというレベルではなく)全然分からないというのであれば、助けも必要でしょうし、手引書も必要になるでしょうが・・・。

いずれにせよ、本書を通して、アルクがグローバル化する世界の中で、多様な「世界の英語」を理解するためのひとかたならぬ取り組みをしているということは、たいへんよく分かりました。また、アルク発行の月刊誌 ENGLISH JOURNAL を認知できたのも、本書のおかげです。単行本の発行には、そのような影響力もあるのだと分かります。

2020年3月9日にレビュー
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