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2020年からの新しい学力 (SB新書)石川一郎著 [教育・学び]


2020年からの新しい学力 (SB新書)

2020年からの新しい学力 (SB新書)

  • 作者: 石川一郎
  • 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
  • 発売日: 2019/09/06
  • メディア: 新書


大切な者らに寄り添い「新しい学力」を身につけるよう助けるうえで大いに役立つ

読者対象は「保護者や教師のみなさん」です。以下、簡単にマトメますと・・〈これまでの教育は限られた時間内で効率よく仕事をする人間をつくるものだった。厳しい受験競争を勝ち抜き大学に合格する力が学力とされた。しかし、そのようにして戦後教育が多く生み出してきたのは、結果として「指示待ち人間」だった。/ それではイケナイ!と教育改革が唱えられる。新学習指導要領が設けられる。しかし、それは曖昧模糊として教育の現場にどのように適用してイイものか分からない。/ AIによって多くの仕事が奪わるという予測不能の未来のおいて、真に生き抜いていくには、それに応じた力が必要だ。「新しい学力」を子どもたちに提供しなければならない〉・・・

だいぶ乱暴にマトメてしまいましたが、著者はそのような教育の現状・現況のなかで、「保護者や教師のみなさん」が、将来をしっかりと見据え、子どもたちに「新しい学力」を身につけさせる必要性を説きます。そのために、時代とともに教育が変化してきたことを示し、現状のままではいけないことを示すだけでなく、打開策と思われるものを「カリキュラムマネージャー」、「21世紀教育機構」理事の立場から提示してまいります。その一つの指針として示されるのが、「どの科目のどんなテーマにも使えると支持する人が多く、教師が指導計画を立てるときも、生徒が学習到達度を確認するときも、よい参考にな」る「首都圏模試センターが考案した『思考コード』」です。それは「ブルーノ・タキソノミー」と呼ばれる教育目標の分類学に基づくものです。

自分にとって良いものであることは分かっていながら、どのように当てはめていいか分からないことほど、はがゆい思いをすることはありません。本書は、そのかゆいところに手がとどくよう助けてくれる本です。すくなくとも方向性は教えてくれます。新書という体裁のなかによくこれだけまとめたものだと思います。労作です。今般の教育改革、新学習指導要領について、その成立の裏側を知り、自分の大切なものらに寄り添い「新しい学力」を身につけるよう助けるうえで(大学受験生だけでなく小学生の「保護者や教師のみなさん」から)大いに役立つと思います。


◆ ブルームのタキソノミー(分類学) ◆
http://www.gsis.kumamoto-u.ac.jp/opencourses/pf/2Block/04/04-1_text.html

Bloomのタキソノミー改訂版
https://gakko.site/wp/archives/1171
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