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「本当の依存症の話をしよう -ラットパークと薬物戦争」 監訳・解説 松本俊彦・小原圭司 [医学・健康]


本当の依存症の話をしよう -ラットパークと薬物戦争-

本当の依存症の話をしよう -ラットパークと薬物戦争-

  • 作者: スチュアート・マクミラン
  • 出版社/メーカー: 星和書店
  • 発売日: 2019/01/31
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


今、「本当の依存症の話を」聞いておくのは良い

依存症の話をしようにも、それがタブー視されている環境では話もできない。日本における薬物依存・対策教育についての実態を聞くと、キチンとした話はできていないようだ。だからこそ、本書の必要性があり、発刊される必要があるのだろう。問題は、どのように取り扱われるべきかだが、そこのところが監訳者・解説でなされていく。

興味深い漫画が2本用意されている。ひとつはネズミをもちいた実験「ラットパーク」。もうひとつは、ノーベル経済学賞を受けたミルトン・フリードマンのおそるべき洞察を示すもの。その後、解説が2つ用意されている。その目次は・・・

解説1 薬物依存は孤立の病ーー安心して「やめられない」と言える社会を目指してーー松本俊彦
(はじめにーー学校で教えられてきた「嘘」 / 「ラットパーク」が意味するもの / 「薬物戦争」を乗り越えて / わが国における薬物対策の現状と課題)  

解説2 ギャンブル依存症は回復できるーー依存症神話の打破を目指してーー小原圭司
(はじめに / ギャンブル依存症とは / ギャンブル依存症の日本における現状 / ギャンブル依存症の経過 / ギャンブル依存症の発症メカニズム / ギャンブル依存症を予防するには / ギャンブル依存症からの回復 / 依存症神話の打破に向けて)

以前、和歌山県の新宮市の町中に住んで、毎日お酒を欠かさない(欠かすことのできない)おじさんが、自分の生まれ育った、二軒しか住む人のない山里に戻って一日を過ごすときには、酒を飲まずにいることができるという話を(『NHKスペシャル』で)していた。そんなことを思い出しつつ漫画を見、解説を読んだ。これから、ますます身近に依存症をめぐる問題が生起しそうである。そんな今、「本当の依存症の話を」聞いておくことは役立つにちがいない。

2019年4月11日にレビュー

大麻草と文明

大麻草と文明

  • 作者: ジャック ヘラー
  • 出版社/メーカー: 築地書館
  • 発売日: 2014/10/06
  • メディア: 単行本



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