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いま、息をしている言葉で。 「光文社古典新訳文庫」誕生秘話 駒井 稔著 而立書房 [マスメディア]


いま、息をしている言葉で。 「光文社古典新訳文庫」誕生秘話

いま、息をしている言葉で。 「光文社古典新訳文庫」誕生秘話

  • 作者: 駒井 稔
  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2018/10/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


誕生の秘話というか顛末というか

序文で著者は坂本龍一の父親に言及する。名編集者として知られた坂本一亀でさえ自著をもたなかった、にもかかわらず私ごときが本書を刊行するのは・・というわけだ。つまり、それだけ、「光文社古典新訳文庫」への思い入れがあって、書かざるをえなかったということだ。創刊に深くかかわった人間なのだからアタリマエだが、オモシロイ本だ。なによりも、「光文社古典新訳文庫」を読んでみようという気持ちになる。著者の思いいれ苦労がジンジン伝わってくるからだ。本書のタイトルは、社長に「光文社古典新訳文庫」についてのコピーを迫ったときに、社長の口にしたフレーズだそうである。なるほど、シリーズをよく表した、いいコピーではないか。本書は、創刊の顛末だけでなく、古き佳き時代を示してもいる。雑誌全盛で出版業界がバブっていた時代だ。会社のカネで社員が遊びほうけることができた時代だ。よく遊びよく学んでイロイロな企画が生まれた。団塊の世代、当時30歳くらいの人たちが読者ターゲットだったという。著者自身、現在60半ばになろうとしている。今の若い世代に、信じられないだろうがこんな時代があったと回顧しつつ、「です・ます調」で語りかける。大衆雑誌・畑で生き、大衆に通じる言葉で働いてきた人は、姿勢そのものがたいへん低い。実るほど頭を垂れる稲穂かな、である。そうして鍛えられた姿勢が、「光文社古典新訳文庫」を生んだのだろう。出版の世界、編集や翻訳に関心のある人が、とりわけ楽しむことのできる本に思う。

2018年12月19日にレビュー

ファミリーヒストリーで紹介された坂本龍一の父 真実の姿を伝える「伝説の編集者 坂本一亀とその時代」
田邊園子
2018.04.23
http://web.kawade.co.jp/bunko/2013/


伝説の編集者 坂本一亀とその時代 (河出文庫)

伝説の編集者 坂本一亀とその時代 (河出文庫)

  • 作者: 田邊園子
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2018/04/23
  • メディア: 文庫






編集者、それはペンを持たない作家である 私は人間記録として、自分の感動を多くの読者に伝えたかった。

編集者、それはペンを持たない作家である 私は人間記録として、自分の感動を多くの読者に伝えたかった。

  • 作者: 神吉 晴夫
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2022/06/30
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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