「アリになった数学者」 森田 真生・文 / 脇阪克二・絵 [児童文学]
算数と数学を身近なものに
きれいな絵本だ。いろいろな(まさに「色々な」)表現方法を尽くして、脇阪さんは、文章とのコラボレートを試みる。限界に挑む。文章は、在野数学者でおとなの本も書いている森田 真生さんだ。絵本の限られたページのなかに、最大限の中身を、最小の言葉で記そうとすると、おのずと言葉は、詩として展開するらしい。もともと森田さんが詩人のたましいを持っているということもあるのだろうが、文章は詩の体をなしているように思う。
以下に、すこし抜粋してみる。
人間の数学は、あくまで人間のからだに根ざしてつくられているのだ。
人間とはちがうからだをもつアリなら、どんな数学をつくるだろう。
ぼくは、アリたちと語りあってみたいと思った。
2018年11月30日にレビュー