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「世界一深い100のQ  いかなる状況でも本質をつかむ思考力養成講座」 ダイヤモンド社 [哲学]


世界一深い100のQ いかなる状況でも本質をつかむ思考力養成講座

世界一深い100のQ いかなる状況でも本質をつかむ思考力養成講座

  • 作者: ロジェ・ゲスネリ
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2018/08/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


思考力が培われるならモウケモノと思って読むといいかも

副題に「いかなる状況でも本質をつかむ思考力養成講座」とあるが、考えて本質をつかむイロハを順を追って教示してくれるわけではない。「序文」も「はしがき」も「はじめに」もなく突然、100の質問とその回答が示されていく。その質問は後記のようなものである。

聞くところによると、英仏の大学受験時の面接などでは、「凍っている湖でアヒルが泳いでいる時に、なぜアヒルの脚が凍らないのか説明しろ?」などという質問で、いろいろな角度から考えさせ、その答えで受験者の考える能力を試すというが、その手の質問とモハン回答をみるような印象だ。それを示すことによって、読者の思考力を引き上げようということなのかもしれない。

回答者はフランスの著名な方たちだそうである。その道のトップレベルの総勢35人の執筆者の名前プロフィルが巻末に出ているが、残念ながらひとりも知らない。作者代表となっているロジェ・ゲスネリは、『21世紀の資本』のトマ・ピケティの指導教授というから、きっとその通りなのであろう。

2、3ページにわたって示される回答をみると、知らないことがたくさんある。そして、オモシロイ。「思考力養成講座」とかたくるしく構えることなく、読み物として楽しむなかで、本質をつかむ思考力が培われるならモウケモノと思って読むといいかもしれない。

2018年10月24日にレビュー

チャーチルの国イギリスは「リアリズム」の国
https://bookend.blog.so-net.ne.jp/2012-03-02


(以下、掲載質問) 1:声帯移植はいつ可能になるのか? 2:先史時代の人間は何を考えていたのか? 3:数学がなかったら、我々の世界はどうなるか? 4:反芻は何の役に立つのか? 5:人間は鳥インフルエンザで絶滅するのか? 6:心配性の人間は暗記が得意か? 7:樹木は移動できるのか? 8:バクテリアには思考力があるのか? 9:レマン湖を満たすのにはどのくらいの時間がかかるか? 10:時空はいくつの次元を持っているのか? 11:実際に「物質を構成する素粒子」はいくつあるのか? 12:「注意」はどうやってするのか? 13:生物学の研究はどのように行われるのか? 14:脳はどのように学ぶのか? 15:脳はどのように思考を作り出すのか? 16:どうしたら進化論者にならずにいられるのか? 17:赤ちゃんの目はどのくらい見えるのか? 18:エネルギーを消費するのは誰なのか? 19:経済効果は需要から生まれるのか、供給から生まれるのか? 20:粒子はどうやって質量を持ったのか? 21:平行線は交わることができるのか? 22:神は数学が得意なのか? 23:もしもアメリカと同じように、中国人とインド人の4分の3が車を持ったなら、原料とガソリンは足りるのか? 24:虹の色はどこから生まれるのか? 25:我々が吸っている酸素はどこから来るのか? 26:水は水源から流れるのか? 27:数学においては、すべての無限は同じ価値を持つのか? 28:核エネルギーは永続的か? 29:エントロピーとは乱雑になることか? 30:空間は本当に存在するのか? 31:種とは現実か、それとも机上の空論か? 32:ラドンは致死性か? 33:植物は繁殖が容易なのか? 34:人工生命の形を造ることは可能か? 35:生物の進化は事実か仮説か? 36:化学物質を含まない食品は存在するのか? 37:反物質の世界は存在するのか? 38:宇宙は複数存在するのか? 39:人獣共通感染症を恐れるべきか? 40:石油の枯渇は悪夢か天恵か? 41:重力は斥力になりうるか? 42:偶然は予見できるのか? 43:現生人類は進化を続けているのか? 44:近い将来、人類は冬眠状態で宇宙旅行をすることができるのか? 45:知能は脳の大きさに比例するのか? 46:グローバル化は格差を拡大するのか、それとも縮小するのか? 47:0.9999999・・・は1に等しいのか? 48:森は消滅するのか? 49:我々の社会は、深刻な自然界の危機に対して、これまでの社会よりも抵抗力があるのだろうか? 50:我々の脳は知らぬうちに情報を受け取っているのか? 51:遺伝子組み換え食品は健康にいいのか? 52:コンピューターはある数字を無作為に引くことができるか? 53:コンピューターは匂いを感知できるか? 54:グレープフルーツには毒性があるのか? 55:脳を「回復させるる」ことは可能か? 56:4次元の世界を「見る」ことはできるか? 57:脳のなかの考えを読むことはできるか? 58:癌の発症を予見することはできるか? 59:目をあけたまま、夢を見ることはできるか? 60:仮想現実に浸ることは可能か? 61:電気の備蓄はできるか? 62:眠らずに生きることはできるか? 63:最短距離は常に直線か? 64:ニュートンのリンゴは青かったのか? 65:脚はどうして4本か6本か8本なのか? 66:どうして大きい動物と小さい動物がいるのか? 67:どうして偶然に頼らなくてはならないときがあるのか? 68:人間の手の指はどうして5本なのか? 69:どうしてフランス人の過半数は平均給与を稼げないのか? 70:どうして空は青いのか? 71:どうして世界には色があるのか? 72:どうして人間はいびきをかくのか? 73:樹木の葉を食べる動物は怠け者なのか? 74:グリンピースはゆでるとどうして色が薄くなるのか? 75:どうして1は9よりも多く現れるのか? 76:どうしてコンピューターにはモデルがひとつしかないのか? 77:難聴が完治する日は来るか? 78:自然についてすべてを知ることはできるのか? 79:流氷をリモートコントロールで溶かすことはできるか? 80:意識するとはどういうことか? 81:アダムのリンゴとは何か? 82:コンピューターがアインシュタインよりも賢くなのはいつか? 83:健康の「質」とは何か? 84:明日、我々はどんな空気を吸うのか? 85:宇宙は何歳か? 86:最も美しい数式は何か? 87:1立方センチメートル当たりに、どれだけの情報を記憶させることができるか? 88:バタフライ効果とは何か? 89:ピタゴラスの定理を作ったのは誰か? 90:ビッグバン以前には何があったか? 91:人種は存在するのか? 92:気候を人工的に冷却するのは、SF世界のなかだけか? 93:ロボットはなくなるのか? 94:経済学は「経済科学」か「政治経済」か? 95:治療にはリスクがあるのか? 96:地球温暖化の責任は我々にあるのか? 97:雌牛は牛乳工場なのか? 98:ミミズには人間と同じように記憶力があるのか? 99:真空は空(から)なのか? 100:よい昼寝と悪い昼寝があるのか?


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