『東大が調べてわかった 衰えない人の生活習慣』 飯島 勝矢著 KADOKAWA [医学・健康]
具体的なフレイル予防対策、また、改善策が示されて
〈フレイルとは、年をとるにつれて筋力、認知機能、社会とのつながりを含む心と体の活力が低下した状態〉〈「虚弱」を意味する英語のフレイルティが語源で、日本老年医学会が提唱し〉た。
〈東京大学高齢社会総合研究機関が実施した大規模高齢者フレイル予防研究の結果、「しっかり噛んで、しっかり食べる」「運動する」「社会とのつながりを持つ」 / この3つのことがバランスよくできていれば、加齢に伴う体や心の衰え=フレイルを予防でき、改善につなげられることがわかってき〉た。
〈これからはフレイルを高齢者だけの問題と思わず、早くから先を見据えた健康対策を行うことが大切にな〉る。〈50代、40代、いえもっと早くから意識しても早すぎることは〉ない。〈本書を「フレイル」から、「将来は寝たきり」の心配から、抜け出すきっかけにして〉ほしい。
以上、「はじめに」から抜粋したが、本文では、具体的なフレイル予防対策、また、改善策が示されていく。個人的には、「BMIパラドックス」のこと、ある年齢から「メタボ予防からフレイル予防へ。180度のギアチェンジ」する必要性のあることが印象に残った。
啓発的で見やすく読みやすい。紙質はあまりよくないが、価格相応の普及版として評価できる。巻末には、『ひと目でわかる!427品目のたんぱく質データ事典」が綴じ込み付録となっている。カラー写真で該当食材(あるいは献立)が、併せてカロリー量、塩分、脂質量が示されている。こちらの紙質は比較的良い。
いちど読めばそれでイイようにも思うが、手元に置いておくならフレイル予防・改善の動機付けとすることもできるにちがいない。
(以下、目次・章立て)
第1章 あなたのフレイル度は? リスクを知るカギは「ふくらはぎ」にあり!
第2章 きちんと食べているのに体がだるい、 新型栄養失調が増加中
第3章 ささいな口の衰えからずるずるる老化が進む オーラルフレイル
第4章 今すぐ実行! もっとたんぱく質がとれる食べ方
第5章 社会性のあるなしが、フレイル予防の大きな分岐点
第6章 同世代の人より、歩くのが遅いと思ったら要注意!
綴じ込み付録 オールカラーだから一目でわかる。427品目のたんぱく質量データ事典
2018年5月13日にレビュー