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『速読日本一が教える すごい読書術――短時間で記憶に残る最強メソッド』 角田 和将著 [読書法・術]


速読日本一が教える すごい読書術――短時間で記憶に残る最強メソッド

速読日本一が教える すごい読書術――短時間で記憶に残る最強メソッド

  • 作者: 角田 和将
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2018/03/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


「速読を“活かす”ことを極める本」

「速読を極める」というより、「速読を活かすことを極める本」。

本を効率的に読んで生活に活かし、学んだことを確かに自分のものとしていくのが本書の主眼。そのために、「情報のピックアップを洗練させ、気づきや閃き、自身が成長するきっかけをつかむ」ための読みが強調される。それはスキル・人格の向上などに資するものとなる。

教え込まれて習慣となっている読み(逐次的に読む、音読)と気になるところを覚えようとしたり不分明な点を考えること(停滞)から離れることが求められる。そうではなく、本全体を通して作者が伝えたいことを見渡すために、先ずは「読み切る」ことが勧められる。複数回、それを繰り返すなかで、結果として覚えることも可能となる。

著者のいう「理解とは、気づきや閃きを得ること」。作者の意図を知り、内容をまとめて、感想を得る以上を指している。学んだことを生活に活かす(ヒントを得る)ために、「環境」と「経験」(宇都出雅巳「速読」理論であればストックに相当)が豊富であれば、学んだことを、より活かすことができる。それゆえ、作者と自分の「環境」「経験」の差異を意識していることは重要。「読書の方程式 : 本x環境x経験=理解力」であるとして、それぞれの要素を高めていくことを著者は勧める。

読み切ることが重要視されている。「読み切る達成感を味わうことで、『もっと読みたい』と意欲が生まれ、『もっと読むには早く読む必要がある」と、自然に速く読もうとする状態をつくることができる」からだ。

ふつう速読に際し(たとえば「フォト・リーディング」などでは)、「準備」と称して目的を設定し、読もうとする本から何を得たいか決めておくことが求められるが、本書では勧められていない。気になるところへは付箋を貼って先に進むようにも勧められる。マーカー・折り目はダメ、再読の際そこにしか目が留まらないからであるという。繰り返し読む際の「気づき」を狭めるものは、総じて非とされている。

そして、自分の生活に役立つものとなる気になる点があれば、そこを詳しく調べる。書いてある内容を自分に置き換えるイメージ操作は重要。作者の目線になるべく近い状態で疑似体験するなら、これまで理解できなかったことへの気づきを得られる。また、「気づき」を拡張するために、いかに「本に書かれている文章と違うことを思い浮かべられるか」も大切。つまりは「連想」能力、読書内容と「関連付け」る想像力は生活のヒントを多く呼び込むものとなる。

2018年4月28日にレビュー

どんな本でも大量に読める「速読」の本 (だいわ文庫)

どんな本でも大量に読める「速読」の本 (だいわ文庫)

  • 作者: 宇都出 雅巳
  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2014/04/12
  • メディア: 文庫



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