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『絶景本棚』 本の雑誌社 [読書案内]


絶景本棚

絶景本棚

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 本の雑誌社
  • 発売日: 2018/02/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


驚きっぱなし

驚くべき本棚・蔵書の数々。個人蔵書としてこれほどの量を所有している方がごろごろいる事実に驚いた。万単位の本をもっているのは、司馬遼太郎、井上ひさし、渡部昇一さん以外にも大勢いるということだ。しかし、これも驚いたことだが、評者は、京極夏彦氏、成毛眞氏以外存じ上げない。ほかの方はまったくの未知であり、その事実に情けない思いをしている。と、いうよりなにより本書を提供した『本の雑誌』を知らないことの方が、驚異にちがいない。ウワサに聴くていどで、見たこともなかったので、見なくてはならないと思っている。

以下、掲載者名とそこに付されたコメントと(解説) をあげてみる。細谷正充氏についての(解説)には「とにかく買うのが好きで、ブックオフに行けば108円コーナーで山のように買ってきてしまうそうだ。常時1万冊くらい探している本があれば、なにかしら買う本はありますよとのこと」とあるのにはド肝を抜かれた。探索本がそんなにあるとは驚きではないか!

皆さん、たしかにうらやましい限りなのだが、一番共感したのが、最後に掲載された小山力也、牧野伊三夫両氏のエッセイというのが真実のところ。本棚よりなにより大きな家に住みたい。本書がムック本の大判サイズでないのは、そこを考量してのことか、など考えてしまった。

第1章 『百花繚乱篇』の七氏は、コメントなし。見ればわかろうということらしい。
松原隆一郎 / 京極夏彦 / 荻原魚雷 / 渡辺武信 / 成毛眞 / 今尾恵介 / 幅允孝

第2章 『不撓不屈篇』 根岸哲也「生活空間に本が押し寄せる」(すべて揃っているのは片岡義男くらい) / 喜国雅彦「本棚探偵は蔵書スリム化進行中」 / 日下三蔵「日本最大級の魔窟にして秘境」 / 永嶋俊一郎「資料室然としたリラックス空間」 / 祖父江慎「活字印刷の歴史をたどる道」 / 細谷正充「15万冊収納しても、まだまだ余地あり」 / 宮田珠己「図鑑にSF、博学の書が勢ぞろい」(いちばん大事にしている本は荒俣宏の『世界大博物図鑑』) / 名久井直子「うっとりながめる」(吉屋展子『花物語』)

第3章『泰然自若篇』 境田稔信「辞書三昧。『言海』だけで260冊以上!」 / 吉田豪「心身注ぐタレント本&グッズに囲まれて」 / 藤脇邦夫「エンタメ全開の本棚」(圧巻はなんといっても小林信彦コーナー) / 北原尚彦「背が見えなくても大丈夫。本棚裏地図で徹底管理」 / 春日武彦「レンガアーチの奥に広がるフランク・ザッパな空間」 / 松村幹彦「パラフィンに包まれるのはとっておきの一冊」 / 中野善夫「日焼けは完全ブロック!『棚入り」の本たち」 / 勝峰富雄「まるで岸壁!天井に到達する本棚」 / 加藤文「味ある和洋古書は父が残し(て田村書店が引き取らなかった)『良くない』本」 / 都築響一「ファン“必読” 背表紙から近づく都築響一ワールド」(「目標は蔵書ゼロ。必要なものはデータでクラウド上にあればいい」「自分にとって大事なのは蔵書じゃなくてフットワーク」) / 日暮雅通「廊下に玄関、長身の靴箱まで、いたるところに本のある家」

第4章『一球入魂篇』 鏡明「本の層で埋まってゆくゆとりの空間」 / 新井素子「『あたしは、まず、巨大な本棚を作る』 完成したのは図書館級の書庫」 / 嶋浩一郎「一見整然、その実雑然。並びなんて気にしない」 / 川出正樹「戦後刊行された翻訳ミステリー叢書がほぼ揃う棚」 / 西田薫「玄関入っていきなりの書庫」 / 近藤隆「キモは背表紙」 / 鳥海修「スチール製キャビネットが支える重量級の蔵書群」 / 森英俊「海外原書に貸本漫画、探偵もの。古本神の蔵書は激レア本の山なのだ」

2018年4月9日にレビュー

渡部昇一 青春の読書

渡部昇一 青春の読書

  • 作者: 渡部昇一
  • 出版社/メーカー: ワック
  • 発売日: 2015/05/22
  • メディア: 単行本


 
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