SSブログ

『スピノザと動物たち』 大津真作訳 法政大学出版局 [哲学]


スピノザと動物たち

スピノザと動物たち

  • 作者: アリエル シュアミ
  • 出版社/メーカー: 法政大学出版局
  • 発売日: 2017/12/22
  • メディア: 単行本


「動物たち」が、そのデザイン性の高いイラストと共にスピノザ理解を助ける

スピノザの倫理学に関する主著『エチカ』の解説書。ただし、その幾何学的証明の順に、その哲学を紹介するという形式はとっていない。「蜘蛛」をはじめ多数の動物たちが、そのデザイン性の高いイラストと共にスピノザ理解を助ける役をはたす。

表紙にある本書タイトルと動物の挿絵から、親しみを感じて手にしたが、『エチカ』未読の評者には手ごわい相手で、「訳者あとがき」10ページにわたる解説と訳註が無かったなら、通読も難しかったにちがいない。

本書の特徴と長所について「訳者あとがき」に次のようにある。〈 本書では、説明するにあたり哲学用語をなるべき使用せずに、平易な動物の例ととくにスピノザの『書簡集』を活用して、あらゆる類の「無知」へ攻めかかるスピノザ哲学を生き生きと紹介している。これがスピノザ入門書として類書に見ない本書の特徴であり、長所である点を繰り返し指摘しておきたい。〉

著者アリエル・シュアミは『スピノザにおける善のコミュニケーション』で学位を得た哲学博士。「法政大学出版局」からでている本書は、今後ふたたびスピノザに取り組む際に、参考にできるように思うし、参考にしたい。

(登場する動物は以下のようなもの)
第1話 蜘 蛛 / 第2話 二匹の犬 / 第3話 人間、ロバ、象 / 第4話 血のなかにいる虫 / 第5話 海の魚 / 第6話 天使とネズミ / 第7話 翼のある馬の観念 / 第8話 キマイラ / 第9話 驚 き / 第10話 痕 跡 / 第11話 前 兆 / 第12話 奇 蹟 第13話 隣人の雌鶏 / 第14話 作者の考え / 第15話 神の法 / 第16話 石の落下 / 第17話 ビュリダンのロバ / 第18話 陶工の神 / 第19話 馬のリビドー / 第20話 蜜蜂と鳩 / 第21話 獅 子 / 第22話 蛇 / 第23話 憂鬱な気分の人 / 第24話 家 畜 / 第25話 記憶喪失に陥った詩人 / 第26話 二匹の犬 / 第27話 子 供 / 第28話 社会的動物 / 第29話 セイレンたち / 第30話 イソップのヤギ

2018年2月21日にレビュー

バールーフ・デ・スピノザ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%95%E3%83%BB%E3%83%87%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%94%E3%83%8E%E3%82%B6

哲学者スピノザ|汎神論、エチカ、名言、現代に通じる思想をわかりやすく解説
https://brave-answer.jp/14380/



異端思想の500年: グローバル思考への挑戦 (学術選書)

異端思想の500年: グローバル思考への挑戦 (学術選書)

  • 作者: 大津 真作
  • 出版社/メーカー: 京都大学学術出版会
  • 発売日: 2016/01/20
  • メディア: 単行本



nice!(1) 
共通テーマ:

nice! 1