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目次『京大式DEEP THINKING』川上浩司著 [教育・学び]


京大式DEEP THINKING

京大式DEEP THINKING

  • 作者: 川上浩司
  • 出版社/メーカー: サンマーク出版
  • 発売日: 2017/11/06
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



キーボードでタイプする。Aというキーを押すと「あ」とでる。こうした操作は「人との約束」(人間のつくった約束事)であり、物理現象によるような「物との約束」ほどには当てにならない。その点、鉛筆による筆記によって、黒鉛をなぞった跡が紙面に残るのは、「物との約束」に属する。それは、さらに実感を伴った経験として印象付けられる、と著者はいう。

また、著者がいうには、手書きで写す際に、筆写ミスが生じることもある。タイプするほどに速くは写せない。丁寧に手書き筆写するには時間がかかる。一見無駄に見えもする。しかし、その間さまざまなイメージが湧いたり、アイデアが浮かんだりもする。そうしたものは、玉石混交だが、キーボードでタイプするなかでは得られないものであるという。

以下のように「目次」をタイプしても、ソレは無くは無い。ミスは発生するし、こんな見出しのもとで論議が展開されていたのかと気づいて驚くこともあるし、見出しキーワードの内容を想起できないなどなど、である。それでも、やはり、手書きして得られる気づきの方が多いであろうように思う。

「筆写・書写」という読書法
http://bookend.blog.so-net.ne.jp/2006-09-15

以下『目次』

Intoroduction 「浅い思考」でよしとしていないか
「頭が良い」とは、深く考えられることである / 「深く考える」を考えるための考察 / 「素早い反応」は本当に考え抜いた結果か? / 「即応即答」で考える力はつかない / 「深く考える」とは「プロセスをたどる営み」である / 「思考力」が簡単に失われる仕組み / 「考える力」を取り戻そう

第0章 DEEP THINKINGの極意 (「深い思考」の正体を知る)
「考える」と「深く考える」の根本的な違いとは? / 「着地点」ではなく「道中」に集中する / 「深く考える」とは「一工程、意識する」こと / ここを考えないと「わかったつもり」に陥る / 「すぐやる人」になってはいけない? / 「価値あるユニーク」を生む唯一無二の思考 / 「モレなく、ダブりなく」思考のワナ / 鉛筆1本で人を動かす「デザインのチカラ」 / 第0章のポイント

第1章 なぜ「鉛筆で記す人」は「できる人」っぽいのか? (「実感」と「物のコトワリ」に迫るDT)
なぜ「鉛筆で記す人」は「できる人」っぽいのか? / 「PCでメモ」されると冷たく感じるたしかな理由 / 「物との約束」に実感は宿る / 実感が薄れる「人との約束」 / 浅い思考で終わる「ある前提」とは? / 「iPhone」がベストセラーになった背景 / ペンタブのサインが「いつも下手」なのはなぜ? / 「正しく疑う」スキルを養う / 「秘書」を通してコミュニケーションしていないか? / 京大で「不完全なものさし」が3万本以上売れたわけ / 「発想の転換」を生み出す思考 / 「ヒントが残った状態」を維持する / 思考を脳から取り出す / 「頭の中のごちゃごちゃ」は「物理的法則」に寄せる / なぜ「ボールペン」や「シャーペン」ではだめなのか? / 「習熟度」でモノを視る / 「有限性」の重要性 / 人類が抱える「厄介な法則」とは / 「what」ではなく「with」を考える / 「腑に落ちる」カラクリ / 第1章のポイント

第2章 「わかりやすい説明」に数字は要らない(「説明」と「数字」をめぐるDT)
なぜ、社長の話はつまらないのか? / 「わかりにくい説明」を戦略的に採用する / 「言葉にできない」が武器になる / 京都の舞妓はなぜ「わかりにくく」伝えるのか? / 「わざ言語」は深く伝わる / 「再現性の低い言葉」で考える効用 / 「具体的な説明」は本当に完璧か? / 「数字」を使うと説得力が弱まるケース / 言葉を「合理化」してはいけない / 説明力を深めるヒント「4つの尺度」(「比例尺度」「間隔尺度」「順序尺度」「名義尺度」) / 「エビデンス・マジック」を頭に入れておく / エビデンスは「分母」を疑う / 「会議は通るが売れない企画」はこう作られる / 「数」を求めすぎた思考の末路 / 「客観と主観の切り替え」で説明レベルを上げる / 説明に「実感」を載せる訓練 / 第2章のポイント

第3章 鉛筆を持つ者だけが「たどる力」を手に入れる (「プロセス」と「経験」にまつわるDT)
なぜ「わかるようでわからない」のか / 「本物に出会わないと本物にならない」 / 「ユニークな解き方をする学生」はどう考えるのか? / 「プロセス優先」の法則 / 「読書」で思考が浅くなる? / 「スキルの飛躍」に必要なある営み / 「文脈」で考える習慣をつける / 「思考の連続性」を問う / 「考える人」は「消しゴム付き鉛筆」を使わない理由 / 「減らす」ことに時間をかける / 何にでも「目的」を設定しない / 「前後の変化」を注視する / 持つべき「視点」はこの3つ / 「形から入る」とマインドがシフトする / 「思考できる余地」を自分に作る方法 / 「スロー」が考える力を伸ばす / 鉛筆で「思考のけもの道」を作る / 第3章のポイント

第4章 「必要なもの」を抜く1本の勇気 (「発想力」と「本質」についてのDT)
「京大生の部屋」はアイデアの宝庫? / 「知識量」と「思考力」は比例するのか / 「思考できるAI」に学ぶ理想的なインプット術 / 「考える力」を「発想力」につなげる / 大量の「アイデアもどき」を生む危険な発想法 / 「企画はかけ算」は「イチかバチか」と同義 / 「リンゴをかじる」ように考える / 「経験」でなく「手段」を引く / 「一瞬の不便」にアイデアは潜む / 「観覧車から窓を引く」ように発想する / 引き算して「妙な説得力」を出す / 手段を引くと「価値」が高まる / 「企画書を作る」前にこう考える / 「スローシンキング」の原則 / 「常識」に向けるべき目とは? / 「なんとなく見える灯台」を仮目標とする / 我々は、「答えがない」からメシが食えている / 思考を「縦」に深めれば「横」に拡がる / ソ連の宇宙飛行士が鉛筆を選んだ理由 / 第4章のポイント





要点で学ぶ、デザインの法則150 -Design Rule Index

要点で学ぶ、デザインの法則150 -Design Rule Index

  • 作者: William Lidwell
  • 出版社/メーカー: ビー・エヌ・エヌ新社
  • 発売日: 2015/10/16
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



観の目――ベルクソン『物質と記憶』をめぐるエッセイ

観の目――ベルクソン『物質と記憶』をめぐるエッセイ

  • 作者: 渡仲 幸利
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2017/12/14
  • メディア: 単行本



以下、上記書籍第3章p113-4からの引用

《反復のほんとうの役割は、まず“分解”すること、ついで“再構成”すること、こうして身体の理解力に訴えることである。反復は、新しく試みるたびに、隠れていた運動を展開し、そうして、身体の注意を、いままで気づかずにいた新しい要素に向けさせる。反復によって、身体は、区分し、整理し、主要なものにアクセントをつけ、運動全体のうちに、その内部構造を示す輪郭をひとつひとつ見いだす。この意味で、運動は、身体がこれを理解して、はじめて身についたといえる。(220-221頁)

ことばの獲得もスポーツの訓練に似ている。語学はもちろんのこと、数学や物理学といった学科であっても、たんに聴講したり講読したりしてわかっただけでは話にならないといわれる。第一級の物理学者である高橋康や江沢洋といった先生がたは、かならず紙と鉛筆を用意して何度でも手を動かしてみることを学生に勧めている。「型」の練習をあなどるなかれ、いわゆる思考といわれているものも、そのほとんどの部分は、ことばの訓練によるといっていい。けっきょく、考えるということは、日常的なレヴェルにあっては、聞こえてくることばや読んだことばを区切り、ことばとしての輪郭を際立たせることなのである。




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