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『賞味期限のウソ 食品ロスはなぜ生まれるのか』 井出 留美著 幻冬舎新書 [食生活]


賞味期限のウソ 食品ロスはなぜ生まれるのか (幻冬舎新書)

賞味期限のウソ 食品ロスはなぜ生まれるのか (幻冬舎新書)

  • 作者: 井出 留美
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2016/10/28
  • メディア: 新書


本書から学んで生活に当てはめるなら、日本中から、膨大なムダをなくせるにちがいない

評者は、戦時中の窮乏生活とは無縁だが、それでも、ご飯を食べるとき、茶碗に一粒の米も残さないようにと育てられた。その教えが身体に沁みついていて、外食時にもついついそうなる。他の人がそうしないのをとがめることはしないが、それでも、まったく気にせずご飯を残している家族など見ると、食べること・食べられることへの感謝の念の欠如に、いつかバチがあたりそうな気がする。

そんなわけで、評者は「賞味期限」などぜんぜん気にしない。さすがに、1年前のものを平気で客にだした有名落語家ほどではないが、数ヶ月くらいは平気のつもりでいる。豆腐なぞ、口に入れて古くなって酸味を帯びて(すえて)いなければ、平気だ。もっとも先日、ほんの少しだけ残った牛乳パックのミルクをぐっと飲んだら、腐っているので吐き出した。すこーしだけ飲み込んでしまい、ハラをコワスかと思ったが、よほど丈夫に免疫系ができているらしく、なんともなかった。

本書は、他の人を責めるつもりはないものの、賞味期限の意味を知って、食品を適正に扱うように、身内も含め他の人に親切に勧める際に、役立つ。本書をとおし、その点で「理論武装」することができた。「賞味期限」とともに、「消費期限」というのもあるのを知ることができたのは、感謝である。自分が知らずにしていたワルイ習慣を改めるよう助けられもした。だれもが、本書から学んで生活に当てはめるなら、日本中から、膨大なムダをなくせるにちがいない。

2017年2月23日にレビュー

賞味期限のウソ 食品ロスはなぜ生まれるのか (幻冬舎新書)

賞味期限のウソ 食品ロスはなぜ生まれるのか (幻冬舎新書)

  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2016/10/26
  • メディア: Kindle版


1章 賞味期限のウソ // 卵は冬場57日間、生で食べられる/ ほとんどの賞味期限は2割以上短く設定されている/ なぜ企業は賞味期限をもっと長くできないのか / 1日古いだけで納品が拒否される「日付後退品」問題 / 「消費期限」は過ぎたら食べない、「賞味期限」は食べられる / 賞味期限より前に棚から撤去されてしまう「3分の1ルール」 / 賞味期限の切れた頃が一番おいしいものもある!? / 消費者のゼロリスク志向が賞味期限を短くさせている / 賞味期限に依存しきるのはお金を捨てるのと同じ

2章 「これ食べられる?」を自分で判断する8つのポイント // 免疫力の弱い人、健康状態が優れないとき、は要注意 / すべての食品を怖がる必要はない / 店頭で直射日光を浴びていたものは買わない / 外食でも家庭でも「生もの」は要注意 / 「タンパク質」は栄養豊富な分、腐敗もしやすい / スルメもカビる! 水分量15%ラインを知っておく / 揚げ物じゃなくても。「見えない油」にご用心 / 薄味ヘルシー食品は日持ちしない

3章 捨てるコストはあなたが払っている // なぜ食糧不足の被災地で捨てられる食品があるのか / コンビニがスーパーより高いのは「捨てる前提」だから / 棚を商品でいっぱいにしておくコストもあなたが払っている / 毎日大量にパンを捨てているデパ地下パン屋 / 恵方巻きもクリスマスケーキも、1日過ぎればゴミ / 食品ロス大国日本、ロスの半分は家庭から / 売れ残りのコンビニ弁当で貧しい子どもを援助してはいけないのか / 京都市はなぜ15年でゴミを半分近く減らせたのか / ハンバーガー1個を捨てるのは浴槽15杯分の水を捨てること

4章 あなたは、あなたが「買うもの」でできている // 「買う」とは、企業と商品に「投資する」行為 / 「よい自分」「よい社会」を創る買い方チェックリスト / あなたがどんな人間か、買い物カゴの中身でわかる / 「買いすぎていませんか?」と客を諭す英国のスーパー / 「2020東京」で食品ロス削減はできるのか / なぜ日本ではドギーバッグが普及しないのか / 「割安だから大サイズを買う」はかえってムダ / 食べ方のマナーは習うのに「買い方」のマナーは習わない / 空腹で買い物に行くと買う金額が64%増える!

5章 食べ物をシェアする生き方 // 大手スーパーの売れ残り食品廃棄を禁止したフランス / 「おそなえもの」をシェアする「おてらおやつクラブ」 / 家庭で余っている食べ物を持ち寄る「フードドライブ」 / 「食品ロス」を「支援」に変える「フードバンク」の活動 / 郵便配達の人が食品を回収する「Stamp Out Hunger(貧困撲滅)」 / 低所得者がスーパーで飲食物を受け取れる「フードスタンプ」 / 余剰農産物の廃棄はなくせるか / 店や企業の食品廃棄を「もったいない」と非難する消費者エゴ / スーパーはみんなでシェアする冷蔵庫 / 自分が消費することで弱者や未来の人々の食べる権利を奪わない

今日から家庭でできる、食品ロスを減らすための10ヶ条
1買い物前に、自分の戸棚や冷蔵庫にある食品の種類と量を確認する
2空腹の状態で買い物に行かない
3買い物では、すぐ食べるものは手前(賞味期限が近いもの)から取る
4「期間限定」や「数量制限」、まとめ買いに注意
5調理のとき、食材を使い切る
6残った料理は別の料理に変身させる
7賞味期限はおいしさの目安、五感を使って判断する
8保存用食品は「ローリングストック法(サイクル保存)」で
9外食事に注文し過ぎない
10残さないで食べる

あとがき 主要参考文献
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