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『アクションリーディング 1日30分でも自分を変える"行動読書"』 赤羽 雄二著 SBクリエイティブ [読書法・術]


アクションリーディング 1日30分でも自分を変える

アクションリーディング 1日30分でも自分を変える"行動読書"

  • 作者: 赤羽 雄二
  • 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
  • 発売日: 2016/05/26
  • メディア: 単行本


とにかく、読んだら、活かす。読んで、行動することに貪欲であることが勧められ求められている

『アクションリーディング』という書籍タイトルからいって著者は若い方(30~40代)かと思ったが、50代半ばのようだ。生年が記されていないが、1978年に東大卒業とあるので、そんなところだろう。マッキンゼー入社前に、大前研一氏の著書すべてを読んでいたという話も出ている。スタンフォード留学後、ヘッドハントされてマッキンゼーに入社し、その後、「マッキンゼー・ソウルオフィスをゼロから立ち上げた」というのだから、たいへんな経歴である。ビジネスマン中のビジネスマンと言ってイイだろう。そんなビジネスマンを絵に描いたような人の、「読書のすすめ」である。超多忙のなかでも、本は読める。読んで、益を得られることを実証する本といえる。

読んでいて感じるのは、著者のコスト意識である。費用対効果の念のモノスゴサである。本の評価基準に関する説明のなかで、《「◎」以上の本を買い、読もうといつも意識しています。どうしても「〇」や「△」の本もゼロにはできないので、そういうときはがっかりします。「×」の本を買ってしまった場合は、火をつけたくなります》とか、黄色のマーカーで傍線を引くのを習慣にしているが、《“たまたまない場合は、本を読むのをやめるほどに徹底しています”。大事なところを見つけても線が引けないと、読むこと自体がもったいなく感じられます。たまに読んでしまって後で線を引こうとしても、該当箇所を探すのが意外に大変なのです。そのため、常に手元におけるよう、アスクルなどで10本買いをしてオフィスや自宅に供えています》などという記述もある。微苦笑を禁じえない。

もっともそんなでなければ、超優秀な企業コンサルタントとして自分を保持できるはずがない。企業を指導するほどの人間は自己管理にも厳しいにちがいない。実際、著者が実行していることとして、週末休暇時のスケジュールを立てるようにというアドバイスもある。ほんとうに忙しいなかで、生活のなかに読書の時間を設ける(「本を読む時間に『市民権』を与える」)ために、そうするように勧められている。本書では、そのような、著者の工夫と実践に基づくアドバイスが多々紹介されている。

本書は、買い込んだ本が山積みになってストレスとなっている方だけでなく、読書家を自認する方にとっても役に立つ本だ。本を読むことは良いことという社会通念があるので、いい気になってなんとなく多読の習慣に陥っている人には、耳の痛いはなしもある。とにかく、読んだら、活かす。読んで、行動することに貪欲であることが勧められ求められている。

2016年7月17日にレビュー

読書の技法 誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門

読書の技法 誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門

  • 作者: 佐藤 優
  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2012/07/27
  • メディア: 単行本



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