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『雑学の威力 (小学館新書)』やく みつる著 [教育・学び]


雑学の威力 (小学館新書)

雑学の威力 (小学館新書)

  • 作者: やく みつる
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2016/04/01
  • メディア: 単行本


身につける秘訣は、身近なところに

トークイベントの後、「サインをせがまれて色紙に少しイラストを書き添えたりすると、『お上手ですね。絵も描けるんですね』」と著者は言われたりするという。時事漫画家としてより、クイズ番組によく出る「物知り」・「雑学王」、あるいは気の利いたことを言うコメンテーターとして世間で認知されているということだ。

漫画家である著者に新たな仕事を与え、世間に知らしめ、恩恵をもたらしたのは、「一見、なんの役にも立たないだろうと思っていた知識の数々」、すなわち『雑学の威力』である。雑学は著者を助け、人生を豊かなものとしてきた。

「本書では、・・雑学的知識を得ることで受けられる数々の恩恵を紹介するほか、それらの活かし方や身につけ方などについても述べていくつもり」と(『はじめに』に)記されている。

著者は、当年57歳になる。3月出生の、いわゆる「早生れ」であることが、「雑学的知識を蓄積していくことになった根源」だという。幼少時、同級生らとくらべ運動能力で劣っていたことが、図鑑や本、百科事典に向かわせたという。(同年代の方はとりわけ懐かしく思い出される話題であるように思うが)特に、小学館の『世界原色百科事典』(全8巻)の刊行は「かなり衝撃的」で、「むさぼり読み」、「何度も繰り返して気になるところを読んでいた」という。(「あ~おそ」「おた~きり」「きる~さい」「さう~しんし」「しんす~た」「ち~にほ」「にま~ほた」「ほち~わ」を完全にそらんじることができるという)。つまり、のちの「物知り」、「雑学王」となるだけの下地、素養、淵源が幼少時に既にあったということである。

では、長じて、物知りになることを願い、雑学の威力を経験することは難しいことであろうか。著者は、そうではないという。「雑学的知識は、『よし、仕入れるぞ!』などと気合を入れて仕込むものではないということ、私自身の経験としても、むしろ何気なく過ごす10分や15分の間に見聞きしたものが、とても興味深くて、自分自身に定着していくこことが多いのです。また、そのほうが、あとになってアウトプットしたときに周囲にウケたり、漫画やエッセイなどのネタになりやすかったりします」と、述べている。

当該書籍のなかには、著者が“身近なところから”雑学的知識をどのように仕込み、蓄積しているか、その方法が示されている。「番組でご一緒した」デーブ・スペクターや「クイズ仲間」の宮崎美子、ロザンの宇治原らとの交友やタクシー運転手とのやりとりなどの話題も楽しい。学ぶべき点も多々あり、なかなか読み応えのある本であることをご報告したい。

2016年6月25日レビュー

国語力

国語力

  • 作者: 齋藤 孝
  • 出版社/メーカー: 辰巳出版
  • 発売日: 2013/05/31
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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