SSブログ

『旧暦読本: 日本の暮らしを愉しむ「こよみ」の知恵』岡田芳朗著 創元社 [民俗学]


改訂新版 旧暦読本: 日本の暮らしを愉しむ「こよみ」の知恵

改訂新版 旧暦読本: 日本の暮らしを愉しむ「こよみ」の知恵

  • 作者: 岡田 芳朗
  • 出版社/メーカー: 創元社
  • 発売日: 2015/11/26
  • メディア: 単行本



旧暦に関する総合的な情報を得ようと思うなら・・
お天気情報などで紹介される「啓蟄」などのいわれを知ってスローな生活に役立てることができれば・・、古典文学にでてくる旧暦にかかわる情報を理解する上で役立つのでは・・という思いから手にしたのですが、けっこうマニアックなのにびっくりしました。天文学的知識に基づいて『暦』が成立するわけですから、天文学的情報が紹介されるのは当然ですが、たいへんマニアックな印象です。もちろん解説はなされているのですが、「黄道」「黄経」「春分点」「秋分点」「近日点」などの用語も出てまいります。

本書の構成は、前半においては、旧暦(太陰太陽暦)と呼ばれる、月の朔望(満ち欠け)をもととし、太陽の運行(四季)を併せて組み立てられた複雑な暦法の仕組みについての解説、後半は、旧暦に付随した暦註、特に日の吉凶に関する、いわゆる六曜九星などの占いについて言及するものとなっています。

著者もあとがきで記しているように、「各章とも大きなテーマを二項対立式に絞り込んで設定しておりますので、叙述が多少なりとも駆け足になったところもあ」り、「平易に、簡潔に、面白く を心掛け」てはいるものの、腰を据えて取り組む覚悟がないと、少々むずかしく感じられるところもあるかもしれません。取り組む相手が大きいだけに、そこから宝を掘り出そうとするからには、それもまた当然かもしれません。

それでも、『旧暦』についての歴史(中国から導入され、その後、日本各地に広まった伝播の)/ 太陰太陽暦とはどんな歴法(太陽暦、純粋な太陰暦暦法との比較)か/ 旧暦から派生するものごと(二十四節季、七十二候、十干、十二支、十二直、二十八宿、雑節、五節句等)が総合的によくまとめられていると思います。索引もついていますので、手元に置いて必要に応じひもとくこともできようかと思います。

2016年1月29日レビュー


日本の七十二候を楽しむ ―旧暦のある暮らし―

日本の七十二候を楽しむ ―旧暦のある暮らし―

  • 作者: 白井 明大
  • 出版社/メーカー: 東邦出版
  • 発売日: 2012/02/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



天文年鑑 2023年版

天文年鑑 2023年版

  • 出版社/メーカー: 誠文堂新光社
  • 発売日: 2022/12/12
  • メディア: Kindle版



nice!(1)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 1

トラックバック 0