『現代病「集中できない」を知力に変える 読む力 最新スキル大全』佐々木 俊尚著 [読書法・術]
現代病「集中できない」を知力に変える 読む力 最新スキル大全―脳が超スピード化し、しかもクリエイティブに動き出す!
- 作者: 佐々木 俊尚
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2022/01/28
- メディア: Kindle版
あくまでも一読しての印象ですが、これだけタスクが多くては注意散漫ではいられません。きっと著者は、これらすべてをラクラクと楽しんでストレスなしに日々こなしているのでしょう。情報インプットとアウトプットを生業としてきた方の工夫がよく示されています。
注意散漫は決して何も得られないわけではありません。「分散集中」という意識状態があったかと思います。いわゆる一点集中ではなく、全体に隈なく意識をやる状態です。武術的意識操作であり、読書法で言うならフォトフォーカスはそれに相当するように思います。要するに潜在意識(無意識)主体の集中状態です。
快感原則というのも聞いたことがあります。人間「快」でないと、知識も入らないし定着もしないそうです。実際そのとおりに思います。いやいやの受け身的態度では、入らないし残らないものです。好きなことは知識がどんどん繋がって体系化されて、いつの間にか、いっぱしの口を利くようになったりします。
本書のコンセプトをまとめるなら、最終的には著者同様、「快感」レベルにもっていくなら、それなりの工夫もするし、効果的な情報のインプット、アウトプットができるようになる、ということかと思います。
具体的な提案がでていて「佐々木 俊尚流」として高く評価できますし、そのままそっくりマネしたい点もありますが、本を「読む」こと(読書)そのものの「力」のレベルアップを図るということであれば、石黒圭著〔「読む」技術~速読・精読・味読の力をつける~ (光文社新書)〕がベストかなあ・・と、思います。
読む心・書く心: 文章の心理学入門 (心理学ジュニアライブラリ02)
- 作者: 秋田 喜代美
- 出版社/メーカー: 北大路書房
- 発売日: 2002/10/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)